2011年10月06日

インスリンを用いた糖毒性の解除

テーマ:糖尿病

糖尿病の発症早期にインスリンを用いて糖毒性を解除することの有用性が、NHKためしてガッテンで放送された。血糖コントロール不良状態を年余にわたって続け膵β細胞が疲弊しきってからではなく、早期に一時的にインスリン治療を行った方が膵β細胞機能が回復するため経過が良くなるということ。


ただ、糖尿病が治る可能性があるとまで言ってしまうと、過大な期待を持たれてしまいそうだ。インスリンを一時的に使用し糖毒性を解除すれば、再びインスリンなしで良好なコントロールを維持できるようになるのは事実だが、全く節制しなくても良くなるわけではない。

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2011年09月06日

たばこ増税賛成

テーマ:喫煙
財務大臣は減収につながるとして即座に否定的な発言をしたようだ。しかし喫煙による健康被害が減少すれば医療費が減り収入が増え、全体として財務にも好影響を与える可能性が高い。そもそも厚労大臣は税収ではなく健康面の視点から発言しているので、倫理的な観点からは軽く扱えない発言のはずだ。
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2011年08月14日

官僚の責任

テーマ:社会

『官僚の責任』

古賀茂明 著

PHP新書


古賀茂明さんは通産省の官僚。

天下りをはじめとする官僚の利権システム(国のために働かない人がお金をもらえるシステム)を否定する改革派官僚だ。

本書を読むと、中央官庁のあまりの腐敗ぶりに愕然とする。

通産省と東電の癒着のすさまじさには圧倒される。

山崎豊子の「沈まぬ太陽」や、その映画を思い出す。

腐敗の広がりが深刻だ。


今、国家は大きな岐路に立っているようだ。

総理が交代しようとしているが、民主党にどこまで改革を期待できるか。

一つのリトマス試験紙が、古賀茂明氏の処遇だと言えよう。

根本的な大改革を実現しなければ、日本の将来は暗い。


9/16追記


今日の読売新聞のニュースで古賀さん退職が報じられていた。

枝野さんは改革の意思を明確にしており、期待していただけに残念。

古賀さんは、これから日本のために活躍して頂ける方であるのは衆目の一致するところだろう。戦闘力を自ら放棄するとは、与党の度量不足だ。


9/26追記


今日の読売新聞のニュースを見て感動した。

古賀さんは特定の政党に所属して選挙に出馬したりせず、党派を超えて改革派議員を政策面で支援したいという。

日本のために仕事をするという、まさに官僚の鏡だ。良識ある議員を結ぶ環としてもがんばってほしい。

通商産業政策が専門なのだろうが、それ以上に、中央省庁の現場を知りかつ官僚組織再編のアイデアを持つ重要人物だ。古賀さんはこれまでと同様、ひたすら国からの要請を待っていらっしゃるのだろう。官僚にはこういう方もいる。

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2011年08月12日

福島第一原発の放出している放射能量

テーマ:社会

7月27日に衆院厚労委員会で、児玉龍彦教授(東大先端研教授、東大アイソトープ総合センター長)が行った意見陳述が、インターネットを介して広まっているようだ。動画がyou tubeで紹介され、書き起こし文までwiki経由で見られる。雑誌AERAでも紹介されていた。児玉先生は日本医学界を代表する科学者だが、東大消化器グループ(旧第三内科)に所属する臨床医でもある。


広島や長崎は原爆が落ちてから50年は草木も生えないだろうと言われていたが、そうでもなかっただろう、福島の原発も大丈夫だという楽観的な意見が無いではなかった。


しかし、児玉教授の試算では、今回原発から放出された放射性物質は、ウラン換算で広島型原爆の20個分であり、しかも原爆から放出された放射性物質は1年で1000分の1になるが原発からのものは10分の1にしかならないという。


風評被害を避けるのは大事なことだが、現状がどれくらいの状況になっているのかを正確に知り、対策を立てて実行する必要がある。現在の政府の対応は全く不十分なようだ。国民の被曝は確実に進行しており、しかもその程度と危険度が分からないままだ。児玉教授は具体的な提案をしている。政府/国会議員が迅速に科学者の意見を理解し対応することを望む。政治ごっこをしている場合ではない。


**************


報道日 場所 物 核種 量


5/12 茨城県(行方市) パセリ: 放射性セシウム 1110Bq/kg


5/13 神奈川(足柄) 生茶:  〃 530~780Bq/kg


7/25 福島(広野町) 小麦:  〃 630Bq/kg


7/25 福島(田村市) ナタネ: 〃 720Bq/kg


8/19 宮城 イノシシ肉:    〃 2200Bq/kg


8/20 栃木 腐葉土:      〃 2800Bq/kg →全国(沖縄まで)に出荷


8/26 千葉(白井) 玄米:   〃 47Bq/kg


9/3  埼玉 茶葉:         〃 1500Bq/kg

9/3  千葉 茶葉:         〃 2700Bq/kg


9/3  福島(棚倉) チチタケ: 〃 28000Bq/kg


9/6 福島(南相馬) クリ:    〃 2040Bq/kg


9/7 栃木(日光) 野生シカ:  〃 2037Bq/kg


10/12 横浜市港北区 マンション屋上の溝の堆積物 〃 105600Bq/kg


9月7日追記

広島型原爆20個分(ウラン換算)の放射性物質の除染方法・コストと、分離した放射性物質の廃棄場所の確保を検討・決定する必要がある。日本は何をどうしていくか、世界から注目され評価されている。ドイツ大使館(東京都港区)に着任拒否する人が多く機能不全になっているというニュースも、外国が日本の安全管理を信用していない証左だ。日本の報道が3.11後メルトダウンを否定する大本営発表を長らく垂れ流し続けたのは、海外メディアの笑い物になっている。国民はごまかせても、不適切な対応を続ければ日本の評価を下げ、結局は国益を決定的に損なう。


10月31日追記

朝日新聞の報道によると、ノルウェーなどの欧米研究チームは福島原発が放出した放射性セシウムを3万5800兆ベクレル、その大半は海に落ちたが、19%の6800兆ベクレルが日本列島に降下したと推計している。降下した面積は国土の約3%、11338km2。均等割りすると5997億ベクレル/km2=599700Bq/m2。表面10cmに集積し、土の重さを2g/cm3と仮定すると、3000Bq/kg。汚染土の総量は2.3兆kg、体積で11億5000万m3となる。もちろん実際には均等に降下していない。除染の費用対効果を検討して優先して除染する範囲を決め、手をつけられないぐらい汚染度が強いエリアに除染した土壌を集積するしかないだろう。汚染度が比較的低くても、上流の森林からの放射性セシウムが継続的に流入し続けることが予想される地域の農作物作付け制限も必要だろう。ごまかさず真実を公表し、さっさと決めてやるべきだ。そのためには事態の正確な理解と、強い信念と政治的指導力が必要だ。人命第一として迅速に進めなければ、政治家というより人として最低だ。


11月25日追記

阿武隈川から海に流れ出る放射性セシウムの量が1日あたり約500億ベクレルにのぼることが判明したという。阿武隈川流域の農作物作付け制限をただちに検討すべきだ。調査は文科省、決断は農水省、だから時間がかかるなどと言わないでほしい。

11月28日追記

阿武隈川流域は山地が79%、農地が18%で996.6km2。平成7年の時点で流域の第一次産業就業者数は73800人、出荷額は31928億円、これは福島県内の57%、宮城県内の14%のようだ。これだけ見ても大問題だ、その後農水省はちゃんと動いているのだろうか。

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2011年06月17日

BPPV

テーマ:脳神経

良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo)


●めまい全体の半分以上を占める。50歳以上の女性に多い。


●卵形嚢斑に存在する耳石が半規菅に迷入したり(半規菅結石症;後半規菅、水平半規菅が多い)、半規菅膨大部の感覚器(クプラ)に付着したりする(クプラ結石症)。


●予後は良好で数週間で自然軽快するが、再発することも多い。



後半規菅結石症


●見上げた時にめまいがでる。

 座位から頚部を患側に45°回旋させて(後半規菅が体幹の矢状断に平行になる)から患側を下にした懸垂頭位(臥位でも可)への変換(Dix-Hallpike test)で、患側に向かう回旋性眼振、座位に戻すと逆向きの回旋性眼振。


●治療 Epley手技

 (浮遊する耳石の移動を目的とした理学療法;浮遊耳石再配置法 canal repositoning procedure)

 方法はGoogle検索で動画を見られる。


水平半規菅結石症


●寝返りや前かがみでめまいが出る。

 臥位で頚部を左または右に回旋させると、患側を下にしたときに著明な下向き一方向性眼振、逆向きに回旋させると、逆方向への下向き一方向性眼振(方向交代制下向き眼振)。

 水平半規菅型クプラ結石症では眼振の向きが上向きになる(方向交代制上向き眼振)。


●治療 Lempert手技




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2011年06月13日

糖尿病と発がん

テーマ:糖尿病

糖尿病があると、ある種の癌が増えることが疫学調査によって分かっている。


・大腸がん

・肝臓がん

・膵臓がん


・乳がん

・子宮体がん


逆に減るのは前立腺がん。


がんが増加するといっても、Hazard Ratioで1.2倍程度。


上記のがんが糖尿病で増えるといわれているのは、どのような調査でもおおむね共通して増加しているからだ。特定の調査だけで糖尿病で増えているように見えるがんは、他部位でもある。


糖尿病ががんを作るというよりは、過剰なインスリン作用ががん細胞の成長を促進する、というメカニズムが考えられている。糖尿病はインスリン作用が相対的に不足して起きるわけだが、肥満糖尿病ではインスリン抵抗性が生じ高インスリン血症になっている時間帯が多い。インスリン受容体の下流には糖代謝と細胞増殖の作用機序が存在し、腫瘍細胞が発生した場合、高インスリン血症が腫瘍細胞の増殖をアシストしてしまう、ということ。インスリン抵抗性→IFG受容体のシグナル上昇を介するパスウエイや、乳がん・子宮体がんに関してはインスリン抵抗性→SHBG(sex hormone binding proteinの産生低下→エストロゲンの生態利用率上昇といった機序も考えられている。


それでは、2型糖尿病に対するインスリン治療はがんを増やすのか。答えは一応YESであろう。しかし、適切に使用すれば効用が害を上回ると考えられている。糖尿病で細小血管が障害され失明・透析・壊疽につながると、がん並みにmalignantな状態になりえる。




ここ2年ほど、メトフォルミンという糖尿病の薬が糖尿病患者のがん発生を抑制するという報告がみられる。

メトフォルミンがインスリン受容体下流の細胞増殖のパスウェイを抑制するためらしい。


1990年代に発表されたUKPDS(イギリスの大規模調査)では肥満糖尿病者がメトフォルミンを内服すると10年で3大合併症が3割減り、心筋梗塞も有意に抑制されるという結果だったが、その時使われた用量が1500~2250mg/日だった。日本では長らく750mg/日までしか許可されてこなかった。2011年5月より、我が国でもついに2250mgの長期処方が可能になった。メトフォルミンは60年近い歴史を持つ糖尿病薬としては最古の薬で、1錠10円未満と安く、良い薬だ。弱い薬なので沢山飲まないと効かず、錠剤の99%が有効成分でこれ以上小さくできないのが玉にきずだ。


フランスでpioglitazoneと膀胱がんの関係が取りざたされている(piotlitazone内服で膀胱がんのHR=1.22)。問題は3点あり、まず統計が正しいか(たまたまではなく、普遍的か)ということ、次に相関があるとして因果関係はどうかということ(対照群がpioglitazone非投与糖尿病だが、膀胱がんはpioglitazoneの適応となるような状態の糖尿病があること自体で増加していないか)、そして因果関係が考えられる場合はその害の程度は薬の効用を上回るかどうか、ということ。この問題に関して、欧州医薬品庁(EMA)および、米国食品医薬品局(FDA)、我が国のデータについて厚生労働省並びにPMDAが検討中とのこと。Pioglitazoneはインスリン抵抗性改善薬であるため血中のインスリン濃度はむしろ低下させる方向に働き、肝臓にも望ましい作用を有する。膀胱がんとpioglitazoneの関係についてはメカニズムも明らかではないが、膀胱がん治療中の場合や既往がある場合は避けるべきだろう。


もし日本人でpioglitazone内服と膀胱がん発生とに因果関係があったとすると、メリット/デメリットのバランスはどうだろうか。フェルミ推定してみよう。

デメリット: 2009年の膀胱がんによる死亡率は男性で7.3人/10万人/年、女性で3.3人/10万人/年(http://ganjoho.jp/public/statistics/pub/statistics01.html )。男性で多いのは喫煙の影響が考えられる。pioglitazone内服によるHR=1.2とすると、pioglitazone内服で膀胱がんによる死亡率が8.8人/10万人/年、女性で4.0人/10万人/年となる。つまり、10万人の男性がpioglitazoneを内服すると1.5人/年、10万人の女性で0.7人/年の膀胱がんによる過剰な死亡リスクが生じる。

メリット: 2009年の心筋梗塞・虚血性心疾患の死亡率は男性で68.2人/10万人/年、女性で52.1人/10万人/年(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001066473 )。Pioglitazone内服による心血管死亡のHR=0.85 (p=0.04;文献)として、pioglitazone内服すると心血管死亡数は男性で58.0人/10万人/年、女性で44.3人/10万人/年となる。つまり、10万人の男性がpioglitazoneを内服すると10.2人/年、同様に女性で7.8人/年が心血管死亡を免れる。文献が正しければ、メリットの方が大きい。


文献: JAMA 12:298, 1180-8, 2007 ただしこの研究にはタケダから2万5千ドルの研究費が出ている。


6月16日追記

FDA声明: http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm259150.htm

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2011年05月27日

SGLT2阻害薬

テーマ:糖尿病

糖尿病は新薬が目白押しだ。



2009年末に登場したDPP-4阻害薬、2010年6月のインクレチンアナログ、これらは作用機序が魅力的な治療薬だ。糖尿病専門医としてインクレチン治療薬はいち早く使用を開始し、どういう使い方が良いのか分かってきたつもりだ。



次に登場する新薬は尿糖排泄促進薬(SGLT2阻害薬)だ。これには、残念ながらあまり期待していない、というか懸念を持っている。尿路感染症が増えることが予想されるからだ。特に高齢者で腎盂腎炎→敗血症、場合により不幸な転帰、を心配している。そのような事態を防止するためには、慢性尿路感染症や尿路感染症の既往ありを禁忌とするなど、使用開始にあたり制限をつける必要があるだろう(そうなっているのだろうが)。DKAやHONKなど特殊な状況下では輸液・インスリン治療に併用すると有用な可能性があるかもしれないが、自分はSGLT2阻害薬には基本的に手をださないつもりだ。

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2011年05月25日

腎血管性高血圧

テーマ:高血圧

腎血管性高血圧の腹部エコー所見:


①腎動脈流速>200cm/sec

②腎動脈/大動脈の流速比(RAR)>3.5

③腎サイズの左右差>1.5cm


の場合、有意な腎動脈狭窄を疑う。


腎血管性高血圧のステント治療(PTRA)の適応:


classⅠは


コントロール不良な心不全に合併した腎血管性高血圧


のみ。CHFが70%改善するようだ。

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2011年04月11日

胆石症と死亡率

テーマ:消化器

胆石症を有する人の特徴は、女性、BMI高め、糖尿病が多い、拡張期血圧が高いなど。

All cause mortalityは胆石症を有さない人より高い(Hazard ratio 1.3)だが、それは癌ではなく心血管病が増加することによる。


昔から胆石症は4Fに多いと言われていたそうな(Fair Fat Forty Female)。それを裏付けるような報告。


文献: Gastroenterlogy 40:508-516, 2011

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2011年04月05日

東京の放射性物質

テーマ:ブログ

ここ数日の東京の大気中の放射性物質は平常時並み、水道水中の放射性ヨウ素はピーク時の1/10程度になっている。小児でもおおむね安全な状態だ。


原発が一刻も早く冷温停止し、再臨界の危険性が去ることを祈る。

低濃度汚染水の海中への放出は、やむを得ぬとはいえ近隣諸国の危惧をも深めているようだ。

汚染を最小限に食い止める日本の底力を信じたい。

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