先週の説明会で出た質問ですが、「培養士の技術が大切とのことでしたが、培養士が行う精子の選別とは成績を左右するものでしょうか?また施設により異なるものでしょうか?」という質問がありました。

 

精子の選別には以下の二つの異なる過程があります。

 

一つ目は培養士が顕微鏡で拡大して良い精子を選ぶという過程です。

顕微授精の場合、顕微鏡で拡大して精子を選別することはとても大切なことです。より良い精子を探し出し正確に顕微授精を行うこと、これがまさに治療の最も大切なことの一つです。まさに成功の鍵そのものです。ここを正確に行うためには培養士の経験、技術、知識が非常に必要となります。

 

もう一つの選別という過程があり、これは原精液という精液そのものを液化させ、その後洗浄して、遠心分離をして、スイムアップやパーコール法で良好精子を分けることです。

これは教科書に載っていることであり方法が決まっており、どこの施設でも同様に行うことができます。それほど難しいことではありません。

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一昨日の説明会で出た質問ですが、「凍結精子を治療に用いるケースはどの程度ありますでしょうか?」という質問がありました。

 

単身赴任で遠いところに住んでいる方や、出張がとても多い方、旦那様が海外に住まわれている方、この様な場合には事前に精子を凍結しておいて治療に用いる事はあります。

特に海外赴任をしている方の場合採卵に合わせて帰国する事はかなりの負担になるため、凍結精子で治療をする事はしょうがないかと思います。

ただ現実問題として凍結により精子の半数は動かなくなります。つまり死にます。これは凍結という操作が精子に負担をかけている事に他なりません。

高齢になり卵子の質が下がり、ただでさえ苦戦している時に、あえて精子の質を下げてマイナス要因を増やす様な治療をする意義がないと考えているため、当院では凍結精子を用いての治療は上記の様な特別な場合のみ行うようにしています。

 

また凍結精子を用いる場合には精子の運動性が下がるため、実際にはほぼ全症例顕微授精となります。

以前にも記事にしましたが受精率は顕微授精が上回りますが、妊娠率は顕微授精よりも体外受精が高くなります。

また高齢になればなるほど顕微授精よりも体外受精が好ましくなります。

これらの観点からもなるべく鮮度の高い精子を用いてできれば体外受精を行う事が好ましいかと思います。

精子の選別

テーマ:

昨日の説明会でご質問が出たことを取り上げたいと思います。


「奇形率が高い場合精子の選別にはどのようにしたら良いでしょうか?」


原精液は死滅精子、奇形精子を多く含んでいるため処理をせずに使うことはありません。

良好精子を選ぶために「スイムアップ」や「パーコール」で処理をして良好精子を回収していきます。この過程で運動性が高く正常な精子を回収します。


更にこの後顕微授精を行う際に400倍以上の高倍率で奇形精子を省いて、良好形態精子、運動性が良い精子を選び顕微授精に用いていきます。


これらの過程で奇形精子を選別することが可能になります。