本日(2/4)のヤフーニュースで見て、えっ!!となった記事の話です。
YAHOO!の記事↓↓↓
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mamoruichikawa/20170204-00067209/
今、ネットで話題になっている
”健康食品「ウコン」(ターメリック)には薬効はないことが判明”
と言う記事について書かれたものです。
元の記事↓↓↓
http://gigazine.net/news/20170130-turmeric-zero-medicinal-properties/
YAHOOニュース記事にもまとめがある様に、
”「ウコン」(ターメリック)には薬効はないことが判明”
ではなく、正確には、
”ウコンに含まれる成分のクルクミンの効果が不明である”
と言う内容になっています。
まあ、注目を集めやすく表現しているのでしょうけれど、
東洋医学を実践している者からすると
ちょっと待ってよ!
と言いたくなるのですね。
記事の主な内容は、
1、クルクミンの効果は少ないであろう
2、ウコン(クルクミン)の長期摂取によって悪影響もある
と言う感じに見受けました。
これに対して私が思うことは、まず1、については、
”漢方薬は漢方の理論で使われることにより正しい効果を発揮する”
と言うことです。
現代医学の見解から、生薬の持つ一つの成分のデータを取ると言う時点で、もはや漢方は漢方でありません。
ですから、
”合う人と合わない人”
がでてきて当然です。
東洋医学的診断とは、当然ながら機械など無い時代に発生したものなので、そうした機器は一切使いません。
患者さんの顏色を見て、脈やお腹、全身に触れながらその状態を把握します。
そうして鍼灸のやり方や、その人に合う漢方を考えるわけです。
現代医学では機械で調べて、ああこの人の病気の原因はインフルエンザウイルスなんだな、と分かります。
それはベテラン医師でも医学生でも、そのデータさえ見れば分かることです。
しかし、東洋医学では、ベテランの鍼灸師、漢方医(国家資格ではありませんので、医師・薬剤師などが東洋医学を学んでなります)などが脈をみたのと、初心者の鍼灸師などがみた脈では食い違うことがあります。
手で行う職人の世界ですから当然ですよね。
でも現代医学からすれば、それが
”客観的でない”
と言うことで
”科学的でない”
と言う様に思われてしまうんです。
そうですね、東洋医学はそうした意味で
”主観的医学”
であります。
ですから、師匠から弟子へと受け継がれていくわけです。
話がだいぶそれてしまいましたが、この点が現代医学、現代科学と相いれない部分なんですね。
現代医学的の観点でウコンを使うとすれば、
ウコン(の成分)は肝臓の病気にいい?
と言う使われ方をしてしまうところに大きな穴があります。
例えば肝炎や肝硬変は、東洋医学では瘀血(おけつ。古い血)が肝臓に溜まるとなる病気と言われています。
★参考記事:【東洋医学 鍼灸 癌】~ガンと瘀血(おけつ)~
http://ameblo.jp/kid-a1005/entry-11341708706.html
東洋医学的には、ウコンは肝臓の血を発散させる効果を持ちます。
肝炎だから肝臓にある瘀血ごと血を発散させたいのですが、肝炎で弱り切った人には、
”まず新しい血を増やす”
ことが優先です。
そこを間違えると逆効果です。
”血を発散(排泄)させる”
のと、
”新しい血を増やす”
のがまったく逆のことであるのは当然ですね。
途中で体質が変化することがありますので、常に診断をして漢方薬や鍼灸のやり方もそれに合わせなければならないのです。
それをせず病名が肝炎と言うだけで、ウコンのサプリなどをとり続けたらどうでしょうか。
よくなる人もいれば悪くなる人もいて当然です。
このウコンについての論文は、
●あくまで現代医学的には、
●特定の成分については、
と言う観点で書かれていることを理解して頂ければと思います。
また、もう一つ重要なことがあります。
それは、生薬は
”単品で用いることは慎重でなければならない”
と言うことです。
★参考記事:【たんぽぽ茶と妊産婦の話】
http://ameblo.jp/kid-a1005/entry-12232130967.html
単品であれば、それだけ効き目が鋭く表れます。
それで体質に合わなかった場合、長く使っても全然効果がない、悪化するなどの原因になるのです。
単品で強過ぎる生薬は、他の生薬と組み合わせることで中和させ、より安全なものにしたりします。
ウコンや朝鮮人参の様にメジャーなものは、単独で使われたり、ある成分だけが強調されたサプリメントなどになっています。
少し使ってみて、何かよからぬ体調の変化があったら、新しく始めたサプリや漢方などを一度やめることをおすすめします。
そして、漢方をきちんと学んでいる医師、薬剤師の方々にアドバイスを受けることをおすすめします。