ついにトランプ米大統領が、TPPから「永久に離脱する」とした大統領令に署名した。それでも安倍首相は24日の参院本会議で、トランプに「腰を据え理解を求めていく」と表明。この期に及んで、まだ粘る安倍首相はどうかしているが、今国会でこれから審議される来年度予算に、TPP関連予算を提出している役所の理屈もムチャクチャだ。

 安倍政権はTPP交渉が大筋合意した2015年10月以降、すでに合計1兆1906億円もの対策費を使っている。協定発効前の大金投入は前例がないが、来年度も「総合的なTPP関連政策大綱を実現するための予算」として1594億円を計上している。

 トランプの大統領署名は「永久」離脱だ。TPPは完全に破綻しているのに、これから関連予算審議とはどう考えてもおかしい。役所はこの予算を引っ込めるべきじゃないか。

「地域リソースの結集・ブランド化」という名目で、TPP予算最大の1000億円を計上した内閣府の言い分はこうだ。

「TPPで国際競争が激化する中、ブランド力は重要。都市や大企業に比べて、知名度がなく力不足の地方を支援する施策です。もっとも、TPPが発効しなくても、海外進出のための地方の強化は必要なこと。減額はしません」(地方創生事務局)

■ムチャクチャな理屈で開き直り

「食の安全・安心」に31億円を計上した厚労省も開き直った。

「TPPによって海外からの輸入食品が増加することに対応した、検査体制強化です。これまでもやってきたことなので、TPP発効いかんは関係ありません」(国際食品室)

 他の省庁も異口同音に「政策として必要な経費」だと強弁。TPPを大義に予算を取り、使う段になると無関係だと言い張る。まさに、詐欺的である。TPPに詳しいアジア太平洋資料センターの内田聖子氏はこう言う。
 
 「役所は予算が取れれば何でもいいのです。米国の離脱の可能性が高まり、TPPの発効が困難になった秋以降、役所はTPP関連予算について、『発効がなくても必要な政策だ』と言うようになっていました」

 一方、TPP対策予算で最大の恩恵にあずかってきた農水省は来年度、予算の計上はゼロ。トランプ当選を前に昨年10月、ちゃっかり補正予算で3453億円を獲得済みだからだ。TPP未発効なら、これもムダ金になるのではないか。

「農業をより強くする“体質強化”は、TPPがあろうがなかろうが必要なことです。(発効しなかった場合でも)ムダだったという議論をするつもりはありません」(農水省官房予算課)

 どこもかしこもホント、厚顔甚だしい。
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