鉄人vs帝王 小橋建太対高山善廣スペシャルトークバトルinアントニオ猪木酒場 | KEN筆.txt

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鈴木健.txtブログ――プロレス、音楽、演劇、映画等の表現ジャンルについて伝えたいこと

3月1日、15時より東京・新宿のアントニオ猪木酒場にて「鉄人vs帝王 小橋建太対高山善廣スペシャルトークバトル」が開催された。12年前に伝説の三沢光晴vs小橋建太GHCヘビー級戦がおこなわれたこの日は、当時と同じく大雨に見舞われたにもかかわらず150人ものファンが集まり、猪木酒場の料理に舌鼓を打ちつつ2人の話に耳を傾けた。まずは第1部の全日本プロレス編からスタート。元週刊プロレス編集長・佐久間一彦氏(ライトハウス)進行のもとトークバトルのゴングは鳴らされた。

 
◎第1部=全日本プロレス編
佐久間 まずは、お二人によるトークバトルということを最初に聞いた時の感想を聞かせてください。
高山 小橋さんと僕のトークがまさか猪木酒場でやるとはねえ。
小橋 高山選手とのトークは、どっちかが現役をやめるまでは絶対にあり得ないと思っていました。今は僕が引退して、この話が来てね。猪木酒場で高山選手と…って、本当にあり得ないと思って、聞いた時はえっ!?て思ったよね。
佐久間 それは高山選手の口撃が厳しいからですか。現役時代は厳しいコメントがありましたよね。
高山 言いたくないですよ、あんなヒドいことは。だけど、僕が悪者になることで小橋さんがいいモン…ベビーフェイスですよ。お客さんも「小橋、高山をぶっ潰せ!」と思ってチケットを買ってテレビも見て、週プロも買って。心を鬼にして小橋さんを口撃するしかないと、控室で涙を流しながらやっていましたよ!(拍手)
小橋 あの時のノーフィアー、高山選手が何か言うと大森(隆男)がオウム返ししていたよね。
高山 たまに大森さんが喋り出すととんでもない方へいっちゃうんで、なるべく自分がバーッと喋った方がいいかと思って。
小橋 まあ、それで正解だね。
佐久間 全日本プロレス時代の初対面って憶えていますか。
高山 僕が全日本へ参戦する時に、たぶん控室の廊下とかですれ違ったんじゃないかな。そういう時は、はじめましての挨拶ぐらいはしたと思います。
小橋 日本人でこんなデカい人っていないから、これからウチにずっと上がることになればどんどん当たっていく可能性があるんで、試合は注目していましたね。
高山 最初は川田さんのことしか見ていなかったんだけど、そのあと小橋さんに挨拶したらすごいキチンとしてて体育の先生みたいだった。「高山選手、よろしく!」って。素晴らしい人なんだろうなって、思っていました(棒読みふうに)。
小橋 今、持ち上げられたのか落とされたのか…最初は川田さんの方に向いていたから、意識的にはそこまで自分の方も向いていなかったのかもしれない。そのあとだよね、問題は。試合するようになってから「あ、こいつは…」って。
佐久間 こいつは…に続く言葉は?
小橋 皆さんの知っている通りです。
高山 ゲーリー(オブライト)と組んで、川田さんに“溺死”させられて(1997年3月の世界タッグ戦)。元ライフガードだったのに溺死って、それはないだろ!って思ったけど。それが終わって、後楽園で小橋さんとタッグマッチが組まれたのが最初。
佐久間 99年5月に全日本へ入団して、じつは道場で練習していたそうですね。
高山 馬場さんが「道場で練習していいんだぞ」って言うんです。要は、おまえは受け身がしょっぱいから道場で練習しておけっていうことですよ。当時は志賀(賢太郎)選手が若手の指南役みたいな感じで、丸藤(正道)とか森嶋(猛)が入ったばかりで、橋(誠)とかも含めて一緒に受け身とっていましたね。
佐久間 小橋さんはそれをはた目から見ていたわけですね。
小橋 うん、そう。
高山 小橋さんと(井上)雅央さんはウエートトレーニングしていました。
小橋 雅央いたっけ?
高山 いましたよ!
佐久間 そのあたりから、バーニング対ノーフィアーで闘いが激しくなっていきました。小橋さんが三沢(光晴)さんのエルボーで鼻を骨折して…。
小橋 フェイスガードをして試合をやったんだけど、高山選手の背が高いから脚を振り上げるとちょうど鼻の位置に来るんだよね。鼻の下にクッションがあったんだけど、まったく意味がなかった。
高山 自分は常にチャレンジャーでしたから、なんとか強い人に勝ちたい。そのためにはどうしたらいいか? 弱点を攻めるしかない。これは鉄則ですね。だから心を鬼にして…。
小橋 心を鬼にしなくても鬼だったじゃない。ヒドい男だよね。でも、手加減されるとよけい腹立つしね。バカにされているようで…。
高山 だからバカにしてないですよ、僕は! 尊敬の念をもって思いっきり蹴っていましたから。
小橋 そうなのか? まあ、そういうことにしておこう。
佐久間 試合もそうですけど、コメントも激しかった。
高山 コメントも含めて試合だから。
小橋 そう、そういうのを含めて熱くさせてくれる男だったよね。
高山 小橋さんの返しも魂がこもっていて。その魂をこめさせたのが俺の口撃だった。だからこそ小橋vs高山戦は、それまでの全日本やNOAHの選手たちとは違う闘いになったと思うんです。そういうのを創りたかったし、自分でも。
小橋 本当に腹立つことばかりで、それがだんだん溜まっていって、リングでね。
佐久間 そういう感情というのはリング上でわかるものなんですか。
高山 それはもう。こういう言い方すると失礼ですけど、わかりやすいじゃん、小橋さん。
小橋 いや、意外にポーカーフェイスですよ。
高山 ガッハッハッ!
小橋 やるようになってから、最初来た時とはイメージが変わっていった。スタイルがどうこうよりも気持ちの部分の方が大きいから。こっちは自分のスタイルをぶつけるしかなかったね。
高山 俺が全日本に上がった頃って四天王+秋山準で、UWFと新日本をちょっとかじったような男がプロレス最高峰にどう食い込めばいいかを考えたよね。それにはあることないことを言ってでも目立ってやらなきゃいけない。だからこそ、小橋さんに必要以上に噛みついたし。
小橋 なんで俺だったの?
高山 えっ!?
小橋 なんで田上明じゃなかったの?
高山 それはやっぱり、小橋さんが一番カッコいいからッスよ!(拍手)
佐久間 それで99年10月の武道館でバーニングとノーフィアーで世界タッグ戦がおこなわれました。お二人が初めてタイトルマッチで絡んだ一戦です。
高山 ビデオを見ると俺がかわいそうになっちゃうもん。そんなにやるの、小橋さん!?っていうぐらいで。
小橋 本当にヒドいよね。
高山 いや、この試合ヒドいのは小橋さんですよ! 皆さん、DVDで見てくださいよ。
小橋 いや、本当に見てほしい。そういう歴史を見てない人に知ってほしい…みんなうなずいているけど、見ないんだよね。
高山 いや、このイベントに来るような人たちはちゃんと予習してさんざん見ていますよ。
小橋 あのタッグマッチは評判よかったんだよ。あとで面白かったって言われて。
佐久間 それぞれのパートナーが秋山さんと大森さんというのは、自分にとってよかったですか。それとも相手のパートナーはいいなと思いましたか。
小橋 僕は準と組んでよかったですけど、僕よりも高山選手は大森と組んでどう思っていたのか。
高山 自分も素晴らしいパートナーでしたよ。なんでかっていうと、秋山選手と僕が組んだらお互いがぶつかり合ってダメだったと思うんです。そういう意味では一歩も二歩も引いてくれる大森さんでよかったんですよ。
佐久間 チームリーダーとかはあったんですか。
高山 ノーフィアーのリーダーは浅子(覚)さんでしょ。
佐久間 そうですけど、2人の時です。
高山 テキトーです。控室で俺がこういうふうにやりたいからって言うと、大森さんがOK!って言ってくれました。だから大森さんがリーダーだったんでしょう。
小橋 うーん、さっきも言ったけど「いくぞ、ノーフィアー!」のところ以外は高山選手が言ったことを大森がもう一回言っていた印象しかないんだよね。
高山 それは最近、森嶋が大事なことを2回言うじゃないですか。それを先取りしていたんですよ!(拍手)
小橋 やっぱりね、口では勝てないよ。本当に、ああ言ったらこう言うの典型的な男です。
佐久間 2000年の5月、小橋さんにとって最後の三冠戦の相手が高山さんでした。
小橋 新潟市体育館が本当にいっぱいになって、今見ても思い出深い試合。あの時も右腕を狙って来るんですよ。本当にヒドい男です。
高山 ヒドいって、ラリアットやられたくないんだからしょうがないじゃないですかねえ。それでも最後は小橋さんがヒドいラリアットをするじゃないですか。こんなにやらなくてもいいじゃないっていうぐらい。
小橋 いや…しょうがないでしょ。
高山 だからお互いしょうがないんですよ!
小橋 僕がいこうとすると一歩先にヒザが来るんですよ。あのヒザが…いけないですね。あれはない。
高山 ヒザ蹴りは俺にとって特別で、Uインターのデビュー前から安生(洋二)さんに「おまえはヒザ蹴りでいけ」って言われて、毎日サンドバッグにバンバン入れて練習していました。それでも勝てなかったんだもんね、俺。さすが鉄人!
佐久間 高山さんも、小橋さんの攻撃で嫌なものがあったんじゃないですか。
高山 言っちゃえば全部なんだけど、強いていうとローリングチョップ。あれこそヒドいですよ。
小橋 いや…僕もヒドいと思います。
高山 一回、場外でやられた時にモロ鼻に当たって、鼻血がドバーッと出たことがあって、あの時は本当に小橋さんを恨みました。
小橋 なるほど。
高山 なるほどじゃないでしょ!
小橋 そういうこともあったんだ。どこを狙っても(高山は)大丈夫だっていうのがあったから。
高山 あの三冠戦に間に合ってよかった。あのあと、すぐ全日本をやめるじゃないですか。そして相手が小橋建太。これはもうサイコーですね。
小橋 新しい時代を築いていく上で、同い年の高山選手とあそこでああいう試合ができたのは本当に自分の中で大きくて。あのあとも高山選手とのタイトルマッチはいっぱいやっている気がするんだけど、あんまりやってないんだよね。
高山 全日本で1回、NOAHで1回しかシングルはやってないです。
小橋 2004年に高山選手とGHCヘビー級戦をやったんですけど、その前哨戦で俺の故郷の福知山でやったんです。その時、コーナーに宙吊りにされてのヒザ蹴り…今ではよく見られますけど、あの頃はやってなかった。
高山 ああ、あれが初めてですね。
小橋 本当にね、口から出てきそうなぐらいの衝撃があって、ふるさとなのに…。
高山 やっぱり小橋さんのふるさとですから、小橋さんの身内の方とか同級生の方とかが来るんで、ファンサービスとして小橋さんに特別な攻撃を食らってもらおうと試行錯誤して、一番いいやられ方はこうじゃないかと考え出したのが、コーナー逆さ吊りのヒザ蹴りです。だから、小橋さんのおかげでいろんな僕の攻撃パターンができましたね。ありがとうございますm(__)m
小橋 お礼言われても…。
高山 ヒザとヒジのサンドイッチでラリアットを封じるのも全部小橋さんのために考え出した技ですね。
小橋 そんなだから現役中のトークショーはなかったんだよ。やれる空気じゃなかったし、やろうとも思わなかったし。
高山 一緒の席に並ぶのは調印式だけでしたよね。
 
休憩をはさみ、第2部のNOAH編へ。壇上には小橋さんのGHCヘビー級王者時代のリングシューズと同ベルトに加え、12年前の小橋戦で三沢さんが着用したガウンも展示された。
 
◎第2部=プロレスリングNOAH編
佐久間 高山さんが金髪にしたのはNOAHの旗揚げ戦からでした。
高山 NOAHになった時に、全日本のままだったらつまらないと思ったんで。コスチュームも黒だったから、まったく逆の白にしたら面白いかなと思って、コスチュームが白なのに頭が黒だったらそれもつまんないと思って、じゃあ旗揚げ戦だけ金髪にしてまったく逆の色でやろうって出たんですけど、やってみたら金髪カッケーじゃんと思って、そのままずっとやって。大森隆男さんはすぐにやめたかったらしいんですよ。
小橋 大森のことじゃなくて浅子のことなんだけど、高山選手の金髪にする案が、あいつの髪の毛にダメージを与えたんじゃないかと。
高山 あのー、浅子さんの髪についてはやってもやらなくても一緒だったと思います。
小橋 そんなバッサリと。
高山 むしろやった方が言い訳にできたと思います。金髪のせいでこんなになっちゃったけどさって。
小橋 今見てもわかる通り、高山選手も大森も全然大丈夫でしょ? 浅子だけなんですよ。それはちょっとかわいそうかなと思って。
佐久間 小橋さんも1回だけ金髪にしましたよね。
小橋 失敗しました。もうしません。
高山 あれはちょっと嫉妬しました。金髪は俺だけなのにって。
小橋 ずっと金髪っていうイメージがあったんだけど、言われてみれば全日本の時は黒だったんだよね。
高山 俺が金髪にして、同じ会社なんだからバックステージでは会うわけじゃない。そこで敵対しているからって無視し合うなんてことはないわけですよ、お互い常識を持っているわけだから。それでNOAHの旗揚げ戦で俺を初めて見た小橋さんが「ジョニー・エースだと思った」って。
小橋 いや、似てるでしょ?
高山 似てはいないと思うけどねえ。髪の色だけじゃんと思ってですね。
佐久間 そのあと、先ほどパートナーの話が出ましたけどシャッフルした時があったんですよね。高山さんが秋山選手、小橋さんが大森選手と組んで(2000年10月8日、横浜文化体育館)。
高山 ちょうど秋山さんが小橋さんと離れて。それで2人で三沢さん、小橋さんに向かっていったら面白いだろうと思ったんですけど…。
小橋 そうしたら大森がね(試合中に裏切り、秋山&高山と結託する)。
高山 ねえ! あいつ、ヒドいですよ。
小橋 そうか、高山選手は裏切りじゃないと。
高山 知らない知らない。
小橋 あの試合に関しては、大森をシバいたろうと思った。
高山 あの日の小橋さん、試合終わったあともバックステージでバンバンやっていましたね。
小橋 ああいうのはちょっと許せない。
高山 秋山選手は笑って見てました。
佐久間 2004年4月のお二人によるGHCヘビー級戦では、小橋さんのブレーンバスターが今も語り継がれています。
小橋 右腕攻めで力が入らなくて、ラリアットで決められなかったんですよ。それで垂直を狙ったんですけど高山選手、デカいから力が抜けちゃったんですよ。まあ、いい形で落ちましたけど。
高山 いい形で落とされました。この位置(小橋の頭の高さ)からパイルドライバーで落とされるようなもんだからね。それこそ殺す気か!って。
小橋 やってる最中は別にいい感じで決まったとか思ってないんですよ。それは悪いけど本人のことだから。自業自得。
佐久間 あそこまで腕を攻めなければしっかり上がったから攻めた方が悪いと。あの試合は小橋さんがムーンサルト・プレスをNOAHになって初めて決めたい試合でもありました。ああいうのはいきなりいけるものなんですか。
小橋 いや、迷っていたら逆にいけないですよ。思い切りが必要なんで。迷っていられるような状態でもなかった。
高山 三冠の時はラリアットで負けたんで(ムーンサルトは)初めて食らったんだと思う。
佐久間 話は前後するんですけど、2003年の今日(3月1日)に小橋さんが三沢さんとGHC戦をやって、その時に高山さんは解説席で観戦していました。
高山 その日の試合だけじゃなく、三沢さんと小橋さんの試合はどこまでいっちゃうんだろう、どこまでやっちゃうんだろうっていう試合だったんで、そこに俺が入ってインパクトで勝つにはどうすればいいかって、そういうことばかり考えちゃっていた。本当に、三沢さんと小橋さんがいたからこその高山だってそう思います。
小橋 12年前の今日なんですね。最後、高山選手がいいことを言ったんですよ。「今日、ここに来なかったやつはバカだ」って。
高山 ほかにビッグイベントがあって、そこにいったやつはバカだな!って言ったんだよ。
小橋 バカなんていうのは、本当はいけないことなんだけど、高山選手にそう言ってもらって嬉しかった。
高山 見に来られない人のことを言ったんじゃないよ。テレビで見た人はいいんですよ。ほかの、ヘンなところの団体にいったやつはバカだなっていうことですよ。
佐久間 ちなみに、12年前の3月1日、ほかのヘンなところにいった方はいますか?(最前列の男性ファンが手をあげる)
高山 いっちゃったか。バカだな!(拍手)
小橋 どの試合に注目していったんですか。
ファン 初モノが見たいというので…試合はともかく。
高山 そういうのありますよね。一回でポシャることもあるしね。
小橋 ほかとも負けたくないという闘いがありましたからね。それが自分のエネルギーの一部になった。
佐久間 その後、小橋さんは腎臓がんからの復帰、高山さんは脳梗塞からの復帰がありました。当初、高山さんの復帰戦(2006年7月16日)は小橋さんがパートナーの予定でした。
小橋 高山選手が指名してくれて、脳梗塞からの復帰は前人未到なんで自分がパートナーになることに意気を感じたんですけど、そのカードが発表になった時に自分の腎臓がんが発見されて…非常に残念だったですね。その試合だけでも出ると医者に言ったんですけどダメでした。
佐久間 自分の復帰戦である上に、小橋さんの状態を聞いて大変だったのでは?
高山 脳梗塞から約2年ぶりの復帰戦だったんだけど、病気から頑張って復帰した僕ちゃんが、三沢さんや小橋さんにおんぶにだっこで試合をお願いしますと臨もうと思ったら、小橋さんのことを聞いて。それを聞いた時、本当に目の前が真っ暗になった。自分が病気になった時よりも落ち込みました。
小橋 本当はね、根がやさしいやつなんですよ。
佐久間 その代役を果たした佐々木健介選手も、じつは眼窩低を骨折していたのを隠して出場していたという。
小橋 じつはこの話はどこにも出していないんですけど…高山選手がみんなで食事をしようと音頭をとってくれて、佐々木選手と3人で食事をしたんです。僕が復帰する前ですね。その時に(スリーショット)写真を撮ったんだけど、携帯を替えちゃったから残ってないんですよね。失敗しちゃった。メモリーには入っているはずなんだけど。それで申し訳ないと思って高山選手に言ったら「俺もない」って。
高山 どっかに保存はしてあるはずなんですよ。でも小橋さん、今日言うから。前もって言ってくれたら探しましたよ。
小橋 本当は、高山選手はいいやつなんだっていうのを言うために今日この話をしようと思っていて、そこまで頭が回らなかったよ。3人、学年が一緒なんですよ。
高山 3人(復帰して)揃ったらチームを組みたいねっていう話をしましたよね。
小橋 僕の復帰戦の時に、高山選手がぜひって言ってくれて組んだんだけど、3人は実現しないままになってしまった。
 
◎質問コーナー
――ジャイアント馬場さんとの秘蔵エピソードはありますか。
小橋 馬場さんの付け人をやっていたんでエピソードはいろいろあるんですけど、秘蔵…あまり出していない話は…しゃぶしゃぶ食べた時に、笑いながら「この野郎、10万円食いやがって」って言われたことがあります。
佐久間 馬場さんはマナーも厳しく教えていたそうですね。
小橋 シャツを外に出すと、中に入れろっていうんです。だから、昔の僕の写真を見るとTシャツを(ズボンの)中に入れているのしかないという。
高山 馬場さんは試合前、若い人に教えていたんですけど僕も呼ばれたことがあったんです。そこで「高山、おまえはUWFから来てキックや関節技をやるけど、プロレスは何をやってもいいんだぞ」って言うわけです。その言葉がなぜか強く印象に残って。自由に闘うことこそがプロレスなんだなって。だから小橋さんにいろいろやっちゃったんですよ。
佐久間 馬場さんの教えだったんですね。
――現在、高山さんは爆破王のベルトを持っていますが、もしも小橋さんが現役の時にベルトを獲ったら、小橋さんの挑戦を受けていましたか。
小橋 その前に、高山選手が電流爆破をやった時、最初は「ん?」って思ったんだけど、高山選手がやることで大仁田さんのところがすごく盛り上がっている。高山選手は昔のブルーザー・ブロディだなって思った。
佐久間 いく先々のテリトリーを盛り上げるという意味ですね。
小橋 それで今、話を聞いて…ああ、挑戦を受けるか?っていうことですよね(高山に振る)。
高山 小橋さんなら大歓迎ですよ! なんだったら、復帰して挑戦してほしいぐらいです。
小橋 それ、復帰戦じゃない。復帰はないです!
佐久間 仮に小橋さんが現役の時だったら?
小橋 高山選手だったら…わからないですね。これはなんだろう…高山選手がチャンピオンだったら、電流爆破…いってるかもしれないね(拍手)。高山選手がフリーになった頃から開拓というか、積極的なものを持っていたから。それが今のチャンピオンベルトにつながっているのかな。俺も嬉しいよ、まったく違うところに自分をやるのって素晴らしいと思います。
高山 あーざすっ! 俺はいろんなものに飛び込んでいったのは、やっぱりNOAHで小橋さん、三沢さんに追いつきたい。でもストレートにいったら絶対歴史には勝てないから、何か違うインパクトをと思って、そういう道を選びました。こういう高山を創ったのは小橋さん、三沢さんです!
佐久間 と、いい言葉をいただいたところで、そろそろ…。
高山 はいっ! 質問です。いいですか? あのー、東京から来た高山です。奥様(みずき舞さん)が『キスしてね…』という曲をリリースするそうなんですが、それは小橋さんにいつも言っているセリフなんですか。それとも小橋さんがあまりチューしないから言っているんでしょうか。
小橋 ……いや、あのー…言わないですね…恥ずかしいじゃない。
高山 じゃあ、いつもチューしてあげてくださいよ。
小橋 そういうことはね…なんで、なんでさ…佐久間クン。
佐久間 はい。結論はどういうことなんですか?(拍手)
小橋 結論は…言わないよ。言わないじゃあ面白くないでしょ? あ、そうで終わっちゃうでしょ。
佐久間 言わなくても通じているということですか。
小橋 佐久間クンのところもそうでしょ?
佐久間 じゃあ、そういうことで。
高山 ウチはバレンタインデーの時にチョコレートをもらって、息子と一緒にサンドイッチチューをしました(拍手)。で、小橋さんはどうなんですか?
小橋 そこで返す? バレンタインデー、もらいましたよ。
高山 マシンガン・チューしたんですか? いくぞー!って。
小橋 そう来るか。

トーク後は、スリーショット撮影会へ。2人が撮影に応じている間はスペシャルゲスト・Xとして井上雅央が登場。佐久間氏と緩めのトークを繰り広げる持ち前のマサオワールドで場をつないだ。

最後はプレゼントが当たるじゃんけん大会。鉄人が握りコブシ以外の手つきをするのはレア。一方、帝王のチョキはノーフィアー仕様。3時間弱の濃密な空間を味わい、皆さん満足げだった。