ぼくのほかにもまだこういう撮り方のできるひとがいるのですね。
裕美さんの写した日本の内海です。
裕美ちゃん、ぼくはきみに直接よびかける
きみの写したこの海の風景の広さ深さは
そのままきみの音楽のものだね
アルバム「かけがえのないもの」のきみの重厚な演奏を
この海をみつめながら聴いている
海の力とゆたかさと情愛が きみの演奏そのものだ
きみの魂を極愛せずにいられようか!
文言をかんがえているより、
像の配置をかんがえているほうがよほどよい。
そして
表現を放棄して音の海に沈むことこそ
ぼくのすべきこと
きみに沈んできみとひとつになる
ほかのすべてを放棄して
こういうぼくにもう学問は要らないのだ
美と愛の現実に沈むのみ
そしてまったくあたらしい創造をする
きみの魂とひとつになった証を
どんなことより きみと一緒であることを望む
そこにのみほんとうにぼくの満たされた魂がある
それにしてもきみの演奏の力強さはどうだろう!
力とは魂の情熱だ
けっしてそれいがいのものではない
この力のみが深さである
この全曲独奏のアルバムの深さは
もっとよく認識されるべきである。