『流星ワゴン』 重松 清 | たまらなく孤独で、熱い街

『流星ワゴン』 重松 清

流星ワゴン (講談社文庫) 流星ワゴン
重松 清
(講談社文庫)
初版:2005年2月15日 
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どうしようもなくなって死にたくなっても、こういう経験をすればまた生きる気力が沸いてくるだろうか。
3組の父親と息子。
63歳の父親と38歳の息子。
その38歳は一方では父親でもあり中学1年の息子がいる。
5年前に交通事故で亡くなった33歳の父親と8歳の息子。
 
どうしようもなくなった38歳の永田一雄。
子供は私立中学受験に失敗、公立の中学へ行くが受験勉強中は無視していた友達に苛められ不登校/引きこもり/家庭内暴力。
自分はリストラに遭い会社をクビに。
そして頻繁に外出する妻から突如離婚を突きつけられる。
田舎の父親はガンで死期まじか。
これでは将来に希望のカケラもない。
 
そんなある夜、オデッセイに乗った橋本親子に会う。
5年前に交通事故で亡くなった親子に。
橋本は永田一雄を過去の大切な場所へ連れて行くと言う。
なんとそこには病に伏せっている筈の父親までが登場。
しかも今の自分と同じ38歳のままで。
過去は変えられるのか?
いや、過去に干渉すれば現在は変わっているのか?
父と子、夫と妻は分かり合えるのか?
 
正直、最初はこんな話しかよと思ってしまいました。
こんな話し、読みたかねーよと。
でも、徐々に引き込まれ最後の方は一気読み。
ラストは文句を言いたい気もしますが、着地点としてはそれなりかな。
私も父親でありますから、身につまされるところは多々ありました。