オリンピック選手、メジャーリーガーが学んだ メンタルコーチ 立命館大学大学院教授 高橋慶治のブログ

元臨床心理士、元日本オリンピック委員会強化スタッフ(メンタルトレーニング、コーチング担当)、立命館大学大学院教授の高橋慶治が、メンタルタフネス、ストレスマネジメント、コミュニケーション&人間関係などのテーマで役立つ事を書いていけたらと思っています。


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28日、三重県伊勢市の雑木林で18歳の女子高校生が殺害されているのが見つかったというニュースがありました。
そして、警察は一緒にいた同級生の男子高校生を殺人容疑で逮捕したと。

この男子高校生は警察の調べに対し、殺害を認め、死亡した女子高校生に「頼まれてやった」と話していると報じられています。

この事件に関した様々な記事を読んでみると、この女子高校生は以前よりずっと自殺願望があり、18歳までには死にたいと周囲に述べて、家族や友人たちは心配していたようなのです。

この子については、まだ詳しく分からないのですが、世間には大きなストレス要因がなく、物心ついたときから自殺願望を持った人もいると言う報告があります。

それは、性格に基づく自殺願望、自殺親和型性格といわれるものです。

秋田大学保健管理センターの苗村育郎教授によると、大雑把な推定では、人口の1~2%ぐらいは、子供の頃からこの世に生きることを苦と感じ、かなり本気で死を望んでいる人がいるといいます。

実際に私の知り合いでも、思春期の頃からずっと死にたいと思っている女子大学生がいます。

彼女は中高時代に「し・に・た・い」と心の中で呟きながら一歩一歩歩いていたといい、年をとる前の十代に死にたいとも言っていました。

ただ、その彼女は最近のツイッターで、「あいかわらず死にたい思いはあるけど、未練が増えてきて死ねない」とも呟いています。少し安心です。

自殺親和型性格の「希死念慮(死にたいと願う考え)」の強さの程度はいろいろであり、日により時により、状況によっても変化するそうです。

苗村教授によると、子供時代から一貫して死を希望し、死に方を考え続けている者が100人に1人2人もいるという事実は軽視できないことだと言います。

これらの多くの人たちが、「生きること
は苦痛。早く死んで楽になりたい」であるとか「自分はこの世には合わない、消えて無くなりたい」と感じていると言います。

このよう
希死念慮は、中年になっても続き、周囲に何の説明もなく、遺書さえ残さずに忽然と自殺する例が後を絶たないそうです。

今回の事件の女子高校生も、まだ情報は少なく判断はできないのですが、自殺親和型性格の可能性があるのかも知れないと思いました。

生まれつき生の本能が壊れているのか、幼少期の生育環境に問題があるのか、まだ明らかになってはいません。

自殺親和性性格から、私の心に浮かんできた言葉があります。それは、「実存神経症」という言葉です。

「実存神経症」とは、30年以上前の学生時代に、メダルト・ボスとかロロ・メイなどの心理学者の著書を読んでいた頃に聞いた言葉です。

お釈迦様(仏陀)は実現神経症で、人生は苦であると苛まされ、王子の座を投げ打って出家し修行の道に入ったのでは、という話を聞いたことがあります。

「実存神経症」とは、自分自身の存在の意味や生の実感を持てない状態で、そこに虚しさ、存在価値のなさ、絶望や不安が生じ苦しむといった症状だったように思います。

今回の女子高校生が、自殺親和性性格だったのか、実存神経症だったのかは分かりませんが、1~2%の死を願う人がいるなら、これらの事について、もっと研究する必要があるのではないかと思います。


(続く)
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