ファイナンス的には割に合わない話
テーマ:ファイナンス関係同和地区の零細業者への低利融資を目的に設立された財団法人「大阪府地域支援人権金融公社」(旧府同和金融公社)に対し、大阪府と大阪市が無利子で貸し付けた約70億円について、府市と公社が200年以上かけて分割返済することを認める合意書を交わしていたことがわかった。大阪市の旧芦原病院に対する支援などに続き、行政が同和関連団体に異例の便宜を図っていた実態がまた明らかになった。
府市は69年の財団設立時から、低利融資の原資に充てるため、無利子貸し付けを開始。貸付総額はピーク時に計約100億円に達したが、02年の地域改善対策財政特措法の失効に伴い、財団名を変更。融資対象を一般事業者やNPOにも拡大した。
府市は03年度、財団に財務体質の改善を提案。この時点で未返済だった約90億円のうち20億円を一括返済させ、残金の一部を年利4%超で運用し、残る約70億円を30年で返済してもらう計画を立てた。
しかし、実際には運用先が見つからず、府市と財団は04年3月、財団が府の仲介で25億円を府住宅供給公社に年利1~2%程度で貸し付け、年4000万円の利子収入のうち府に2100万円、市に900万円の計3000万円を毎年返済に充てる契約を結んだ。結局、貸し付け金の完済までに200年超かかる計算となった。
大阪府商工労働部は「返済は早くしてもらいたいが、財団の事業は公益性が高く、行政の支援が必要」と説明。大阪市経済局も「返済を早めれば、財務体質を悪化させるため、こうした手法をとった」と話す。
新藤宗幸・千葉大教授(行政学)は「財団が一定の公共性を持つのは事実だが、返済が滞れば、将来、税金で穴埋めを迫られる可能性がある。府市は財団との関係を最大限情報開示すべきだ」と話している。
(asahi.com)
注意:某財団がどうのとか、そっち関係の話題じゃないので、あしからず。どっち関係であろうと変な話と思ったんで取り上げたまで。なお、upするまで時間がかかってるのは、単に忘れてただけ。
ふー、びっくりした。まず驚いたのが返済に200年超かかるというスキーム。今から200年後って、もう23世紀 だよ。宇宙戦艦ヤマトなら白色彗星が襲ってくるころだよ。ガンダムならとっくに宇宙世紀に入ってる頃だろ。スペースノイドがコロニーに移住したり、戦争したり、若さゆえの過ちしたり、してんじゃねぇの?
そんな遠い未来にようやく完済か。すげえ壮大な計画だな。その頃に大阪府とか大阪市が存在してるかさえ分かんないのにね。だいたい今から200年前なんて、まだみんなちょんまげ結ってたわけで、その当時に今の大阪の状況を想像できたちょんまげがいるか?いないだろ。それぐらい200年の時の流れってのは重いんだよ。予測不能なんだよ。安易にリスケしてんじゃないよ。
大阪府と大阪市にはファイナンスの知識がある人間はいないのかしらんと、ちょっと心配。いや、きっといるんだろうけど本件にはタッチしてないんだろうな・・・。
お馬鹿な頭の不自由な役人にとっては元本が戻れば帳簿は合うのだろうけど、実質的に財団は70億円を返済していないってことになるんだよね。
財団にしてみれば、役所の仲介で25億円貸せば、200年以上かけて元本を返したことにしてくれるわけで。記事には書いてないけど、利子で返済するってことは、25億円については貸しただけで最終的に財団に返されるってことだろうから。自分の懐はまったく痛んでいない・・・。
ここで問題。
200年以上かかって回収する70億円の現在価値は、いったいいくらなんだろう?
毎年30百万円のアニュイティで70億円回収するとすると233年と4ヶ月かかるよね。20年国債の利回りが2.283%っていうこのご時勢に、233年ローンか。いくらの割引率にすりゃいいんだか・・・。
甘めに見て割引率5%とすると、だいたいPVは6億円ってとこ。そんな馬鹿なと思った方(大阪在住)は自分で計算して、233年の時の重さをかみ締めて欲しい。複利って怖いよね。
これじゃ、25億円を即金で返してもらって、45億円は債務免除のほうがまだましだね、腹は立つけど。
念のため、PVが25億円になって転貸する25億円に見合う(NPVがゼロとなる)割引率をはじくと、だいたい1.1%になる。国債の信用力より高くないとありえない利率。ちなみに70億円無傷で回収するためには、当然のことながら割引率がゼロでないと無理。
このへんは、ファイナンスの教科書の章末問題に実名で掲載して、未来永劫恥ずかしい思いをして欲しいところ。
なんか、マンハッタン島の土地売買におけるアメリカインディアンとオランダ人の話を思い出した。インディアンが380年前に売ったマンハッタン島の対価24ドルを複利8%で銀行に預けてたら、現在のマンハッタン島全部の土地を買い戻せるとかいう話。うろ覚えだけど。
それから、大阪府の言い訳や千葉大教授の話も的を外している。そもそも25億円を他に貸し付けられるってことは、少なくともその金は公益性とか公共性のある使途に使われてないってことだから、「財団が公益性・公共性を持つ」ってのはリスケを許容する理由になってないじゃないの?とっとと回収しちゃいなよ。
結局のところ、常識的にありえない話がまかり通るところに、私のような凡人の計り知れない事情があるのだろうなぁ。こわいこわい。









