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2006-08-21 17:53:17

その男,zero。(その1)

テーマ:ビリヤード

旧約聖書には,巨人ゴリアテと戦う少年ダビデの話がでてくる。


圧倒的な攻撃力,防御力を誇るゴリアテに対し,少年ダビデは,たった一人で立ち向かう。


ダビデは,怖れていただろうか?

負けて帰るかもしれないと,前もって考えていただろうか?


いや,勝つことのみに集中していたはずである。


ダビデは,渾身の力を込めて,ゴリアテの眉間に一粒の小石を撃ち込んで倒した。



はたして,私の小石は,zeroさんに命中するのであろうか?

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2006-08-03 20:03:41

zeroさん登場(その8)

テーマ:ビリヤード

zeroさんの台に行き,試合の準備をしている時に,私は自分自身に異変が起きていることに気がついた。




・・・「何か」が,私の中で,覚醒しようとしている。



このまま誰にも勝てずに帰る?

そんな瑣末なことは,どこかへ消え失せていた。



強大な敵と戦う喜び。

私の中に眠っていた闘争心が,むっくりと起き上がった。
集中力が,異様に研ぎ澄まされていくのが自分でも分かった。


ここは,少なくとも気持ちだけは一歩も引かない,そう思った。

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2006-08-02 17:43:46

zeroさん登場(その7)

テーマ:ビリヤード

一方,私はどんな戦いぶりをしていたか?


私は,正直,緊張していた。


武者修行では緊張しないのに,何故ここで緊張するのか?
自分でもよく分からないが,思うように玉が入らない。

1人負け,2人負け,scratchoさんにも当然負けた。


そうそう,TAKAさんとは,このとき初めて対戦したのだった。


TAKAさんは,デカい。
体が。

そして,マッセを撞く。

隠れている玉をクッションで狙いにいくのかと思ったら,マッセで当てたのである。

もうそれだけで恐れ入ってしまって,私はあっさり負けてしまった。



一勝もできないまま,総当り戦が進むにつれ,私は焦りはじめた。

そして,このまま誰にも勝てずに帰るのかと思い始めた頃,zeroさんとの対戦がまわってきた。

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2006-08-01 17:32:00

zeroさん登場(その6)

テーマ:ビリヤード

しかしzeroさんは,次々に相手を撃破していった。

全くつけ入る隙を与えない。


皆,自分の試合をしながら,チラチラとzeroさんがプレイしている台を見ている。
誰かが,一矢報いるのではないか,と。



「ああっ!!クソッ~!!」


突然,zeroさんの対戦者が大きな声をだした。

皆が,振り返って何が起きたかを確認した。


比較的イージーな⑨番のコンビがまわってきたが,外してしまったらしい。
本当に悔しそうにしている。


zeroさんは,無表情に残り玉を捌き,撞き切った。

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2006-07-31 20:34:19

zeroさん登場(その5)

テーマ:ビリヤード

そのscratchoさんが決定したハンデとは。


zeroさんは2先。
その他全員が1先というものだった。


明快である。

2時間という短時間での総当り戦なので当然といえばそれまでだが,これはzeroさんにとって相当厳しいハンデとなる。
2ゲーム連取する間,1球たりとも気を抜けないのである。

しかもzeroさんは,先ほどの「ここのクッション,変」発言で,サークルのメンバー方にいらぬ対抗心を抱かせてしまっていた。

全員を相手にして,一人戦うようなものだ。



試合開始とともに,zeroさんの表情が険しくなった。

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2006-07-29 14:40:06

zeroさん登場(その4)

テーマ:ビリヤード

zeroさんは,所用があって2時間くらいしか撞けないとのことだった。
どうやら,今日は私のために時間をやりくりして来てくれたらしい。


scratchoさんは,全員の人数,1ゲームに要するおよその時間,各人に割り振るハンデなどを瞬時に判断して,2時間に収まる範囲内で総当りの対戦表をあっという間に作成した。



まったくなんと便利な・・・いや,頼もしい人なのだろう。

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2006-07-27 17:45:52

zeroさん登場(その3)

テーマ:ビリヤード

…上手い。

明らかに,上手い。
かなりの上級者だ。一目見てわかる。



柔らかく,そして力強いストローク。

的玉が,正確にポケットに叩きこまれていく。



私は,まるで黒豹のようだと思った。

zeroさんが黒いスーツに身を固めていたせいもあるが,しなやかさと強靭さが,そのフォームに共存しているように感じられたからである。


私は目を奪われた。

自分が練習することも忘れて。

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2006-07-25 18:42:45

zeroさん登場(その2)

テーマ:ビリヤード

その後,scratchoさんはサークルの皆さんにも私を紹介してくれた。

私は私で,「ビリ友大量ゲット作戦」が,こうして着々と進行していることに一種の感動すら覚えていた。


ひととおり挨拶がすむと,scratchoさんの提案で,みんなで小さな大会をすることになった。
総当り戦である。

私は肩慣らしをするために,キューを組み立てはじめた。


しかしその前に,どうしても気になるのはzeroさんの腕前である。


いったい,どれほど上手いのか?


私の目は,おのずとzeroさんが一人で練習している台へと向けられた。

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2006-07-24 20:41:25

zeroさん登場(その1)

テーマ:ビリヤード

目的地に,車が到着した。


scratchoさんは裏道を通っていったらしく,私にとっては,都会の闇の中を走っていたら,いきなり眩しいビリヤード場の看板のネオンが現れたように感じられた。


店内は混んでいた。


(どの人がzeroさんだろう?)



と,一人で練習していた男性が私達二人に近づいてきた。

スリーピースの背広の上着を脱いでいるのであろう,ベストにスラックス,ネクタイをきっちりと結んでいる。

生地の仕立てがいい。
上品な黒のストライプ柄を見事に着こなしている。


彼はいきなり言った。


「すっくんさあ,ここのクッション,変!」


すっくん,というのはscratchoさんの愛称らしい。

scratchoさんは,慌てて,しぃーっという仕草をした。
店の常連さんが,こちらを睨んでいる。

scratchoさんは,この店をホームとしているサークルの皆さんとも知り合いなのだ。

確かに,今のzeroさんの発言はまずかろう。
自分のホームの台をけなされては,面白いはずがない。
zeroさんも,さすがに失言だったという顔をしていた。


しかし同時に,私はzeroさんもこの店は初めてだということが分かった。


scratchoさんがzeroさんを私に紹介してくれて,私は緊張しながら挨拶をした。
zeroさんは,


「どうも,zeroです」と短い挨拶をした。


毎度のことではあるが,私はまた「ビリヤードが上手い男というのは,どうしてこうもカッコ良いのであろう」と思った。

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2006-07-23 18:02:24

車中にて(その4)

テーマ:ビリヤード
「ボクは,遠慮なんかすることないと思いますよ」


私は,心の中で「やっぱり」と思った。
scratchoさんは続けた。


「だって,セーフティーはルールで認められてるし,当然ですよ。だけど・・・」


私は,黙って次の言葉を待った。


「確かに,そういう人がいるのも事実です。でも,そういう事を言う人は,セーフティーをされて「嫌がってる」からそう言うのであって,嫌なことをされて相手に文句を言うくらいなら,自分が実力で勝てばいいと思うんです」


なるほどね。
そういう考え方もあるのか。

私は言った。

「・・・それを聞いて安心しました。こういうのは,なかなか人に聞けなくて」




私は,強い相手と戦うときは,どんな手でも使ってやろうと思っていた。
いやむしろ,あらゆる手を使わないと,そもそも私は勝てない。


勝つ確率を1%でも上げるためには,セーフティーをするべきときにする勇気を持ちたいと思う。

そこら辺を,明快に言い切ってくれたscratchoさんに,私は感謝した。

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