権吾の美術ブログ

無名芸術家の奮闘記


テーマ:

 久しぶりに最近のねたです。上の「9月17日付けAFP 」に掲載されていたロンドン・サザビーズの「ダミアン・ハースト」オークションについてですが、その落札総額もすごいのだけど、僕が気になったのはそのことよりも次の部分でして…。

「今回のオークションは、芸術家が画廊を通さずに直接出品するという、アート史上極めて珍しい手法にも注目が集まっていた。オークションに先駆けて開かれた11日間の展示会には2万1000人が来場した。」

 今回だけの特別なケースなのかもしれないけど、そうでないとすれば、これって、セカンダリー・マーケット(再販)であるはずのオークション会社が、今後、プライマリー・マーケット的な事業展開も行なっていく可能性を示唆しているようなものだよね?
 ギャラリーが「プライマリー」を請け負い、オークション会社が「セカンダリー」で作品の流動性を高めるといった、法律的規制はもちろんないのだけど、暗黙の了解のようにプライマリー/セカンダリーの住み分けを基本としてきた既存のアート・ビジネスモデルに変化が生じるのかもしれません。仮に今後、サザビーズのようなオークション会社が本格的にこのようなビジネス展開を行なっていくとなると、プライマリー市場のギャラリー(画廊)経営者にとっては、かなりの驚異になりかねないと思う。(トップクラスのアート・ビジネス界にとっては、すでに「織り込み済み」といった可能性もありますが…。)

 また、これはアーティスト側にも同じようなことが言えて、このサザビーズとダミアン・ハーストの関係は、「ギャラリーを通して作品を販売する(特定のギャラリーと契約することによって作家および作品のマネージメントを担ってもらう)」といった、これまでのビジネスモデルに囚われる必要なく、アーティスト自らによってその販路を拡大していく新たなビジネスモデルの可能性も示唆したことになる。
 とはいえ、昔は「アーティストが頭の中に思い浮かべるイメージを自らの手によって物体に再現する」といった制作スタイルが主流だったから、それを続ける限りにおいては、制作に追われ、とても自らビジネス展開をしていく時間的余裕などなく、ギャラリーへそのマネージメントを任せるしかなかっただけであって、ダミアン・ハーストのような現代の制作スタイルは、「アイディアはアーティスト、制作はアシスタント(または外部発注)」といった作業分担形式によるファクトリー型(工場もしくは会社経営のような型)へと変化したのだから、「自らによるビジネス展開もその業務の一環」といった感じで、その制作スタイル変化が、様々なビジネスモデルへの対応を可能にした…といった話で、遅かれ早かれ、起こるべきして起こったこととも言えますが…。

 まぁ、ダミアン・ハーストにとってみれば、このような行動は、行き過ぎたアートビジネスのグロテスクな一面をあらわにするアイロニー 的なパフォーマンスでしかなく、まさにそれこそが「アート」であって、つまり、この一連の行動を「パフォーマンス・アート作品」として提示しただけに過ぎないのかもしれないけど…。

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

権吾さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。