「今色々な情報がインターネットにあふれています。

どれが正しくて、どれが正しくないか、わかりません。どこまで信じて検査や治療を受けるべきでしょうか?」

この様な質問を受けました。

 

これはまさにその通りかと思います。

色々な患者さんの体験談、医療者のブログ、病院のHP、掲示板など挙げればきりがありません。

インターネット全盛の今の時代、正しい情報を取捨選択していくことの大切さ、難しさが問われる時代であると思います。

 

全てのことを試さなければと考えると相当なストレスになるかと思います。

 

信頼できるのは、やはりエビデンスがある情報であると思います。

 

説明会などを利用して、医師の考えを聞き、その上で二人でどの様な治療を選択するか決めることが最終的には良いかと思います。

 

エビデンスに基づく治療を

 

人それぞれ

 

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40歳です。完全自然のクリニックで治療をしています。採れる数が1個のため(空胞のこともあります)中々胚盤胞が出来ません。完全自然で採卵した場合胚盤胞が出来る確率はどのくらいでしょうか?

 
この様な質問がありましたのでお答えします。
 
自然周期だと育つ卵胞は基本的には1つとなります。
 
体質にもよりますが、1つの卵胞を採卵して採れる確率は大体8割前後かと思います。
 
トリガーの方法、年齢や卵胞の大きさにもよりますが、採れた卵子が成熟している確率は約8割前後かと思います。
 
顕微授精をして受精する確率は約8割です。
(培養士の技術によって70〜83%位の値です )
体外受精の受精率は7割前後になります。
 
一番の難関は胚盤胞になるかですが、40歳の方で約3割前後くらいだと思います。ただこれは培養環境により差が出るところで、施設により前後するかと思います。
 
これを単純計算すると、胚盤胞が出来る確率は
1✖️0.8✖️0.8✖️0.8✖️0.3=0.1536
 
40歳の方が自然周期で採卵をすると15%の確率で個胚盤胞が1個出来る、と言う計算になります。
もちろん培養環境や、個人個人で異なるため、全ての方に当てはまることではありませんし、これはあくまで単純計算となります。

「市販の鎮痛剤を内服する事で採卵や移植へ影響するかどうか不安です」

このようなご質問がありましたのでお答えします。

 
内服する頻度にもよりますが、通常の量であれば鎮痛剤の内服は採卵や移植に対してはほとんど問題にならないかと思います。そのため控える必要はないと思います。
 
ただし、妊娠した後は体質や妊娠中の経過もあるため、詳細は担当の主治医の先生にしっかりと確認する方が良いかと思います。

30歳前後の年齢が若い方から、結果が出ない場合に胚盤胞2個移植をすることは問題ないかというご質問がありました。

 

これは以下の学会の出しているガイドラインからすると行ってはいけないことになります。

若い方の場合実際に多胎になる確率が高くなり、多胎の場合には産科的なリスクがかなり高くなります。

双子の妊娠が希望という方もいますが、実際に妊娠中、出産時、産後に様々なリスクがあります。

妊娠がゴールではなく、健康な子供を出産して、ご自身も健康でありながらしっかりと育児をすることがゴールであると思います。

そのためこのような治療方法は好ましくないかと思います。

 

以下学会の出しているガイドラインです。

多胎妊娠防止のための移植胚数ガイドライン

 
過去の記事も参考にしてください。

今日判定日でした。血液中のHCGが低く10IU/lでした。先生からは念のため5日後に再検査をしましょうと言われました。不安で不安で仕方がありません。生まれてくれる可能性は低いのでしょうか?

 

このようなご質問がありましたのでお答えします。

 

判定日が移植後何日目かによりこの値は変わります。

胚盤胞の場合、移植後1週間経過していると(3w5d)、大体HCGが50IU/l前後あれば通常の経過かと思います。

 

データー上は判定日のHCGが高いほど妊娠継続率、出産率は高くなります。

ただ値が非常に低くても妊娠が継続して無事に健康な児が生まれてくることは実際にあります。これは論文や学会でもケースレポートとして実際に報告されています。

私自身の経験でも判定日のHCGが1や2でも分娩に至っている方が少なからずいます。

この原因は不明ですが、胚の発育が遅い場合や、着床が遅かったなどの原因が考えられます。

このように低くても実際に分娩に至るケースもあるため、HCGが出ている場合には慎重に再判定を行い注意深く見ていくことが大切だと思います。

 

宜しければ過去の記事も参考にしてください。

 

妊娠初期のhCGの伸び率

 

妊娠判定日のhCGが低い場合