染色体正常胚でも妊娠しないのはなぜか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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染色体正常胚でも妊娠しないのはどうしてでしょうか?

 
この様な質問がありましたのでお答えします。
 
これは様々な要因があります。
 
卵子は大きな細胞なので、染色体以外にもミトコンドリアなど様々な器官があります。胚の染色体が正常でも細胞質に問題がある可能性があります。この様な場合には妊娠することは難しくなります。
また、PGSの手技(胚の細胞を吸引することや、繰り返して凍結融解をすること)により胚へダメージが出ているかもしれません。
 
その他としては以下の要因が考えられます。
医師の移植がしっかりと出来ていない。
子宮内膜が薄い。
卵管に水腫がある。
子宮内腔に粘膜下の子宮筋腫がある。
子宮内腔に内膜ポリープがある。
移植の調整方法(自然周期 or HRT周期)があっていない。
移植後のホルモン値が適切でない。
免疫や凝固系の異常。
子宮の形態異常や内腔の癒着。
 
主にこれらの事が考えられます。
これらを踏まえ、原因を特定し治療して結果を出す事が良いのかと思います。