♰十六夜日記♰

高校の出来事・あと小説書いてますw


テーマ:
コンコン
ノックをしてみるが、返事はない。
いつもはノックをすれば全速力で鍵を開けにくるのだが。
やはり危険な状態だ。
念動力で鍵をこじ開け、部屋に入る。
名前を呼ぼうとしたが、今になってあの子の名前を知らないことに気がついた。
薄暗くどんよりとした廊下を突き進むと、つきあたりにあの子の部屋がる。
「どこだ?帰ってきたぞ!」
すると、押し入れからかすかな呻き声が聞こえた。
立て付けの悪い押し入れの扉を開けると、あの子がいた。
充血して真っ赤になった目の下に毒々しい程のクマを浮かべた男の子は、まるで死神に取り憑かれたようだった。
「.....あ........お.....兄.....さん」
「大丈夫か!?遅くなってすまん!約束の時間に遅れて悪かった。もう安心しろ!」
「.......おかえり....」
男の子はほんの少しにこりと笑うと、意識をなくしたようにまた目を瞑った。
「くっ....そぉっ...」
自分の中で悔しさが爆発し、泪がでた。
俺はその悔しさをこらえ、男の子を強く抱き締めた。
男の子の体は、驚くほど軽く、そして冷たかった。


次の日
「そうだ。面白いものもってきたんだった。」
「面白いもの?」
お兄さんはポケットから薄いカードの束を取り出した。
「これは、タロットて言うんだ。」
「たろっと?」
「そう。昔の人たちは、このタロットを使って自分の未来を占うんだ。朝のニュース占いと違って、今日1日だけを占うんじゃない。自分のこれからの未来を占うんだ。どうだ?引いてみるか?」
「え~。でも嫌なカードが当たったらやだよ。」
「大丈夫。悪いカードにはアドバイス....励ましの言葉も書かれてるからそれに従えばいい。」
お兄さんはとても滑らかな手つきでシャッフルを始めた。
「これから引くカードが良いカードでも悪いカードでも、これからの長い未来を絶対に助けてくれるハズだ.......」
さっ、選べと。お兄さんは伏せた3枚のカードを並べた。
「じゃあ....これ!」
僕は1枚のカードを指差すと、お兄さんはそのカードをめくり絵柄を確認した。
「っ.......!」
「どんなカード?どんなカード?」
「お!おお!おいおいこれは凄いぞ!よかったな!この絵柄は一番ラッキーなカードだぞ!」
「わぁ!本当?」
「21番、the world。このカードを引いた人はとにかくいっぱいいいことが起こるんだ。」
「わあ!嬉しいなぁ。じゃあよく眠れるかな?」
「あぁ!もちろん!」
「じゃあ、外で遊んでもいい?」
「.......イヤ!外で遊ぶのは辞めといた方がいいぞ!」
「なんで?」
「ほら...the worldのカードは自分の世界で良いことが起きるという意味のカードだ。お前にとっての自分の世界ってのは、この家の中かもしれないぞ」
「ふぅ~ん...分かったよ。じゃあ大人しく家にいるよ。」
「タロットはちゃんとよく読まないと、効果が発揮されないからな。」
「タロットって難しいな.....」









実は男の子が引いたカードは21番the world ではなく、13番death つまり死神であった。俺はバレないようにそっと死神カードを、あらかじめポケットにしまっておいたthe worldのカードとすり替えておいた。元々彼を元気付けるためにやったタロットだ。何を引こうが最終的にはthe worldを引いたことにして、あの子を元気付けてやる作戦だった。

death 死神。
死の予兆を意味するカードだ。
絶対にあの子には見せてはいけない。
なんとしても、あの子を守らなければ。
人を救い、人を守る。
それが俺たち天使の使命だ。
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