AMHセミナー

ANHセミナー


本日AMHセミナーを開催しました。

大勢の方にご参加いただき誠に有難うございました。

たくさんご質問もして頂きありがとうございました。


AMHセミナーでは、不妊ドック、不妊予防、AMHに関して説明しました。


次回のAMHセミナーは7月27日になります。

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手術すべきか迷う子宮内膜ポリープ


不妊症で子宮内膜ポリープがある場合、手術すべきか迷うケースがあります。


多発性のポリープや大きいポリープの場合、明らかにオペで摘出すべきなのでオペは迷わないのですが、


子宮の出口に近い場合には着床にはそれほど関係がなさそうにも思えます。


小さくて1-2個の場合も着床には関係がなさそうにも思えます。


こういう場合、オペをするかどうか迷う場合もあります。


ただポリープがあって良い事はなく、あることでマイナスの要因になることは間違いないため、オペが容易で、副作用が少なく、かつオペは保険が効き、リスクが少ないという点を考えると、判断に迷う場合にはオペで摘出すべきであると思います。


迷って残しておいて、それにより妊娠しない期間が長くなることや、妊娠しても流産になることもあり、それから慌ててとる事は時間的なロスが大きくなります。


以前にも同様な内容で記事 にしましたので参考にしてください。


ポリープと着床障害との関連の記事 も参考にしてください。


「何度も胚盤胞ができるのにどうして妊娠しないのでしょうか?」

「良好胚を何度も移植してもどうして着床しないのでしょうか?」

この様な質問を受けます。


この様な場合、胚は問題無くて、それ以外の部分に問題がある事が疑われます。

つまり「着床障害という病態」が疑われます。

着床障害に関する詳細は以前の記事「着床障害 」を参考にしてい下さい。


この様な場合は胚移植を一旦ストップして、まず最初に着床しない原因をきちんと診断する必要があります。

子宮鏡検査 卵管造影検査 ホルモン検査 超音波検査 等を詳細に行い、再度評価をし直します。


着床障害の主な原因としては

①子宮因子、

②卵管因子、

③内分泌因子があります。


子宮に原因がある子宮因子の場合は手術でほとんどのケースは治療する事が可能です。

代表的な卵管因子である卵管水腫 も腹腔鏡で治療する事が可能です。

(高温期に水っぽいおりものが多い場合は卵管水腫を念頭に置きます)

内分泌に異常がある場合も治療する事が可能です。


このようにきちんと診断をつけて、適切な治療をする事で、着床障害はクリアする事が出来るようになります。


(なお着床率向上の工夫はこちら にまとめてありますので良ければ参考にして下さい)

今月号のFertility and Sterilityに「着床率を上げるための工夫」として興味深い論文がありましたので紹介します。


体外受精、顕微授精において、移植前に子宮内にhCGを注入する事で着床率と妊娠率が有意に上昇する


目的

胚移植前にhCGを子宮内に注入する事の価値を調べる事


デザイン

後方視的無作為試験


設定

エジプトの体外受精センター


対象患者

40歳以下で、初めての体外受精、顕微授精を行っている不妊症患者。
研究対象は167名で移植前に

①100単位のhCGを子宮内に注入した83名

②200単位のhCGを子宮内に注入した84名

コントロールは何も子宮内に注入していない93名。


中間分析後、研究のプランを修正し、

107名のグループは500単位のhCGを子宮内に注入した。

それのコントロールは何も注入していない105名とした。

妊娠率と着床率で結果を集計した。


結果

着床率と妊娠率は500単位のhCGを子宮内に注入したグループにおいてコントロールと比較すると有意に上昇した。

500単位の着床率と妊娠率 41.6%, 75%

コントロールの着床率と妊娠率 29.5%, 60%


一方もう一つの検討では有意差は出なかった。

100単位の着床率と妊娠率 26.6%, 54%

200単位の着床率と妊娠率 28.3%, 57%

コントロールの着床率と妊娠率 29.4%, 60%


結論

体外受精、顕微授精において、移植前に500単位のhCGを子宮内へ注入する事は妊娠率、着床率を有意に上昇している事が判明した。


この結果から言える事として

今後更なる大規模な検討が必要ですが、移植前に子宮内へhCGを注入する事は、有効な方法となる可能性がある言えます。

Intrauterine injection of human chorionic gonadotropin before embryo transfer significantly improves the implantation and pregnancy rates in in vitro fertilization/intracytoplasmic sperm injection: a prospective randomized study.

Mansour R, Tawab N, Kamal O, El-Faissal Y, Serour A, Aboulghar M, Serour G.

Fertil Steril. 2011 Dec;96(6):1370-1374

胚移植後の鍼治療

以前胚移植に鍼治療を併用すると妊娠率の向上が見られるという記事を書きました。これに関する質問がいくつかありました。

(こちらを参考にして下さい鍼治療 ①、鍼治療 ②)


今月号のFertility and Sterilityに「経皮的経穴通電刺激法を胚移植の前後に行う事で妊娠率が有意に上昇した」という報告がありましたので紹介します。


最初にこの経皮的経穴通電刺激法(TEAS)とは何かと言うと、導電性ゴム電極や磁石電極をツボに貼り、1Hzの低頻度刺激で経穴を刺激して鎮痛を得る方法です。実際に鍼を刺す方法とは異なります。


目的

胚移植を行う女性おいて、経皮的経穴通電刺激法(TEAS)が、妊娠率にどのような影響を及ぼすかを評価する事。


対象

45歳以下の309名の患者において凍結胚移植、または新鮮胚移植を行った。

患者は無作為に3つの群に分けた。

グループ①:99名

胚移植の30分後にTEASを行うと見せかけた群

グループ②:110名

胚移植の30分後にTEASを1回行った群

グループ③:100名

胚移植の24時間前と30分後の2回TEASを行った群


結果

グループ①

妊娠率29.3%、着床率15.0%、生産率21.2%

グループ②

妊娠率42.7%、着床率25.7%、生産率37.3%

グループ③

妊娠率50.0%、着床率25.9%、生産率42.0%


グループ①とグループ②において、

妊娠率(p=0.44)、着床率(p=0.05)、生産率(p=0.11)全ての項目で有意に成績が上昇しています。

グループ②とグループ③において、

妊娠率、着床率、生産率において率は上昇したものの、統計上の有意差は認めませんでした。


結論

胚移植の際にTEASを行う事は(特にTEASを2回行う事は)、妊娠率を有意に上昇させる事がわかりました。


この結果から言える事として

胚移植の際にTEAS行う事で有意に妊娠率が上昇しているため、TEASは効果的であると言えます。

ただこの論文はTEASに関する最初の論文のため、今後の他施設での追試により、その効果を確かめる必要あると言えます。