阪神、球団所有者変更で30億円支払い オーナー会議
プロ野球オーナー会議(議長=白井文吾・中日オーナー)が5日、東京都内であり、阪神球団の親会社である阪神電鉄が阪急ホールディングス(HD)と経営統合する問題について、新会社の「阪急阪神HD」が球団の新しい所有者になると判断した。新会社は野球協約に基づき、預かり保証金など計30億円を日本野球機構(日本プロ野球組織=NPB)に納入することが決まった。
(asahi.com)
これが例の野球協約
というやつ。今回初めて読んだ。当たり前か。
統一契約書の雛形とか付いてて面白い。
今年の契約更改シーズンは楽しめそう。
問題になっているのはたぶん第31条。頑張って抜粋してみる。
第31条 (新たな参加資格の取得、または譲渡、球団保有者の変更)
新たにこの組織の参加資格を取得しようとする球団は、その球団が参加しようとする年度連盟選手権試合の行われる年の前年の11月30日までに実行委員会およびオーナー会議の承認を得なければならない。すでにこの組織に参加している球団が左記の各号のいずれかに該当するときも同様とする。ただし特別の事情がある場合は、実行委員会はこの期限を延長することができる。
(1)売買、贈与、営業譲渡、合併等その形式を問わず、球団が有する参加資格を他に譲渡しようとするとき。
(2)球団の株主または新たに球団の株主となろうとする者が、逐次的に取得する場合および間接的に取得する場合を含め、球団の発行済み株式総数の49パーセントを超えて株式を所有しようとするとき。
(3)球団の発行済み株式総数に対する所有比率に関わらず、球団の筆頭株主を変更しようとするとき。
(4)その他、球団呼称の変更の有無および株式所有名義の如何を問わず、その球団の実際上の保有者を変更しようとするとき。
今回の阪神のケースは、(4)を適用するものと考えられる。実際上の保有者が阪神電鉄から阪急阪神HDに変わったという解釈らしい。
阪神球団の親会社である阪神電鉄(なんかさっきから半身電鉄と誤変換されて閉口している)は、もともと上場会社なわけで、その株式を誰が買うかなんて分からんよね。オーナー企業の道楽から出発してる協約だから、必ずしもコーポレートファイナンスの世界と整合性があるわけじゃないけど、上場企業の保有者ってそもそも誰なのって問いはあってしかるべき。今回実際上の保有者とみなされる阪急阪神HDにしても、その保有者ってのがいるわけで。
実際、村上ファンドも50%近い株式を保有していたのだから、何事もなければ6月の株主総会で取締役を送り込んでいたかも知れない。上記の基準に照らせば、阪神球団の実際上の保有者は村上ファンドに変更していたと考えられるわけだ。村上ファンドが株式を持っていたときは、この件でオーナー会議が開かれたというニュースは寡聞にして聞かないのだけど。ダブルスタンダードなのかねぇ。村上さんに30億円出せって言ったらうるさいだろうからなぁ。
いずれにせよ、球団を保有する上場企業にとっては、球団を保有すること自体が敵対的買収の防衛策になりうるわけだ。うっかり買収しようものなら、よく分からないオーナー会議とやらで30億円ふっかけられる決議がされてしまう。現在12球団のうち、親会社が上場している球団は、阪神、ヤクルト、横浜、ソフトバンク、日本ハム、オリックス、楽天の7球団。いずれも親会社の規模がそれなりに大きいから30億円じゃ買収の歯止めにはならないか。なーんだ。
どうでもいい話、おしまい。