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2016年09月26日

アボット社の新型血糖測定器の成績

テーマ:糖尿病

まもなく日本でも使える見込みのFlash glucose-monitoring system、もともとコントロールが良い1型(平均HbA1c 6.9%)だと、SMBGに比べてコントロールがさらに改善する訳ではないが、低血糖の時間をSMBG群と比べて1.2時間減らすという(もとが3.4時間/日)。日本では4施設のみ先行使用中とのこと。はやく使いたいものです。

 

文献;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27634581

Novel glucose-sensing technology and hypoglycaemia in type  1 diabetes: a multicentre, non-masked, randomised controlled trial. 

Bolinder J et al. Lancet 2016. Sep 9 (E-pub)

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2016年03月18日

グルカゴンの測定法

テーマ:糖尿病

群馬大学の北村教授の御講演を拝聴する機会があった。

従来のグルカゴン測定法は、グルカゴンのC末端に対する抗体を用いており、グルカゴン以外のペプチドも測定してしまっているという問題点があった。

一方、北村先生の測定系は、N末端とC末端両者の抗体を用いており、より正確なアッセイが可能。


従来の測定系でグルカゴノーマが疑われる血中レベルだが、精査してもまったく内分泌腫瘍が見つからない場合に、群馬大学に正確なアッセイ系での再測定を依頼した結果、正常範囲と判明したとの症例があるとのこと。


数年前にお伺いした時には、ブドウ糖負荷試験でグルカゴンが正常者でも上昇するという衝撃の結果だったが、やはりそれは誤りだったようだ。その後の検討で、グルカゴンはやはりブドウ糖負荷後は下がるという訂正をお伺いできた。


ただし、食事負荷試験後、特に高蛋白食の場合、グルカゴンは上昇するとのこと。

アミノ酸受容体であるSU受容体はβ細胞だけでなくα細胞にも存在するため、ありうることだ。

では、SU剤でもグルカゴンは上昇しているのか。生理的な意義は分かるようにも思われる。


北村先生のアッセイ系は、厳格すぎてグルカゴンのコンフォメーションが少し変化するだけで測定できなくなっており、過小測定になっていると判明したそうだ。現時点で最も正確な測定系は、Mercodia社のアッセイ系とのことだった。

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2016年01月28日

『ケトン体が人類を救う』読書感想

テーマ:糖尿病
『ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか』
宗田 哲男著
光文社新書

著者は、絨毛-胎盤に高濃度のケトンが存在することを見出し、それを根拠に、胎児はケトン体を主要な栄養源にしているという説を提唱している。

したがって、成人もケトン体を主要な栄養源にして生きることができるはず、と論理展開している。

また、脳はブドウ糖だけでなく、ケトン体も栄養源にできる、と考えている。

大変興味深く、また考えさせられる内容だった。糖尿病の日常診療に、もっと積極的に糖質制限を取り入れるべきかもしれない。

ただ、率直に言えば論理展開の粗さも目に付いた。特にコレステロールについてがいまいち。著者自身も評価しているRCTの結果(数多くある)をどのように考えているのだろうか。この項目は記載しない方が良かったのではないか。

糖質制限に関する記述について、疑問が3点ある。

1番目の疑問 低血糖について

低血糖は死に至る危険がある状態だ。その理由は、低血糖だと脳がブドウ糖(栄養)不足のため昏睡に陥ること。また、低血糖状態はしばしば危険な不整脈を誘発することだ。
著者の考えが正しいならば、低血糖状態でも高ケトン血症であれば、昏睡にもならないし不整脈も誘発されないのだろうか?

2番目の疑問 糖尿病性ケトアシドーシスについて

著者は、糖質制限でたんぱく・脂肪で十分栄養をとっている状態で、正常血糖であればケトーシスであっても問題ない、と言っている。それは理解可能。では、正常血糖であってもケトアシドーシスになるレベルのケトン体濃度は、どの程度なのか、ということが疑問。血液pHの低値が生体にとって危険なのは疑いの余地がないからだ。通常DKAの時の血中総ケトン体は1万越えとなることが多いが、著者は5000を超えても問題ないケースを記載している。では、どの程度を超えると危険なのか?

3番目の疑問 

日本人の現状は高炭水化物(炭水化物50-60%)、米国人の現状は高脂肪食(脂肪50%超)、南米の畜産国家では高たんぱく食の国もある。世界で一番長寿な国は日本。米国は心筋梗塞による死亡率が高く、長寿国家ではない。糖質制限のクオリティーを決めるのは、糖質の代わりに何を食べるか、ではないだろうか。それが本当に肉と卵とチーズでよいのだろうか。コレステロールの血中濃度は、食事より体質の影響が大きく関わり、だからこそスタチンは良く効く。MEC食は(Meat, Egg, Cheese)、やっても良い人と、やってはいけない人がいるのではないか。

まとめ

面白い本だが、危険な面もある。一番感銘を受けたのは、胎児の栄養面の考察。さすが産婦人科医。二番目におもしろかったのは、学会で「襲撃された」というくだり。危険な面は、著者のコレステロールに関する勉強不足と、1型糖尿病に対する配慮が無い記述。いずれも、経験が乏しいこと、知らない(勉強不足な)ことを軽率に書いてはだめでしょう、医者なんだから。考察の緻密さと慎重さという意味で、同じ炭水化物制限推進派でも山田悟先生とはまったく違う。山田悟先生の本ならば自分の患者にも安心して勧められるが、この本は読んでも良い人といけない人がいると思う。本書は重篤な副作用をもたらす可能性があり、一言でまとめるならば「劇薬指定」。
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2015年06月27日

糖尿病療養指導士

テーマ:糖尿病

糖尿病療養指導士(CDEJ)というコメディカルの資格がある。

総合病院がどれくらい糖尿病の診療に組織的に力を入れているかを簡便に見る方法の一つが、このコメディカルの有資格者数をチェックすることだ。

日本糖尿病療養指導士認定機構のホームページ(http://www.cdej.gr.jp/ )で見ることができる。

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2015年06月10日

ついに採血不要のミニサイズ血糖測定器が登場

テーマ:糖尿病

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO87860550Z00C15A6MM0001/

機器のサイズは縦横10cm、高さ7cm、赤外線を使用し、測定時間は3秒、精度は従来のSMBG機器と同程度で、価格は10万円だがランニングコストなしとの記事内容。これが事実であれば、国内で700億円、世界で1兆円といわれる血糖測定関連事業に当然多大な影響があるし、実臨床や保険診療にもインパクトが極めて大きい。

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2015年06月06日

新型持続血糖測定器

テーマ:糖尿病

アボットが新型血糖測定器を開発し、欧州で発売しているらしい。個人輸入している人も数人いるようだ。上腕に2週間張りっぱなしにする持続血糖測定器、500円玉大。MedtronicのCGMSと違い、補正も不要。血糖表示機器との情報のやり取りに電波ではなく、スイカのような技術を使っているので、保険さえクリアできれば日本にも入ってきそうだ。

http://diatribe.org/issues/58/new-now-next/6

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2013年09月11日

実践的カーボカウント

テーマ:糖尿病

今日は徳島大学のA.K先生の御講演を拝聴。

実践的な工夫の数々に感動した。


糖質の計算法


ごはん(g) ×40%

パン・もち(g)×50%

麺類(g)   ×20%

全粥(g)   ×15%


おかずは一律 20g

(病院食のように理想的な量の場合)

外食のおかずは40g


ビール500ml 15g

蒸留酒は微々たるもの


(直径がおはしのサイズの関西風)お好み焼き 80g


カーボカウントで±10gの誤差は血糖コントロールに影響しない(Diabetic Med 26, 279-285, 2009)


インスリン効果値(インスリン1単位で血糖値が何mg/dl低下するか)


1700ルール(超速効型インスリンの場合、1単位で血糖は(1700÷1日総インスリン量)mg/dl下がる)

は正しいが、より簡便には


インスリン1単位で血糖は50mg/dl下がる

ただし1日総インスリン量が30単位未満の場合、インスリン1単位で血糖は100mg/dl下がる


炭水化物/インスリン比(血糖を変えないためにはインスリン1単位で炭水化物何g必要か)


500ルール(超速効型インスリン1単位と見合う炭水化物(g)は500÷1日総インスリン量)はおおむね正しいが、日本人の場合は300~400ルールの方がよりあっている。朝は300ルール、昼・夜は400ルールなど。


より簡便には炭水化物10gあたり超速効型インスリン1単位。


CSIIの工夫


Basal

飲み会や焼き肉などの場合は、basalを120%~130% ×10時間

(ペン打ちの場合は、食前に中間型インスリンを持効型インスリンの20%~30%注射。)


Bolus

・食前の10~15分にうつのが理想的。

・ぎとぎと豚骨ラーメンの場合~まず7割を注射、3割は5時間のスクエアで。


カーボカウントとは


初めて食べるものの必要インスリン量を概算するためのものだ

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2013年02月24日

糖代謝におけるグルカゴンの重要性

テーマ:糖尿病

2015年一部訂正


2型糖尿病に対するインクレチン治療が登場してからグルカゴンの重要性が注目されているが、1型糖尿病においてもグルカゴンは重要であり、グルカゴンは糖代謝で極めて重要な役割を果たしているようだ。


正常者では血糖値が上昇すると血中のインスリン濃度は上昇しグルカゴンは低下する。

しかし基礎実験で、膵臓ランゲルハンス島のα細胞だけを単離し、ブドウ糖を含む液で灌流すると、グルカゴン分泌が促進する。ではなぜ生体内で血糖値が上昇するとグルカゴン分泌が抑制されるかというと、ランゲルハンス島内で隣接するβ細胞がグルコース応答性にインスリンを分泌し、そのインスリンがα細胞に直接作用しパラクライン的にグルカゴン分泌を抑制するからである。


実際、β細胞機能に異常がある2型糖尿病では食後にグルカゴン分泌が抑制されなかったり奇異性に上昇する現象が1970年ごろから知られていた。1型糖尿病も高グルカゴン血症を呈している。


動物実験では、グルカゴン受容体をノックアウトして、その上でβ細胞をすべて破壊しても糖尿病を呈さない。ヒトでは膵臓を全摘すると糖尿病を呈するが、その理由としてエンテログルカゴン(腸管が分泌するグルカゴン)の存在が考えられている。なお、グルカゴン遺伝子そのものをノックアウトしてβ細胞を破壊するときっちり糖尿病になることが報告された(2014年日本糖尿病学会、名古屋大学林ら)。グルカゴン遺伝子をノックアウトするとGLP1もノックアウトしてしまうので、そこがグルカゴン受容体ノックアウトとの違いを生むと考察される。

膵島α細胞のグルカゴン分泌を抑制する物質として既知のものは、インスリン・ソマトスタチン・レプチンである。


膵島でα細胞のグルカゴン分泌を抑制するのに必要なインスリン濃度は、正常な末梢血インスリン濃度のおよそ100倍である。したがってβ細胞が枯渇した1型糖尿病で、外来性のインスリンでグルカゴンを抑制することは不可能である。もちろんインスリンである程度までは血糖コントロールすることができるが、逆にインスリンも枯渇するとグルカゴンの作用によりケトアシドーシスをきたす。2型糖尿病ではインクレチン治療薬が内因性のインスリン分泌を介した臨床上有用なグルカゴン抑制作用を持つ。


ソマトスタチンはグルカゴンだけでなくインスリン分泌も抑制するため2型糖尿病の治療薬にはなりえない。1型糖尿病では治験されたことがあるようだが、副作用が強すぎるため使えないことが判明した。


レプチンは2型糖尿病でも臨床治験されたことがあるが、血糖降下作用や期待された食欲抑制作用が不十分であり市場に登場するには至らなかった。1型で治験されたことがあるかどうかは知らない。ただ、1型糖尿病の方がやせ過ぎると内因性のレプチン濃度が低下し、血糖コントロールが難しくなる可能性は考えられる。もちろん逆に太り過ぎてもインスリン抵抗性が生じ血糖コントロールは難しくなる。こういったことを証明する臨床研究が存在するのかどうかも知らない。調べてみようかな。


文献 Glucagonocentric restruction of diabetes: a pathopysiologic and therapeutic makeover.

Roger H Unger and Alan D Cherrington J Clin Invest. 122(1):4–12, 2012

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2012年06月16日

脈圧とタンパク尿

テーマ:糖尿病

脈圧(収縮期血圧-拡張期血圧)の適正値について質問を受ける事がある。

大動脈弁閉鎖不全症があって脈圧が開大しているのでなければさほど気にしなくても良いだろう、と思っていたが、糖尿病患者に限って言えば、脈圧が大きいと収縮期血圧・拡張期血圧・平均血圧と独立してタンパク尿が増えているという。多変量解析の結果、脈圧13mmHg増加でOR=1.08 (1.01-1.14; p=0.02)。日本人約23万人の健診データベースの解析、宮崎大学/山形大学/東京大学からの報告。


文献: Diabetes Care 35:1310–1315, 2012

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2012年06月13日

ORIGIN試験

テーマ:糖尿病

6月11日にアメリカ糖尿病学会でORIGIN試験の結果が発表された。


対象:既知糖尿病(82%;内服薬1剤以下でHbA1c 9%未満)、新規糖尿病(6%)、境界型糖尿病(12%)の計12537人。女性35%。40カ国が参加。試験期間は6年強。BaselineでBMI=29、血圧146/84、TCh 190 LDL 112 HDL 46、TG 140、高血圧80%合併、心血管病の既往59%、βブロッカー53%、レニン・アンギオテンシン系薬69%、スタチン54%。


目的:持効型インスリン(glargine)とオメガ3脂肪酸(1g/day)の投与が心血管死亡を減少させるかどうかを検証すること。


結果:心血管死亡率は、どちらも対照群と不変であった。



全体の結果は上記の通り。

インスリン群とオメガ3脂肪酸群に分けて2本の論文がNEJMに発表された。



サブ解析の中では、特に境界型糖尿病(IFG/IGT)のglargine armの試験結果は興味深かった。


IGT/IFGを対象にインスリンglargineをFBG<95となるように投与する。Metforminの併用を認めている。

必要だったインスリン量は体重kgあたり1年後に0.26単位、2年後以降は約0.3単位、6年後は0.33単位。

OGTTで新規糖尿病の発生はOR 0.72と抑制されたが、体重は1.6g増加、BMIで29→30と上昇した。


インスリン量が結構必要だったのが印象的。逆に言うと肥満糖尿病におけるインスリンの効果はこの程度だということ。


追記: 

①ORIGIN研究において、インスリンglargine(ランタス)使用による発がんのOR=1.0であることが発表されたとき、会場に拍手が起きた。糖尿病専門医たちの安堵の気持ちが表れていたように感じた。

②サブ解析の結果はNEJMに掲載されていない。詳しい学会発表はEASDで予定されているようだ。

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