胚盤胞か初期胚か

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胚盤胞ができないと妊娠できないでしょうか?

胚盤胞か初期胚どちらが良いでしょうか?

これは良く質問される事です。


現在の培養システムは温度、湿度、PH、組成など

全ての事に関して体内環境を真似しており

かなり体内環境に近付いていますが、

完璧に真似できているわけではありません。

体内環境よりも優れているという保証はありません。

培養液もかなり進歩しましたが発展途上の段階です。


一つの胚を二つに分けて、一つは体内で、

もう一つは体外でと分けて培養する事が出来ない以上、

どちらが優れているかを証明する方法はありません。


そのため、体外培養で胚盤胞ができないとしても

体内環境でなら胚盤胞になる事もありえるため

妊娠出来る可能性は十分あります。


現在胚盤胞移植がとても流行っています。

しかしこういう事も考えて、

治療に臨む必要があります。


胚によっては、余力があり体内でも体外でもどちらでも妊娠出来るけれど、そこまでの余力がない胚は、もしかしたら早く体内に戻した方が妊娠出来るのかもしれません。

全員が全員胚盤胞しか移植しない、というのは無理があるかと思います。


以前の記事も参考にして下さい。

胚盤胞培養のメリット、デメリット 

胚盤胞培養の限界 


シート法と2段階移植

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2段階移植とSEET法どちらが良いのでしょうか?


このようなご質問がありましたのでお答えします。


最初に2段階移植とシート法に関してですが、

2段階胚移植は3日目に初期胚を一つ戻し、5日目に胚盤胞を一つ移植する方法です。

胚盤胞のみの移植よりも妊娠率がやや高くなりますが、両方着床した場合双子になる副作用があります。


そのため改善策としてシート法が出てきました。

シート法は胚盤胞が育った培養液を胚盤胞移植の2~3日前に入れるため双子になるリスクはありません。(ただし胚盤胞がスプリットして1卵生双胎になる可能性はあります)


ご質問の件ですが、2段階胚移植とシート法のどちらが良いかですが、双子は出来るだけ避けるべきなのでシート法の法が好ましいと思います。


ただ、結局は両者とも胚盤胞の質が鍵となりますので、いかに良い胚盤胞を作り、しっかりと良い場所に移植するかにかかってきます。


胚盤胞移植でなかなか結果が出ない場合には是非シート法をトライすることをお勧めします。


シート法に関しては以下の記事も参考にしてください。


http://ameblo.jp/kazutom/entry-10866485122.html

良好胚盤胞が出来るためには

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良い胚盤胞ができるためには以下の3つがポイントになります。

①良い卵子を数多く採卵する

②良い精子を射出する

③培養状態を良くする

以下順番に説明したいと思います。


①良い卵子を採卵するためには

刺激方法の工夫 、注射の種類の選択、採卵のタイミングの最適化、採卵時の卵子の取り扱い 、これら次第で大きく変わります。


A:数を取る

20代の若い方は別として、やはりある程度の卵子数がない事にはどうしても先には進めません。安全に、かつその方が採れうる最大限の卵子を一度に正確に採卵することで胚盤胞到達率を上げることができます。


B:良い時期に採卵をする

生理中に検査を行いホルモン値、AF等を見極めて、良いかどうかを判断します。

卵巣刺激~採卵の一連の流れは、痛みを伴い、ストレスフルであり、高額な治療なので「ここぞ!」と言う時期に行うべきと言えます。


過去の記事に刺激方法採卵方法 等を記載しておりますので参考にして下さい。


②良い精子を射出するためには

禁欲期間 採精場所 生活習慣 採取方法 、で精子の質が大きく異なります。

アルコール、タバコ、運動、ストレス、睡眠なども精子の質に関係してきます。

健康的な生活を3か月持続して初めて良好な精子ができてきます。

ついついお金がかかる卵子ばかりに目を向けがちですが、治療の半分は精子の質で決まります。

良い精子なくして良好胚盤胞ができる事はあり得ません。

旦那様の責任は非常に大きいものとなります。


③培養状態を良くするためには

A:培養庫を正しく管理する

培養庫内の温度、湿度、PHを正確に測定し安定させます。

症例数が多い場合はそれに見合うだけの培養庫が必要となります。

多数の採卵数がある施設では培養庫がたくさん必要になりますが、もし不足している場合は正しく管理できていない可能性もあります。その結果胚の発生に影響を及ぼしている可能性があります。


B:培養士 の技術

卵子、精子、胚の取り扱いは培養士の技術 次第で良くもなり悪くもなります。

特に顕微受精は培養士の腕に大きく左右されます。

顕微授精での受精率は大体8割程度ですが、これも技術によりかなり変動します。

同じ精子と卵子を使用しても出来てくる胚盤胞の質は全然違います。

培養室のハード面も大切ですが、それ以上に培養士の腕、技術、経験はとても大切です。


C:培養液の選択

培養液のメーカー、ロットにより培養成績が変わる事があります。

その患者にあった培養液を使う事が大切となります。


D:培養室の環境の整備

クリーン度を高く保つ必要があります。

培養室の温度、湿度、光、VOC  に対する配慮も必要です。

最適な培養環境の下でより多くの良好胚盤胞が出来ることになります。