PCOSは体外受精の適応になるか?


多嚢胞性卵症候群(PCOS)は排卵が規則的に起きていなく、生理不順となり妊娠しずらくなります。

そのため卵管因子や男性因子等の体外受精や顕微授精でしか妊娠できない疾患とは異なり、PCOSは厳密に言うと体外受精の適応にはなりません。

ただ排卵誘発剤を使用して排卵障害の治療を行ってもなかなか効果的でない場合には、早く妊娠するために、妥協案として、体外受精を検討する事も一つの方法と言えます。


PCOSで体外受精を行うメリットとして

①排卵誘発の注射により沢山卵胞が出来た場合(通常4つ卵胞が出来た場合はキャンセルになる事が多いと思います)、自然排卵の場合は多胎が怖いのでキャンセルになるようなケースでも、体外受精の場合は採卵して移植胚数を制限して、残った胚を凍結する事で多胎を防げるという最大のメリットがあります。

②一度の採卵でたくさん凍結卵を確保する事が出来るケースが多いです。


デメリットとしては

①PCOSは卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のハイリスク群のため、PCOSに対しては慎重に誘発剤を用いる必要があります。

②体外受精をやらないでも妊娠出来る可能性があるため、コストや時間的な負担になる事があります。


結論として、PCOSが体外受精の適応になるかどうかは、難しい問題ですが、やはりケースバイケースとなります。

年齢、不妊期間、過去の治療結果(排卵誘発剤への反応)、過去のキャンセルの頻度、ストレス等を総合的に判断して、体外受精をやるかどうかを決めていくべきかと思います。

(また腹腔鏡でのドリリングと言う選択肢もあります。)