『愚か者死すべし』 原 尞 | たまらなく孤独で、熱い街

『愚か者死すべし』 原 尞

愚か者死すべし 愚か者死すべし
原 尞
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2007年12月10日
注)文庫版は画像がないので、単行本のを貼りました 
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9年ぶりの新・沢崎シリーズだそうです。
前3作も読んだはずですが、印象はないですな。

あ、『私が殺した少女』での、少女の○○の扱いが「あまりのあまりさ」で絶句した覚えはあります。

この新シリーズは、第1期3作より「優れて面白く短時間で書くことを」と作者があとがきで書いてますが、どうなんだろうね。

はっきり言えるのは、この作品もしばらくすれば完璧に忘れそうだな。

 

一人称ですから、読者(私)は沢崎の目を通して「事件」が推移していく様子を読みます。

ところが、多彩な登場人物やら(前作に出てきたらしい人も)、あれこれ巻き込まれるやらで、一体沢崎は誰を探しているのだろう、なにを追っているのだろうと途方に暮れることもしばしば。

殉職した刑事の家に弔問に来て、一般の人もいるのに、その刑事の上司と事件についてやりあうのはどうかと思うよ。

 

それにしても作者は何を書きたかったのかわからん。

スリルもサスペンスも謎解きもなにもないじゃないか、というのが私の結論で、当然ながら原尞とはロング・グッドバイですな。