『エンディミオンの覚醒』(上) ダン・シモンズ | たまらなく孤独で、熱い街

『エンディミオンの覚醒』(上) ダン・シモンズ

エンディミオンの覚醒〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオンの覚醒〈上〉
ダン・シモンズ

訳:酒井 昭伸

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2002年11月30日

(1999年11月に早川書房より刊行)

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〈ハイペリオン〉四部作の第四部。

前巻で命からがらたどり着いた某所で力を貯え、さあパクスに反撃開始だ~と思ったらまだまだ先ですか。

しかし前巻の巻頭でエンディミオンはパクスかなにかに捕まり〈シュレディンガーの猫ボックス〉の中に幽閉され、いつ青酸ガスが吹き出て彼を死に至らしめてもおかしくない状況にあることを読者は知っている。

そんな状況の中で彼が書いている物語だから。

ではアイネイアーやサイリーナスの望みは絶たれたのか。

ある程度は成功したのか。

まだ分かりません。

 

登場人物や組織、それぞれがそれぞれの思惑をもって思考し行動し、あるときは成功しあるときは失敗し、そしていやがうえにも高まる緊張感のなか・・・・下巻に続く。

 

これはエンディミオンの日記というか回想録なのだから文句を言うのは筋違いだけど、30男が自分を「ぼく」と呼称するのは・・・。

そうは言っても「私」や「俺」では似合わないから、「ぼく」でいいのかな。

いや、でも・・・。

それに、エンディミオンはアイネイアーに会うまではほとんど女性と縁がない生活をしていたから恋に落ちるのは必然なのかねえ。

それにしても「ぼくの友人」だとか「愛しい人」とか、もうイライラしてくる・・・。

エンディミオンに言いたい。

もっとシャキッとせんかい!

お前の双肩に人類の未来がかかっているんだぞ。