子宮移植を受けた娘が男児を出産 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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母親から子宮移植を受けた娘が男児を出産! 子宮摘出や先天的に子宮がない女性の希望の光に 

こちらから記事 を引用しました。)


・母親から子宮移植を受けた娘が赤ちゃんを出産!

2014年11月、スウェーデンのヨーテボリ大学病院で、自分の母親から子宮移植を受けた女性2人が、共に帝王切開で男児を出産。自身の母親から移植された子宮で、出産が成功した初めてのケースとなった。

一人は先天的に子宮がなかった29歳のスウェーデン人女性で、約2500グラムの男児を出産。そしてもう一人は、20代で癌(がん)のため子宮を摘出した34歳の女性で、生まれた男の子は約2700グラムだった。両母親と乳児ともに、健康状態は良好だという。

・子宮移植を受けた9人のうち2人が出産

同大学で子宮移植を受けた女性は全部で9人で、そのうち7人の手術が成功し、そのうちの2人が赤ちゃんを出産。専門家によれば、新しい外科手術の成功率としてはかなり高く、このままいけば代理出産に大きな影響を与えるかもしれないとしている。

子宮移植で誕生した世界初の赤ちゃんは、2014年9月に同大学で生まれヴィンセントと名づけられた男児だ。血縁関係にない女性の子宮を移植された36歳の母親が、2カ月の早産で約1800グラムのヴィンセント君を出産した。

・子供を産めない女性の希望の光に!

子宮移植は、先天的に子宮がなかったり子宮を摘出した女性、また流産を繰り返して妊娠できない人にとって、希望の光となることは間違いない。さらに、子宮を提供してくれる人が自分を生んでくれた母親となれば、喜びもひとしおではないだろうか。

・他国も子宮移植に積極的な姿勢

スウェーデン以外では、以前にトルコとサウジアラビアでも子宮移植が行われたが、出産には至っていないとのこと。そしてアメリカと中国、オーストラリアの医学研究チームも、子宮移植に積極的な姿勢を見せているそうだ。

やはり女性としては代理出産よりも、自分のお腹の中で赤ちゃんが大きくなる感覚を体験したいと思うものだろう。しかも、自分の母親から譲り受けた子宮から一家2世代が誕生するとは、まさに奇跡の業と言えるかもしれない。

参照元:YouTube Mail Online Mirror The Telegraph (英語)
執筆:
Nekolas