青い空と そこここに舞う 花の弁
いま生ける 美しきものを すべてあつめて
理(ことわり)を知る者が 造り上げたかのよう
何もない宙(そら)さえも ほら 息をのむほどに
ときも 思わず立ち止まる この世界
完全なものに 何かを足すことに ためらいがない
自然の在り方の 美しきこと
そして ひとつの風を以て 季節(とき)を進める
そのすがたの 潔き(いさぎよき)こと
その花の散る中を 僕たちは ゆく
花の弁を 踏みしめ
髪に 肩に 季節(とき)をのせて
瞳に全てを 映すことは出来ないゆえ
ゆく道を違えて(たがえて)
迷ったり 傷ついたりも するけれど
季節(とき)は また めぐる
幾度(いくたび)も 繰り返し
選びなおす 機会(とき)を あたえてくれる
だから 降りしきる花なら 払うことなく
だけど 身を濡らす雨を 従えてまで 進むことはない
やさしさと そこに在りがたき ことは
ひとつの風が わかつほどの 近くにあるから
すこし 踏み出す そのつま先を
あの風へ 向けるだけでいい
そして 真摯(しんし)に繰り返すなら いつか たどりつく
あなた ひとりではなく
手をたずさえた 同じ思いを抱く 誰かと
僕たちも また 美しき 理(ことわり)を いずれ知る ものだから