『青空の卵』 坂木司 | たまらなく孤独で、熱い街

『青空の卵』 坂木司

青空の卵 (創元推理文庫) 青空の卵
坂木 司
(創元推理文庫)
初版:2006年2月24日  
Amazonで詳しく見る by G-Tools
 
「夏の終わりの三重奏」
「秋の足音」
「冬の贈りもの」
「春の子供」
「初夏のひよこ」
--------------------------------
書店で目に留まったので、ついでに買ったのですが、拾い物でした。
2月に文庫化されて、私が買った版が11月10日で12版ですか。
結構売れていたのですね。
「日常の謎」ミステリになるのでしょうが、どうしてどうして「重い」です。
謎そのものは、ちょっとしたことがきっかけの「日常の謎」かもしれませんが、謎の解明は並ではありません。
 
ひきこもりで、自宅でコンピュータ関係の仕事をしている鳥井。
鳥井のために時間に融通が効きそうな外資系の保険会社に入った坂木。
2人の友情関係は中学の頃からで、その理由も書いてありますが、それが十数年経った今でも続いているのです。
いや、むしろ強固になったかも。
シリーズとして三冊でているようなので、友情関係がドラスティックに変化するのか気になるところですが。
 
「事件」はすべて人間関係が影響してますし、それを解決したことにより当事者のみならず鳥井や坂木も成長してくのですね。
性差別、障害者差別、差別とは言えないかもしれないが妻の呼び方・・・・・・。
彼らはそれに気がつき、できることから進んでいこうと思っているような。
 
例えば、あなたは妻(夫)をどう呼んでますか?
「おい」「お前」「ちょっと」「お母さん」「おとうさん」・・・・
外では、「○○夫人」?、「○○ちゃんのお母さん」? 、「○○さんの息子」?
彼女(彼)の人格はどこにあるのでしょう。
私はこれを改め、今後は名前で呼ぶようにしました。
 
そんな当り前のことにも気がつかせてくれる、このシリーズ。
続編が楽しみです。
ああ、三冊買っておけばよかった^^