タダゼミ杉並理科チームの瀬戸山です(^□^)

受験生の皆さま、本当にお疲れさまでした!

2017年度の理科の問題は、ぱっと見、いつもより難しそうに思えました。

本ブログでも3回に分けて、理科の問題の講評・解説をしていこうと思います!

 

まず1回目の今回は小問集合である大問1・2について!

●大問3・4についての記事は→コチラ
●大問5・6についての記事は→コチラ

 

以下、タダゼミ中央区のちょもさんによる分析です♪

 

 

 

大問1

昨年の大問と比較して、まず初めに驚かされる違いは「問題数の増加」である。またその分問あたりの配点が下がり、大問としての合計点も下がった。

そして問題の形式としては、昨年複数問出題されていた計算問題が今年は1問も出てこなかった。

その分、知識そのものを問うものだけでなく知識を応用して解かなければならないものも出題されることとなった。

総合的に判断すると、昨年に対して難化したと考えられる。

 

各問題についてのコメント(難易度 ★~★★★

 

 問1

昨年の問1も火山に関する問題であった。たしかに大問3で出題するよりも大問1で出題する方が都合が良さそうである。マグマのねばりけとそれが固まってできる岩石とそれが構成する火山とをリンクさせることができているかチェックする内容だった。簡単。★

 

問2

大問1の中では一番戸惑った生徒が多かったのではないだろうか。

まず食塩水をろ紙にしみ込ませる理由は、食塩が電解質であり、電気を通す媒介のようなものが必要だからである。水酸化ナトリウム水溶液をしみ込ませたろ紙の左右に、赤色リトマス紙と青色リトマス紙を置いた理由は、電流を流した時に水酸化物イオンが右と左のどちらに引き寄せられることになるのか確認するためである。水酸化物イオンは-に帯電しているため、陽極の方へ引き寄せられ、アルカリ性を示すため、赤色リトマス紙を青色に変化させる。これは難しかっただろう。★★★

 

問3

優性の法則について図をイメージできている生徒にとっては楽勝だったと思う。形質と遺伝子とを混同させないように気をつけたい。

子の形質が丸としわともにあったのであるから、その親の遺伝子には丸としわが混ざっていなければならない。知識問題だが手ごわい。★★

 

問4

右ねじの法則によって瞬殺だったと思う。簡単。★

 

問5

混合物に関する問題であり、唯一知識をほぼ必要としないが、その分思考力が問われる面白いネタだったと思う。まず図3において下で分離される物質ほど沸点が高いということに気がついただろうか。

沸点が高いということはその分加熱によって分離することが難しいということであり、その物質だけを取り出すことが容易ということである。再結晶と蒸留との違いについては大丈夫だっただろうか。教育的には良問であった。★★★

 

 

 

問6

電流計と電圧計の正しいつなぎ方についての問題である。簡単。★

 

問7

皆大嫌い天体が来た。地球と月について考えるときは基本的に地球の自転と月の公転を図にまとめたものが役に立つ。観測時刻が午後6時頃なので、日の入りに観測者のポジションを決めればよい。3日後には月が公転によって移動していることを考えればいいのだが、観測者から見た方角について頭になかった人が多かったかもしれない。知識だけでは厳しい。★★

 

 

 

大問2

 こちらは大問1と異なり、出題形式は例年通りであった。安心した生徒は多かっただろう。ただ昨年は表を見て考える問題であったところが、今年は図を見て考える問題であった。難易度は変わらない。

 

問1

浮力(アルキメデスの原理)についての問題で、一見計算方法がよく分からないと焦った生徒は多かったかもしれない。しかし実は体積500cm分の質量として換算した量について不等式をつくれば瞬殺である。求めるものをとすれば500<<525となることが分かるだろう。密度として考えても全く問題ない。★★

 

問2

動物の分類に関する問題で、「そんなに動物知らねえよ」と困惑するところだが、親切なことにレポートを参照すればヒントが得られることに気づいてニヤニヤが止まらなかったことだろう。さて、<レポート2>の後半を見ると、トウキョウサンショウウオが両生類であることが分かる。レポートが役に立つこともあるので、見逃さないように。★

 

問3

光の屈折に関する基本的な問題で、このタイプの問題を解いた経験がある生徒は多かったと思う。XとYを直線で結ぶと、海水から空気への入射角と屈折角が等しくなることが分かり、この場合の入射角よりも屈折角の方が大きくなければならないことを考えると、AかBのどちらかにしぼることができる。Xから空気と海水との境界面への垂線の足が、AとYを結ぶ直線よりも下に存在することが分かれば、意外と簡単。★

 

問4

断層による地層のズレに関する問題で、引っかかった生徒が多かったのではないだろうか。粒の大きさから堆積するポジションを比較する方は簡単だったと思う。しかし図6と図7が厄介に思える。標高にもズレがあり、断層によるズレもある。この場合は地点Aの標高と地点Bの標高を揃えると分かりやすくなる。標高を揃えた上で地層同士のズレを合わせるためには、断層によるズレがどれくらいなければならないのかということを考えるとうまくいく。計算が絡んでくる面倒な問題である。★★★

 

 

ちょもさん、ありがとうございました!

大問3以降の記事もお楽しみに!