医者になって17年、そのうち食道癌と戦い始めて11年目の現役食道外科医古畑ケン三郎です。食道癌診療は内視鏡治療、手術、放射線、抗がん剤、この4本の柱を中心に組み立てられます。治療にはレントゲン診断・内視鏡診断・手術には頸胸腹の3つの領域の幅広い知識と技術・術後の周術期管理・そして抗がん剤・放射線との組み合わせ・ステント・疼痛緩和ケア・いろんな専門分野が結集して知恵を出し合います。食道癌診断、治療の最前線」さらに「頭頸部表在癌の最新の経鼻内視鏡診断と低侵襲治療でのどを守る!」
ケン三郎が日々感じたことをいろいろ悩みながらも書き綴ります。

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2012-02-17 00:22:17 posted by kenzaburou41

食道癌のブログ5周年

テーマ:古畑ケン三郎のひとり言

2007年2月、ケン三郎が35歳の時に始まったこの

食道癌のブログ」ですが


ほぼ毎日更新を続けて5周年経過しました。


この5年間の間に食道がんの診断方法、治療方法

も日々進化し


ケン三郎も40歳になってまさか経鼻内視鏡で

講演に呼んでいただける、読売新聞にでる

なんて。。夢のような話でございます。


始めたころのブログを読み返すと

ああ、こんなこと言ってらあ


と恥ずかしくなることもあり


また、いいこと言ってるやん、5年前の俺


っていうこともある。


日記をつけることで、日々どーして、なぜ、

どうやったらもうちょっといい治療法

診断法ができるんだろう


そういうふとした思いつき

が今日の糧になっております


食道がんは強敵で、いつも勝てる相手では

ありませんが


検診制度がもっと整えば、がんで苦しむ

人が少なくなるんじゃないか


こういう情報発信をすることで誰かが

ああ、こういう意見をいただいて助かった、

と思っていただければこのうえない喜びです。


今後もライフワークとして続けてまいります


えらい先生にはなかなか聞けないこと

治療への疑問点、困ったこと、アドバイス


内視鏡治療から手術、抗がん剤、放射線治療まで

「食道屋」さんとして、今何ができるか?


質問はもちろん無料で24時間いつでも

受け付けておりますので

どうぞ気兼ねなくお立ち寄りください。


↓応援よろしくどーぞ、万年2位でございます。


ぽちっとな   6年目突入!




食道癌のブログ 

最近の画像つき記事
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2012-02-16 22:58:16 posted by kenzaburou41

咽頭の生検は痛いのか?

テーマ:食道癌と頭頸部癌

昨日の講演。


耳鼻科の先生によると

咽頭の生検をするときはオピスタン静注しています


とおっしゃってたんですが


はたして、咽頭の生検は痛いのか?


ケン三郎の師匠に内視鏡やったときは

咽頭にBrownish areaがあったので生検

したら


「あれは食道より痛いぞ、ケン三郎」とおっしゃってたし、、


でも、患者さんに生検しても

ひどく痛がってのたうちまわる、というような方は

いらっしゃらないし


ましてオピスタンなんか使ったことない。


生検して血が止まらなくなって

病院に帰ってきた、入院が必要だった、

呼吸困難になって危なかった、


そういう経験は10年以上内視鏡

握ってて、いままで一回もない



どれくらいで血はとまるのか


どれくらい痛いのか


食事はいつから再開しても大丈夫なのか


こういうかゆいところに手が届くような

患者目線の研究ってなかなかない


実はすごい我慢しているのかも、、、


くそっ、このケン三郎め、

と心の底では思っているかもしれない


そう思ったら自分に今度生検してみようかな

と思う今日この頃です。


生検かん子でどこをつかむと痛いのか?



目指せノーベル医学賞ですわ~



ぽちっとな













2012-02-16 21:44:04 posted by kenzaburou41

術後再発について

テーマ:教えて!ケン三郎の質問コーナー

食道がんの術後でも放射線治療後でも

おなかのリンパ節に再発が起きることは

珍しくありません。


腹部のリンパ節も手術で通常は切除している

にも関わらず、それよりも遠くのリンパ節

=大動脈の近く(パラアオルタといいます)

に飛び火が起きていますので


再発後のステージとしてステージⅣ期

(もっとも進行した状態)

ということになります。


といっても治療法が残されている状況ですので

すでに手遅れ、末期というわけではなく


放射線と抗がん剤を用いるとうんと効果のでる

方もおります


放射線に関しては一度当てたら、ある程度の線量

の上限が決まっていますので、あてるのは今回のみ


あとは抗がん剤を効かなくなるまで続ける

ということになります。


基本的には目に見えないけれども全身にがんが広がっている

と想定して、全身への抗がん剤投与が継続して行われるのが

通常です。


体調によっては続けるのがかえって

よくない場合もあるので、ブレーキとアクセルをうまく

踏み分けながら治療を続けることになると思います。


まず半年先を目標、半年たったら次の半年を

目標というように経過については個人差があり

なんともいえません


癌が残っている疑いがあって、

数か月経過を見ていてほかに転移がない、

という状況で切除を行うケースもありますが


たいていの場合は肝臓に転移したり、肺に転移したり

と複合的に転移が生じることが少なくありません

ので切除したほうがいいのかどうかは

個々の状況によって見極める、ということになります。

2012-02-16 06:02:48 posted by kenzaburou41

経鼻内視鏡の前処置

テーマ:経鼻内視鏡検診を受けよう!


経鼻内視鏡は画質がよくない

というのは過去の話で

現在画角が140度、従来の約1.5倍の
視野角をもち、さらに高画質の経鼻内視鏡
がFUJI FILMから昨年10月に発売

FICEを標準装備し、遠景でも明るく拾い上げが
できさらに焦点深度が3mmまでとなって
近接でも拡大内視鏡の画像に近似した所見が
得られるようになっています。

胃がんの存在診断、質的診断、範囲診断
経口のハイビジョン内視鏡とほぼ
同等の画質。

範囲診断はさすがにNBI+拡大には
かてませんが

「見つける」ための遠景からの観察
ではFICEは萎縮胃粘膜を白っぽく強調
するのでコントラストがえられやすい

口腔咽喉頭食道胃それぞれに合わせた波長の
FICEを選択でき、遠景でも明るい画像を
撮る事が可能。


しかしながら、使い方をしらない先生に
とっては宝のもちぐされ

経鼻内視鏡できれいな画像を得るため
には前処置が重要になります。

ウーロン茶飲み放題法
(前日、または朝からたくさんウーロン茶
を飲んできてもらう=胃のなかの油を除去)

ガスコン水150ml法
(静岡赤十字の川田先生推奨)

そして昨日の講演では
プロナーゼ2P+重炭酸ナトリウム1g
+バロス10ml+アルカリイオン水60ml
をまぜた70mlを飲んでもらい

さらにアルカリイオン微温水50ml追加し
計120mlをつかう

アルカリイオン水を使うと胃の粘液の粘稠度
が下がることが期待されるそうです

それとその飲んだものがまんべんなく胃の中に
広がるように2-5回ぐるぐる回転させる
「ローリング」も重要

それに加えて持続的に洗浄水をかけられるように
water please」という器械を使って
フットスイッチで好きな量をすきなだけ
waterjetのように洗い流す

きれいに胃を洗う事で
観察のための場を作る

ということだそうです。

経鼻は普通のカメラより細い

送気、送水力が弱く水切れが悪い
という弱点があります

これは送気、送水、かん子を形成する
管の共通している部分が通常内視鏡
よりも長いために起こるそうで
こればかりは10mmの太い通常内視鏡
には勝てない

「送水したら4秒以上送気してさらに
1ー2回吸引をかける」


のが理想的だそうです

うーん勉強になったぜよー

新しい時代の幕があけたでよーっ!

ぽちっとな



2012-02-15 22:43:48 posted by kenzaburou41

EG580NW

テーマ:早期胃癌研究会


早胃研にいこうか、経鼻内視鏡セミナー
いこうかちょっと迷いましたが

経鼻内視鏡セミナーでEG580NW
の活用法を聞いてまさに目から鱗。

通常の経口内視鏡はもう処置以外
では不要

経鼻でスクリーニングして
拡大で精密検査、というのが
近い将来、現実のもの
になりそうな予感

診断するのに必ずしも
高画質である必要はない

演者に同感ニコニコ

幕張まで行ってえがったー。

関東でも経鼻内視鏡研究会を立ち上げねば、、

ぽちっとな

2012-02-15 17:49:59 posted by kenzaburou41

千葉経鼻内視鏡セミナー

テーマ:古畑ケン三郎学会奮闘記

今日は千葉で経鼻内視鏡のセミナーがあって

ケン三郎がお世話になった耳鼻科の先生の

講演があるので聞きに行くんですわー


そろそろでないと間に合わない


けどPHSが鳴る-


ぽちっとな

2012-02-15 00:31:09 posted by kenzaburou41

非開胸食道抜去

テーマ:食道癌の手術とは?
  ぽちっとな

非開胸食道抜去

文字通り、胸を開かずに食道を抜いてくる、
という手術で、

今ほど内視鏡治療が盛んでなかった頃に、
多くは転移の可能性が極めて低い
m1m2癌だけども、広範囲または周在性が
広いなどの理由で内視鏡治療の適応外
になった病変にたいし、

「食道を抜去する」かつ胃をつり上げて
吻合する、という手術です。

気管食道学会誌に食道癌手術の名医で
しられる先生の手術のコツが載っとりました。

開胸しないで、頸と腹からのアプローチで
食道を切除する術式。

古くは1898年のLevyさんが考案。

盲目的に指で剥がしていく、
というのを基本として

下から上に抜く方法と
上から下に抜く方法がある


また用手剥離に代わる変法として翻転抜去や
折り返し抜去がある

しかし,食道を抜いてくるだけなので
リンパ節のお掃除はしてこない手術

ゆえ、根治性は郭清をする手術よりは
劣る

手術するのに癌が残っちゃう、、、

だったら放射線や抗がん剤の方が
いいのでは?

と思う先生もいるだろうし

それだけこの術式のメリット、デメリット
を考慮して治療を選ばねばならない。

適応条件)食道が周辺臓器と高度の癒着がないこと

m1、m2の腫瘍であること

ESDの適応から外れること

原則T2まで

下咽頭癌や頸部食道癌の切除と一緒に
この食道を非開胸で抜去して、あとは
胃管をのばして頸でつなぐ方法としても
よい(血行再建がいらない)


手技で気をつける事は
反回神経麻痺を避けること と

気管膜様部損傷を避ける事。

腹部からの操作ではオリジナルは
すべて触覚頼みの操作!
だが、今やハーモニックなどの
エネルギーデバイスを有効活用してもよかろう


つづく



2012-02-14 22:24:05 posted by kenzaburou41

85歳の食道表在がんAPC

テーマ:食道癌の内視鏡治療とは?

85歳でいろいろ合併症もちで


食道表在がんがたまたま見つかってしまった、

という患者さんがいて


だれがみてもごく浅いがん。


ほっといてもsmがんに変わるまでは

おそらくあと数年かかるだろう、


たぶん、食道がんは治療しなくても

ほかの要因で生命を全うするのでは、、


と思うのですが


「治療してください」といわれると


ご希望に沿うようにとおもって。


絶対に穴があかない治療


としてアルゴンプラズマ焼灼法を選択。


焼いて、はがして、m1の癌をすっ飛ばして

あとはもう一度きつね色に焼くだけ~


で夕方からご飯開始。

一泊で退院


これでいいのだ。


ぽちっとな


2012-02-13 22:53:12 posted by kenzaburou41

下咽頭癌のEMR

テーマ:食道癌と頭頸部癌
ケン三郎の施設は世界で初めて咽頭のEMRを
した施設で

歴史と伝統があり

2008年まではEMRで
下咽頭癌の治療やっとりました

それでも表在癌は十分治ったんですが

佐藤先生、大森先生の彎曲型喉頭鏡を
手に入れてから大きく内視鏡治療時の視野が
変わり

ELPSも導入

この時代の始まりくらいの患者さんで
下咽頭左梨状陥凹、右梨状陥凹、
さらに後壁にもできてそれぞれEMR、EMR、
ELPSで切除し、約3年が経過。


そしたら今度は輪状後部にまた表在癌が、、。

EMRで当時分割切除になった所の
周辺も含めての新?病変。

昔だったら、輪状後部だから
観察に死角があって
早期発見は難しかったけども

10年前からやってた
「エー」と発声させて咽喉頭を
観察するという古いやり方を

2年前から「アイーン&ダッフンダ」法
に変えて、輪状後部でも
簡単に見つけられるようになりました。

みつかった癌を目の前にして

お酒はやっぱりいけませんね
と患者さんも苦笑い


でも辞める気は全然なさそうビックリマーク


最近、こういう患者さんとつきあう中で

「酒は100%ダメですよ」というのは
難しいのかもしれないと思うようになり。

僕らの考える
7割くらいでよしとしよう
と思うようになってきました。

ちゃんと病院に通うのは、お酒を飲む自分の甘さ
にも気付いているし、それでもちゃんと
早期に癌を見つけてくれるだろうと
医者を信じているからだと。

だからそういう患者さんを
褒めてあげて

よくぞ来てくださいました
観察させていただきます

次もまた来てくださいね

といえるような検査をしようと。


ぽちっとな
2012-02-13 19:42:20 posted by kenzaburou41

ダウンステージ

テーマ:手術で癌がとりきれなかったら?

食道癌のブログ 


気管浸潤高度進行食道がん。


切除不能で


抗がん剤と放射線治療をまず行いました。


幸い効果があって小さくなったように見えます


「まず放射線で小さくしてから手術です」


というような説明をまずうけるとおもいますが。


実際上、どこまで効果があったのか、

きれいに取りきれるのか、

取ってすぐ再発しないかどうか

本当に効果が得られたのか?


などは術前にはかなり不確定要素が強く


「なんとかとりきれそうかな」


と思って、手術で取りに行っても、全然とりきれずに

癌が残ったり


逆にがんがかなり残っていると判断したのに

切除してみたらうんと効果があってがんが消えていたり


CT,PET、内視鏡、透視

いろいろな検査を駆使しても、100%診断

できるというところまではいきません。


効果があっても、瘢痕のために食道が

狭くなり、全然たべれません、という方もいる。


抗がん剤を永遠に続けますか?


食べれなくても生きていれば

いいでしょう?



そういうわけにはいきません。


食べられてこそ。。。


外科医は難しい症例でもチャレンジ

しなければならない環境におかれます


おおよそ、とれそう、でサルベージ手術


もしくはバイパス手術を選択する。


一度に食道をとって再建までやるのが

大侵襲と考えて、まずバイパスをおいて

から時期をみて、食道をとりにいく


という施設もあるかとおもいます



癌がもともと進行している場合

手術でがんが残ったりした場合は

きわめて予後不良。


しかし食べれない人を目の前にして

なんとかいい方法はないか


ぎりぎりまで見極めたいと思います。



ぽちっとな




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