そこは高齢者のグループホーム。


私が利用者さんのタッチケア4人目終えた頃

看取りの利用者さんに

アロマケアをして欲しいと

施設長から声がかかり

その方の居室へ。


白髪のショートカットがお似合いの女性が

浅い呼吸で横になっていました。




しっかりとした眼差しで

私を見てくださいました。



意識がしっかりしていらっしゃると

思いました。


私のタッチケアも香りも受け止めやすい!

よしよし

少しでも長く心地良さを感じてもらいましょ!



そんなことを考えながら

施設長からここ数日の状態をお聴きし

私がれい子さんに精油を選びました。



ファーストタッチ

手も温かいし足も温かい

浮腫みもなく肌はツヤツヤ。



フランキンスを鼻元で潜らせながら

上肢や下肢にタッチケア。



ときおり痰の詰まりをスタッフが処置する中

私は胸部をさすりフランキンセンスを

さらに鼻元に、くぐらせてる

大きく呼吸するれい子さん

なかなか眠れてないという。



れい子さんに

2~3分タッチケアを続けていたら

ゆっくり目を閉じふか~い呼吸

手のホールディングで

れい子さんしばらく目を閉じる

なんて穏やかな表情なんだろう。


25分程経って退室。


初訪問で様子もわからない状態では

長居は禁物。


しかし、なんて穏やかな表情なんでしょ

ほんとうにこの方がお医者さんから

あと2~3日だと言われた方なんだろうか。



この世との別れを惜しむように

もう少しだけここに居たいと

願っているかのよう。


れい子さんの人生の終末

少しでも穏やかであることを願いながら

帰りの車を走らせた。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆

その3日後




3日前訪問したグループホームで

アロマケアをしてきたれい子さん


数時間前に旅立たれたと

施設長から連絡が。



「出張アロマ」で

初めてお会いしたれい子さんは

ショートカットの白髪が

似合うチャーミングな女性でした。



死が近いことを知ってか

    腹が座っているかのように

   落ち着き払っていたのが印象的です。



      死を間直にした場合

側にいる人たちは穏やかさと冷静さの中で看取るのが旅立つ人たちへの礼儀ではないのか


            



  死んだことは無いのでわからないけれど

   そんなことを常々考えます。



 周りが感情的になったりあたふたしているものほど、死に行く人に失礼なことは無い。


死に行く人を看取るということは

とても尊い行為。

旅立ちを祝福して感謝をするのが一番の

礼儀になると思います。



れい子さんもそんな環境で
旅立っていかれたよう
本当に幸せな終末であったと思います。



麗子さんの手と栃内の手
皮膚を通して
『お疲れさまでした』って伝えた。

亡くなる少し前までお子さんたちが入らしていたそう。
こうしてご主人と一緒に岩手山を眺めたこともあったでしょう。