■■【経済の読み方】 2013年2月中旬を時系列的に見る

 時代の流れを時系列的に見ると、見えないものが見えてきます。NHKの放送や新聞・雑誌などを見て、お節介心から紹介しています。


◆ デパートの最近の売上動向 2013/02/20

 バブルがはじけると共に、デパート業界の業績は急激な下降状態に入り、約20年、スーパーマーケットやコンビニに押され続けて来ました。

 ところが、そのデパート業界の経営努力が稔り始めているのでしょうか、1月の全国デパート249店の売上高は、合計すると5472億円余りで、前年同月比で0.2%上回りました。これは2か月ぶりのことですが、12月にも年末商戦で、その前年の月を上回っています。

 その背景には、アベノミクスや株価の上昇などを背景にした心理的効果のようです。景気回復への期待感から、高級時計や宝飾品の販売が大きく伸びているというニュースも流れるほどです。

 本当に小売業界が回復期に入っていると言えるかどうかはわかりませんが、心理的効果というのは大きなものですね。

◆ 日本のスマートフォンメーカーが海外で巻き返し 2013/02/19

 国内でも、日本メーカーのスマホが店頭にたくさん並ぶようになりました。国内だけではなく、海外へも進出する動きも出てきています。

 その一つが富士通で、フランスの大手通信会社フランステレコムと提携することになりました。富士通が得意としている高齢者向けのスマートフォンを販売し、海外のスマートフォン市場に本格的に参入することになりました。

 フランス国内で販売を始めた後、イギリスやスペインなどでも販売を目指す方針です。
富士通は今後、北米市場も視野に入れ、巻き返しを図る動きとなります。

◆ アベノミクスがG20に合格? 2013/02/18

 モスクワで開催されたG20が、通貨安競争は行わないことで一致し、閉幕しました。議長国であるロシアのシルアノフ財務相は、会議終了後に会見しました。席上、各国は、円安が進む日本についてデフレからの脱却という政策のねらいが理解されたという認識を示しました。

 閉幕後、最初になるオーストラリアのシドニー外国為替市場は、週末のG20で、円安が進む日本の政策に一定の理解が示されたことは、予測の範囲内だという見方が広がり、株価は大きく変動しませんでした。

 麻生副総理・財務大臣も大役を果たしホッとしたのではないでしょうか。

◆ 海洋施設の受注を拡大 2013/02/17

 電気事業連合会の八木誠会長は、記者会見で、「安く安定した電力を供給するために、石炭火力は必要だ」と強調しました。石原環境大臣の、環境上の観点から石炭火力発電所の新設や増設に懸念の意を示したことに対する発言です。

 日本の技術力をもってしても石炭は環境に厳しいのでしょうか?

 一方、石油や天然ガスなどの海底資源の開発は急務です。大型海洋施設の受注を目指すため、IHIや三菱重工業などは、共同で新たな研究組織を設立する方針を発表しました。

 陸地から300キロ以上離れた洋上でも多くの作業員が滞在でき、大量の資材の保管が可能になる大型の海洋施設の設計や技術開発などを進め、平成27年度には事業化を目指す計画です。

 新興国の経済成長などで世界的に資源の獲得競争が激しくなるなか、石油や天然ガスといった海底資源の開発も活発になっています。

 海底資源開発を巡って日本企業などが連携して受注を目指す動きは初めてで、この分野への本格的な参入のきっかけになるかが注目されます。

◆ 日本国民はTTPに賛成か反対か? 2013/02/15

 7月の参院選を控えて、安倍首相は勇み足をして、言質を取られないように慎重です。2月下旬の日米首脳会談で焦点のひとつとなるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)についても、あまり詳細まで踏み込んだ発言をしていません。

 では、国民は、TPPをどう見ているのでしょうか?

 NHKのRDDによる世論調査では、日本が協定の交渉に参加することに「賛成」であると回答した人は35%でした。「反対」が16%、「どちらともいえない」が41%です。

 これは国民投票ではありませんので、その結果で決まるわけではないですが、何の判断基準を持たない人は、それに引きずられてしまい、結果として、そちらの方向に動いてしまうことになりかねません。

 その意味では、無責任な回答はして欲しくないと考えています。

◆ アメリカ経済の直近動向 2013/02/14

 アメリカ経済の見方は、いろいろありますが個人消費の動向を見るのが一つです。私は、これまでも何度も申し上げていますように、失業率・就業者数の動向を重視しています。

 アメリカ商務省が13日発表した、消費の動きを示す重要な指標として注目される1月の小売業の売上高は、4166億ドルと前の月に比べて0.1%増え、3か月連続で増加しました。これは個人消費が緩やかながら改善を続けていることを語っています。

 業種ごとに見ますと、デパートが1%、スーパーが0.6%売り上げを伸ばしたほか、建築資材や電機・家電が増加しました。一方、衣類・アクセサリーが0.3%、自動車や関連部品が0.1%減少しました。

 自動車関連は、ここのところ順調に伸びてきていましたので、0.1%の減少とは言え、まだ牽引役として重要です。

 今回の結果では、消費が緩やかながら増加を続けていることを示していますが、安心できません。1月から日本の社会保険料に当たる給与税が引き上げられてました。これが消費者の負担増につながり、これから買い物を手控える動きがでるのではないかという懸念があります。

 アメリカのGDPの60%を占める個人消費動向は、景気マインドにも影響が強いので注目をする必要があります。

◆ 日本の経済政策がG20で注目される 2013/02/13

 2月15日からモスクワで、先進国に新興国を加えたG20(主要20か国)の財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。安倍内閣にとっては、政権発足後、世界経済について議論する初めての本格的な国際会議です。

 最近のG20は、ヨーロッパの信用不安への対応が主要な議題でした。ところが、ギリシャの財政再建で一定の進展が見られるなどいくぶん落ち着きを見せており、今回は、円安と株高が進む日本経済の動向に注目が集まりそうです。

 アジア開発銀行の黒田総裁は、リーマンショック以後、割高感の円為替レートの是正がなされているという理解派もいますが、ドイツのメルケル首相を始め、アベノミクスは円安誘導であると批判的な人もいます。

 麻生副総理は、日本の政策はデフレからの脱却が目的で、規制緩和などの成長戦略や財政再建に取り組む姿勢であると理解を得たいところです。感じの読み違いをしないで、堂々と演説して欲しいモノですね。

◆ 原油確保に権益が必要 2013/02/12

 福島原発事故以来、LNG等のエネルギー資源の輸入金額が急増していて、日本は慢性的な貿易赤字国になってしまいました。

 シェール革命により、曙光は見えてきていますが、実現するにはまだ数年がかかるようです。その間は、高額な費用を払って原油やLNGを輸入し続けなければなりません。

 日本が海外に保有する石油権益のうち、UAE(アラブ首長国連邦)には最も多いおよそ40%の権益が集中し、このうち6割以上が2018年に期限切れになるという状況です。

 日本企業がUAEとの間に持つ石油権益の延長を図るため、JBIC(国際協力銀行)と三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友銀行の4行は、現地の国営石油会社に対して、総額30億ドル(日本円で2700億円余り)を石油開発支援のために融資することで合意しました。

 UAEのマンスール副首相は「民間レベルの協力を通じて、さらに関係を強化したい」と述べています。

 エネルギー関連にとどまらず、金融や製造業など幅広い分野への相互投資を促進することで、資源確保を進める必要があります。

◆ 「老いる都市」への対策の必要性 2013/02/11

 先日、世界における高齢化速度の問題と当ブログで採り上げましたところ、温かいコメントをいただきました。

 期せずしてNHKで飯野奈津子解説委員が「老いる都市にどう備える?」というテーマでお話をされていました。その内容は、さらにこの問題の深刻さを私たちに示唆してくれていますので、アウトラインをご紹介したいと思います。

 今、日本の人口のおよそ4人に1人が65歳以上の高齢者です。急速に高齢化が進む中で、老いへの備えを急がなければならないのが、大都市とその周辺の地域です。今夜は、これから老いが進む都市でどんな備えが必要なのか、考えていきます。

 これまで高齢化といいますと、若い人たちが都市部に働きに出て、過疎地に取り残される高齢者の問題に目が向けられてきました。しかし、これから問題に直面するのは、大都市とその周辺地域です。

 東京や大阪などの大都市には、高度経済成長が本格化した1960年代以降、地方から若い人たちが移り住んできました。

 高齢化率を色でマッピングしますと、60%以上増える赤色や40%以上増えるオレンジ色が大都市とその周辺地域に目立ちます。そして、それらの地域では医療と介護の必要性が急速に高まっていきます。

 これは、東京を中心とする首都圏で医療と介護の需要がどれくらい増えるのか、推計したものです。2035年の介護の需要は2010年の1.8倍、医療は、若い世代の人口が減る分伸びは抑えられますが、1.2倍程度とされています。

 しかし、都市は地方に比べて地価が高く施設を増やすにも限界がありますし、何より、これから働く若い世代が減っていきますので、人材を確保するのも難しくなっていきます。

 では具体的にどう取り組みを進めればいいのでしょう。

 注目したのが柏市と団地を運営するUR都市機構、柏にキャンパスを持つ東京大学です。3者が連携し、高齢社会への対応を探る企業や地域住民も巻き込んで、長寿社会のまちづくりのモデルを作ろうと動き始めたのです。

 そして、もう一つの取り組みが、在宅で医療や介護サービスを受けられる体制を整えることです。

 かかりつけの主治医や副主治医・訪問看護師やヘルパーなどが連携して患者と家族を支える仕組みです。負担を軽減できますので、在宅医療に消極的な医師にも参加してもらえるからです。在宅ケアに対応できるよう研修を積み重ね、職種間の連携を確実にするために患者の情報を共有するシステムも開発しています。

 高齢者個人が健康を考えて仕事をするとか、訪問診療してくれる医師を捜すとか、そんな個人レベルのことでなく、地域全体で長寿社会を見据えた仕組みを作ろうとしています。プロジェクトをリードする東京大学の存在など、条件に恵まれているところはありますが、この取り組みが他の地域の再生にも応用できるのではないでしょうか。
高齢者を雇用するだけでなく、患者の情報共有システムの開発などにも企業が力を発揮しています。地域住民への説明を繰り返し、住民が参加していることです。

 まだまだ打つ手があるにもかかわらず、対策が後手に回っているような気がします。

◆ 高齢化社会の進展 2013/02/10

 NHKのテレビ番組で「超高齢社会と図書館の役割」について、筑波大学溝上智恵子教授が興味深いお話をされていました。図書館は高齢社会のサービスとして、階段のスロープ化と大きな文字の書籍購入しかやっていないが、欧米並みのサービスをすべきだと言っています。

 そのことは、おっしゃるとおりだと思います。この番組を見て、私が心配になったのは高齢化は日本だけの問題ではなくなってきているという点です。

 日本は、現在、65歳以上の人口が23%を超えます。5人に1人どころか、4人に一人に限りなく近づいて来ています。しかも75歳以上は、9人に1人と言います。


 その割合もさることながら、高齢化のスピードは、他の国々がかつて経験したことのない速さで進行しているというのです。

 60年程前になる1950年には、高齢者比率は5%未満でしたが、2010年には世界でもトップクラスの高齢化率を誇る国になってしまいました。

 高齢化の速度を、高齢化率7%からその倍である14%に到達する所要年数を「倍化年数」として、日本と海外の他国と比較するとさらに怖いことが解ります。

 フランス   115年
 スウェーデン 85年
 アメリカ   69年
 日本     26年
 ブラジル   21年
 韓国     18年

 このように、高齢化の速度は、先進国だけではなく、新興国でも深刻な問題となりそうです。

 日本では、高齢社会への対応として、1995年に高齢社会対策基本法が制定されました。まだまだこの法律が有効に働いているとは思えません。この問題に真剣に取り組んで、世界のお手本となるような社会を築く必要があると考えます。



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