以前一度クラミジア感染症について 説明しました。

今回はクラミジア感染症についての検査、診断、治療について少し詳しく説明します。


頻度

女性側の不妊の原因の3割は卵管因子 です。そのうちの60~70%はクラミジア感染症が原因となっています。残りは子宮内膜症が原因です。


クラミジアが感染する経路

クラミジアが子宮頚管の細胞へ感染して子宮頚管炎をおこし、その後子宮内膜に感染して子宮内膜炎となり、その後それが卵管へと上行性に広がり卵管炎から卵管不妊につながります。さらに進行すると骨盤腹膜炎になったり肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)や卵巣炎を引き起こします。

クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis, CT)とは

主に目と性器に感染するクラミジアの1種です。

ウイルスよりも少し大きいもので、直径約300nmの球形です。細胞内でのみ増殖できる細胞偏性寄生性細菌です。


検査方法:

抗原検査と抗体検査の2通りがあります。細菌やウイルスが体内へ侵入すると抗体を作ります。つまりクラミジアの抗体があるという事は過去に感染した既往がある事を示しています。現在感染しているかどうかは抗体検査ではわからない事があるので実際の抗原検査を行います。

不妊症の診断においては抗体検査の方が過去の事までわかるのでより有用と言えます。現在感染していなくても過去に感染の既往があれば癒着が出来ている可能性が高いという事です。


①抗原検査

内診して子宮頚管の粘液を採取して検査します。これが陽性の場合は現在クラミジアに感染している事を示します。抗原検査法として蛍光抗体法、免疫学的検査法、遺伝子診断法の3通りがあります。


②抗体検査

検査はIgAとIgG、2種類の抗体を測定し、感染している可能性を判定しています。検査結果から以下の様に考えてよいと思います。

IgA(-) IgG(-) クラミジア感染の心配はありません。

IgA(+) IgG(-) クラミジアにごく最近感染した可能性があります。

IgA(-) IgG(+) 過去にクラミジアに感染した事があります。

IgA(+) IgG(+) クラミジアに感染した既往があります。


治療

①ジスロマック:1日1000mgを1回で内服

②クラリス、クラリシッド:1日200mg×2 7日間

以上で完治します。1日で治癒するジスロマックが簡便だと思います。

パートナーにも同時に投与します。治癒されるまで性交は控えます。

AD

コメント(5)