SERC

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SERC:smooth endoplasmic reticulum cluster(滑面小胞体集合体)が認められた卵子は質が良くないと言われています。

 

今回SERCが認められた卵子の妊娠率などを調べた論文がFertil Sterilの12月号に出ていましたので紹介します。

 

着床率はSERC(+)の場合、SERC(-)の場合で以下のようになりました。

14.8% vs. 25.6%; オッズ比0.61

 

この結果からSERCが認められた場合には妊娠にとって良くない影響を与えることがわかります。

選択肢がある場合にはSERCが無い卵子を治療に選択すべきと言えるかと思います。

 

 

Oocytes with smooth endoplasmic reticulum clusters originate blastocysts with impaired implantation potential

December 2016Volume 106, Issue 7, Pages 1718–1724

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収縮した胚盤胞

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「溶かした胚盤胞が十分に拡張していないで収縮していましたが移植しても問題ないでしょうか?」

この様なご質問がありましたのでお答えします。

融解後、胚盤胞は拡張、収縮を繰り返して孵化していくという特徴があります。

そのため融解後に胚盤胞を観察して、写真を撮影した瞬間に、たまたま胚盤胞が収縮していたとしたら、そのような状態として記録されます。

移植の際も同じ事で、移植の際にたまたま収縮していたとすると収縮してみえる事になります。

胚の観察や移植は出来るだけ短時間で行わなければいけないため、このような収縮していたり、拡張が不十分である事は胚盤胞の特徴を考えると特に問題ないかと思います。

ただ、やはり収縮した胚盤胞よりは拡張して孵化している胚盤胞の方が妊娠率は高くなると言う報告はありますし、理想としてはしっかりと拡張した胚盤胞か、孵化中胚盤胞で移植をする方が好ましいと思います。

胚盤胞か初期胚か

テーマ:

胚盤胞ができないと妊娠できないでしょうか?

胚盤胞か初期胚どちらが良いでしょうか?

これは良く質問される事です。


現在の培養システムは温度、湿度、PH、組成など

全ての事に関して体内環境を真似しており

かなり体内環境に近付いていますが、

完璧に真似できているわけではありません。

体内環境よりも優れているという保証はありません。

培養液もかなり進歩しましたが発展途上の段階です。


一つの胚を二つに分けて、一つは体内で、

もう一つは体外でと分けて培養する事が出来ない以上、

どちらが優れているかを証明する方法はありません。


そのため、体外培養で胚盤胞ができないとしても

体内環境でなら胚盤胞になる事もありえるため

妊娠出来る可能性は十分あります。


現在胚盤胞移植がとても流行っています。

しかしこういう事も考えて、

治療に臨む必要があります。


胚によっては、余力があり体内でも体外でもどちらでも妊娠出来るけれど、そこまでの余力がない胚は、もしかしたら早く体内に戻した方が妊娠出来るのかもしれません。

全員が全員胚盤胞しか移植しない、というのは無理があるかと思います。


以前の記事も参考にして下さい。

胚盤胞培養のメリット、デメリット 

胚盤胞培養の限界