AMHの減る速度

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卵巣機能を表しているAMH は加齢とともに減少していきます。

しかしAMHが毎年、毎月、どの程度減って行くかはよく分かっていません。

今回これに関する演題が昨年の受精着床学会にありましたので紹介します。


名古屋の浅田レディースクリニックからの演題です。

(演題番号O-6)


演題

同一症例におけるAMH値の時間的変化の検討


目的

近年AMHは卵巣予備能力の指標の一つとして注目されている。卵巣予備能力低下の第一の要因は加齢である事は周知の事であるが、その加齢に伴いAMH値がどれほどの変化をもたらしているのかはまだ不明である。

今回我々はこのAMH値の時間的変化について検討したので報告する。


対象、方法

2008年6月~2010年2月に当院にて測定したAMH値を、年齢別とAMH数値別に同一症例にて時間的変化を検討した。測定はEIA法にてAMH/MISキット(MBL社)を使い二重測定した。


結果

全症例(n=2123)の1回目の平均AMH値は27.8pM、平均35.0歳で、2回目平均AMH値は19.1pM、1回目からの経過月数は7.9ヵ月であった。

(以下1回目値、2回目値、経過月数)


年齢別変化では以下の通りであった。

~25歳:48.5pM、33.7pM、6.8ヵ月、

26~30歳:39.2pM、38.7pM、8.8か月、

31~35歳:33.1pM、22.0pM、8.5か月、

36~40歳:22.0pM、14.9pM、7.5ヵ月、

41~45歳:10.2pM、7.0pM、7.0ヵ月、

46歳~ : 4.4pM、1.2pM、6.3ヵ月


AMH数値別変化では以下の通りであった。

10.0pM以下 :3.9pM、4.5pM、6.8ヵ月、

10.1~50.0pM :25.7pM、23.0pM、8.6ヵ月、

50.1~100.0pM :67.1pM、58.4pM、9.2ヵ月、

100.1pM以上 :141.3pM、84.8pM、8.6ヵ月


全症例から1回目値より2回目値で明らかな低下がみられ、1ヶ月あたりの減少は-1.1pM/月であった。


更に年齢別では、若いほど減少幅は大きく、年齢を重ねるに従って減少幅は小さくなる傾向が見られ、AMH値別変化では、数値の低い場合には減少幅は小さく、数値の高いほど減少幅は大きくなる傾向が見られた。


考察

同一症例においてもAMH値は時間的変化、つまり加齢により減少すると言える。また年齢別、AMH数値別それぞれの数値毎に変化の傾向があると言える。

このことより不妊治療の早期にAMH値を知る事は治療内容の選択、ステップアップ時期の決定等、今後の不妊治療計画の参考になる事が示唆された。


この結果から言える事として

AHMの時間的変化を示している貴重なデータと言えます。

特に月1.1ずつ減少していく事が示されておりかなり具体的なデータです。

また、若い人やAMHが高い人は減少幅が大きくなる事、逆に年齢が高くなると減少幅が小さくなる事も興味深いデータです。

考察でも述べられてるように、早くAMHを知ることで、今後の治療の選択(ステップアップ)に生かしていく事が最も大切だと言えると思います。

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