報道倫理を著しく逸脱した古賀茂明氏のイスラム国報道における言説(2) | 西陣に住んでます

報道倫理を著しく逸脱した古賀茂明氏のイスラム国報道における言説(2)

キャスト


[報道倫理を著しく逸脱した古賀茂明氏のイスラム国報道における言説(1)]

ここでもう一度、今回の古賀氏のテレビ朝日「報道ステーション」における言説を整理してみたいと思います。安倍首相に対する古賀氏の批判のポイントは次の2つです。


(1)安倍首相が中東においてISILを刺激するような発言をして

  人質を危険にさらしたということ。
(2)安倍首相が有志連合に入って軍事行動をしたいと考えているいること。


これらのポイントが真実であるという証拠があるのであれば、ジャーナリズムが首相を批判することは至極公正な行為であると言えます。しかしながら、証拠がないにもかかわらず、憶測で首相を批判しているのであれば、それは明らかに不公正な行為であると言えます。


さて、実際にどうであったかということですが、まず、(1)については、東京大学の池内恵氏の論理的な検証によって、ISILがNHKワールドの映像を使って動画を作成した段階で、日本政府の施策が非軍事の人道支援であることを明確に把握していたという事実が判明しました。つまり、日本の人道支援を理由にして、ISILは日本を十字軍であると認定したわけです。もちろん人道支援がISILを刺激したと考えることもできます。ただし、[前記事]でも示したように、古賀氏自身も人道支援をどんどん行うよう提案していたことから、人道支援発言は古賀氏の言うところの「刺激するような発言」の範疇からは除外すべきであると言えます。ちなみに、パレスチナ・イスラエル・エジプト・ヨルダン・トルコを含めた中東諸国の多くが積極的に安倍首相をの支援策を支持していることからも、人道支援は、倫理上まったく問題はないと思います。以上から、古賀氏が(1)のような理由から安倍首相を批判していたことは、事実に基づかない憶測であったことがわかります。


次に(2)については、安倍首相が「有志連合に入って軍事行動をしたい」などと発言した記録はありません。この場合、安倍首相が「有志連合に入って軍事行動をしたい」と思っていることを知るためには、安倍首相の心の中を覗くことが必要になりますが、超能力でも持っていない限り、もちろんそれは不可能と言えます。むしろ安倍首相は逆に今後の日本政府の軍事支援を明確に否定していますし、警察活動自体も無理であるとの解釈を発表しています。それにもかかわらず、古賀氏は安倍首相の心の中を確信的に語っています。このような不条理な憶測が堂々と公共の電波にのって主張されているわけです。


さて、以上の2点で古賀氏は明らかに憶測による主張によってジャーナリズムに反する行為を行っています。これは、明らかに民放連の放送基準に違反する行為です。そればかりでなく、今回のように刑事事件が進行中で、しかも犯人グループが世論を見据えながら交渉してくるようなケースにおいて、証拠がないにもかかわらず日本政府を憶測で批判して世論を分断する行為は、犯人グループのオプションを広げる一方で日本政府の交渉のオプションは狭めることになる反社会的行為であり、結果的に人質の安全を脅かした可能性すらあります。



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このような事実関係がある中で、古賀氏は関西ローカルABC朝日放送の情報番組「キャスト」において、「報道ステーション」で主張した自分の言説を2回にわたって堂々と繰り返し、安倍首相に対する批判をさらに強めました。まず最初の放送での発言は次の通りです。



メモ2015/01/27 ABC朝日放送「キャスト」
「イスラム国」邦人拘束 解放は? 複数交渉の可能性 苦悩続く



男の子ABCキャスター


古賀さんは今考えていることをどうお考えになって、今後の展開というのを含めてですね。どうお感じになっているでしょうか?


男の子古賀茂明氏


(1-1)もちろん、テロって言うのは世界中誰も許していないんですね。イスラム教の人たちだって、このイスラム国のテロを許していない。それで今政府は一生懸命やっているので、後藤さんが早く帰ってきてほしいという、これは世界中の人が共有しているんですけれども、やっぱりこれ今、我々は、日本っていうのはどういう国だったんだろうなと。日本人の平和に対する考え方はどういう考え方だったんだろうなっていうのを考えさせられる段階にきているなっていうふうに思いますね。


男の子ABCキャスター


といいますと?


男の子古賀茂明氏


はい。アメリカとかイギリスというのは、いろんなところで戦争をしているわけですけれども、(1-2)安倍さんが中東に行って発したメッセージというのは、日本というのもアメリカやイギリスのような国と同じなんだと。で、有志国連合が空爆とかいろいろやってるんですれど、われわれもその一員なんだっていうことを強調するような発言を、あえてエジプトやヨルダンでやったんですね。それは、何かって言うと、実際にやることは人道支援なんですね。人道的観点でやるんです。別に戦争とか、政治的目的でやっているわけではないはずなのに、それを(1-3)人道支援ということをわざわざ言わないで、これはイスラム国と闘う周辺諸国のための支援ですよという表現をしちゃったんですね。本当は人道支援なのにいかにも軍事支援のようなことを言って、それは(1-4)安倍さんにはちゃんとした目的があって、私たちはアメリカやイギリスと同じような考え方で、世界でいろんなことを武力で解決しようと、そういう国なんですよという宣伝に使ってしまったといううふうに思うんですよ。


男の子女の子三船美佳氏他、番組組出演者


(1-5)え~(ネガティヴな反応)


男の子古賀茂明氏


それはやっぱりね。日本国憲法の考え方とまったく違う考え方なので、もう一回そこは違いますよということを私は日本人としては発信していかなくちゃいけないなというふうに思ったんですね。ですから私たちは(1-6)後藤さんというのはそういうことを否定する考え方で、戦争なんていくらやったって本当に犠牲者ばかりで女性とか子供とか弱い人が犠牲になるんだと、そういうことを取材して世界中に伝える。我々も伝えてくれるということをやってくれていたわけですけれども、むしろそれが我々日本人の従来の考え方だし、日本の憲法の考え方だと思うんですよ。


女の子三船美佳氏


(1-7)そうですね。


男の子古賀茂明氏


だから、私は後藤さんと同じですよ。で、安倍さんが言ってることはちょっと違いますよということを世界に理解してもらわないといけないんじゃないかなと。


男の子ABCキャスター


その日本人っていうのはむしろ、I am Kenjiって今カードもっていろいろと写真とっている方のそういう意味なわけですね。


男の子古賀茂明氏


そうです。I am Kenjiっていうのは、私が健二っていうのではなくて、後藤健二さんと同じ考え方を共有していますよっていうことを象徴的な言葉としてI am Kenjiと言ってます。私は今度はそれだけじゃなくて、安倍さんがいろいろ発信しているけれども、(1-8)私は安倍さんと違いますよと、"I am not Abe"というのをセットで発信する必要があるんじゃないかなと思いますね。


男の子ABCキャスター


後藤さんのような考えを持っているんだということを、もっとみんなで発信して、世界が理解し、(1-9)イスラム国の皆さんも理解して解放につながるということにはなりますか?


男の子古賀茂明氏


そんな単純ではないんですけど、やっぱりイスラム国も世界に対して自分たちを宣伝したいんですね。(1-10)ただの野蛮人だっていうふうに思われていいとまでは思っていないと思うんですよ。ですから湯川さんは非常に残念なことになっていますが、後藤さんはイスラム諸国の中でも後藤さんを信じて応援していた人もたくさんいて、それが今ネットでもかなり拡散しているので、そうすると(1-11)イスラム国から見れば、後藤さんをただ殺すって言うのはあんまり得にはならないかもしれないぞという配慮が働くかと思うんですよね。


男の子ABCキャスター


はい。そういった考えも含めて、是非しっかりした方針点をしてもらいたいというふうに思います。



(1-1) 「イスラム教の人たちだって、このイスラム国のテロを許していない。」というのは当たり前のことですが、この「だって」という表現は、まるでイスラム教の人達がイスラム国のテロを許容する素地が存在するかのような言い回しで、イスラム教徒に対して大変失礼であると言えます。実は私にはスンニー派イスラム教徒の外国人の友達が何人かいて、この事件発生後に3人と会話しましたが、いずれも明らかにイスラム教徒以外の人達よりも強くISILのことを批判しています。これは一般のイスラム教徒こそがISILの大きな風評被害者であるということを示しています。古賀氏の発言はまさにナイーヴであると言えます。


(1-2) 安倍首相の中東での発言のどこを見ても「アメリカとイギリスのような国と同じなんだ」という言葉がないのはもちろんのこと、そのように解釈ができる箇所はありません。もし、国語の文章読解問題でこんな答えを書いたら、間違いなく誤答であると判定されるはずです。発言してもいないことを安倍首相が発言したかのように話し、そのことをもって安倍首相を批判するのは、「ストローマン論法(the straw man)」という悪質な詭弁の手法です。


(1-3) 安倍首相が実際には人道支援であると言っているにもかかわらず、言っていないと話して批判するのはストローマン論法のヴァリエーションであると言えます。明らかに異常な虚偽報道であると言えます。


(1-4) これも恐ろしいストローマン論法です。安倍首相が「世界でいろんなことを武力で解決しよう」と言っているというのはBPOで審議すべき内容であると考えます。


(1-5) このような古賀氏の明らかに不合理な言説に対して無批判に同調する番組出演者の常識も同時に疑われるべきであると思います。このように同調することによって「バンドワゴン効果(Bandwagon)」が生じ、視聴者が扇動されてしまう可能性があります。非常に危険な放送であると言えます。


(1-6) 古賀氏は、視聴者の心配の対象である後藤氏を利用して自論を展開しています。ここでも何の証拠もないにもかかわらず、安倍首相と後藤氏は考え方が異なると断定しています。極めて卑劣な行為であると言えます。


(1-7) 古賀氏の言説を盲信していると思われる芸能人の出演者が強く古賀氏に同調しました。マルチ商法の説明会会場で最初に騙されて、他の説明会参加者が騙されるプロセスにも貢献しちゃう迷惑な人のような感じです(笑)。詭弁を使う人間はこのような騙されやすい人物を標的にしがちであると言えます。


(1-8) 「スローガン(slogan)」「扇動者(propagandist)」の常套手段と言えます。一部のデモなどがそうですが、扇動者はこのようなスローガンを参加者に繰り返し唱えさせることによってを思考停止状態に陥れ、マインドコントロールします。私たちがすべきことは、スローガンを唱えてなんとなく悪と闘っているかのように錯覚することではなく、言説の真偽を論理的に判断して正当な世論の形成に貢献すること、あるいは不当な世論の形成に与しないことです。スローガンのシュプレヒールコールで論敵を暴力的に説き伏せようとするなどまったくミーニングレスな不合理の骨頂と言えます。


(1-9) 残忍卑劣なテロリスト集団のISILに対して「イスラム国の皆さん」という呼称で公共の電波を使って発信するのは、極めて非常識であると言えます。このようなマスメディアには心底絶望してしまいます。


(1-10) 非軍事の人道支援を掲げる安倍首相に対しては一貫して性悪説を適用する古賀氏ですが、極悪非道のテロリスト集団であるISILに対しては一貫して性善説をを適用しています。


(1-11) 極悪非道のテロリスト集団のISILに対して、事実を曲げてまで悪人に祭り上げた安倍首相を批判することで、許しを請う姿勢を見せるよう日本人に呼びかけた古賀氏ですが、結果的に古賀氏の見立ては見事に外れたと言えます。



そして、この放送から一週間後、後藤氏の殺害が確認された後で、今度は自らの発言について、弁解を始めると同時に、上から目線で首相への誹謗中傷を繰り返しました。



メモ2015/02/03 ASAHI朝日放送「キャスト」
「イスラム国」対応の波紋 日本の今後 古賀氏の提言



男の子ABCサブキャスター


先月23日、古賀さんの発言なんですが、日本は今、「I am not Abe」というプラカードを掲げる必要があると発言されまして、これが大変反響を呼んだんだと・・・


男の子古賀茂明氏


そうですね、(2-1)もう右翼の人中心にものすごい数の批判をいただきまして、「次はお前だ」だとかね、いろいろ言われました。後藤さん亡くなった後にね。官邸からテレビ局にもクレームが来て大騒ぎになったり。でも一方で「よく言ってくれた」と。「がんばれ」って声もものすごくたくさんいただいております。


男の子ABCサブキャスター


なるほど。今回この古賀さんの発言の真意を問うのと同時に政府の対応がどうだったのかというのを解説していただこうと思うのですが。まず問題となったのは、このエジプトでの発言ですよね。ただ、ポイントとなるのは、古賀さん、この前の段階にあるんだというふうにおっしゃるんですね。


男の子古賀茂明氏


そうですね。もう11月から12月にかけて、誘拐されているとわかっていたし、身代金要求が来てるってことも知ってたわけですよ。こういうことは役人だったからよくわかるんですけれども、瞬時に官邸まで伝えられます。そんなもの持ってて後で遅かったってことになったらものすごく怒られちゃうんで役人はすぐ上げるんです。それからアメリカにも全部連絡は行ってたはずです。で、そういうみんなが知っていた中で行くとなると、普通に考えると、外務省は「ちょっと危ないんじゃないんですか」というはずなんです。で、確かに言ったらしいんですけれども、これに対して官邸は「いいんだ」と、「行くんだ」という判断をされたんですね。で、こういう発言をされた。で、気を使って弱気の発言をするのはよくないって話がさっき出ていましたけども、(2-2)弱気の発言とかそういうことよりも普段よりも強く言っているんですよ。むしろ。人道支援っていうのは、本当は軍事目的じゃない、政治目的じゃない、経済目的じゃない、本当にかわいそうな人だから助けるんですよ。(2-3)敵、味方なんかないんですよっていうことを強調してやるのが人道支援なんですね。それをまったく逆の言い方をして、いかにもイスラム国と戦うためにやるんだというふうに言っちゃったというのが、非常に特徴的なんですけれども。


男の子ABCサブキャスター


古賀さん、そうするとですね、事前に把握してて、外務省の制止を抑えて行ったならば、この段階で何か別の救出策なりなんなりというのがあったかもしれないということなんですか?


男の子古賀茂明氏


そうですね。(2-4)当然身代金要求は、最初の段階では2億ドルなんて桁違いに大きな金額じゃなくて、まぁ10億とか20億とかですね。そういう現実的な金額だったっと言われているんですけれども、それが後藤さんの奥さんのところにメールで来て、やりとりをしてたんですね。ですからルートがあったんですよ。


男の子ABCキャスター


それは当然のことながら外務省もわかっている。官邸もわかっていると。


男の子古賀茂明氏


官邸にはもちろん一々上がって、相談もされていると思うんですけれども、さっき官房長官はっきり否定していましたけれども、交渉する気は全くなかったと。


男の子ABCサブキャスター


となれば、そう交渉せず、何が一番総理はしたかったのか?ということになりますね。


男の子古賀茂明氏


そうですね。(2-5)結局、アメリカを見てるんですよ。主に。ですから後藤さんの命ということよりも中東に行ってイスラム国に対してこんなに人質取られて大変な状況の中でも「自分たちは負けずに戦うんですよ」と。「イスラム国と戦う姿勢を示すんだ」と。そして、有志国連合の一番下にくっついて行くんじゃなくて、アメリカやイギリスと並ぶかそれに次ぐような有力メンバーとして認めてもらいたかった。


男の子ABCキャスター


古賀さん、ただね。おそらく、僕もそうですし、美佳さんもそうでしょ。イスラム国がやったこと、日本人を拘束して殺害したであろう、これも許されることじゃないですよね。


男の子古賀茂明氏


そうですね。で、もちろん人質になっちゃったのは別に安倍さんの責任じゃないんですよね。それから殺されたのも安倍さんの責任だというのはちょっと言い過ぎだと思います。ですけど、(2-6)じゃあ安倍さんは何をやりたかったのかと言うと、やっぱり後藤さんの命とかそういうことよりも、この有志国連合でアメリカやイギリスに「お前は仲間だ」と認めてもらいたかったというのが大きいと思いますね。


男の子ABCキャスター


と思わざるをえないようなということなんですかね。


男の子ABCサブキャスター


で、ですね。(2-7)人質事件が起こった後の安倍総理の発言をまた見るのですが、1月25日の段階で言っているのは、「このように海外で邦人が危害に遭った時に、自衛隊が救出できるための法整備をしっかりするんだ」ということだったり、「罪を償わせるために」ということも発言しています。で、こういったことを、安倍さん、強気の発言を続けているという傾向がありますね。


男の子古賀茂明氏


そうですね。(2-8)私非常に心配なんですけれども、自然な感情として、イスラム国憎らしいという憎悪の感情が出てきます。それからいつやられるかもしれないっていう恐怖の気持ちも出てきますけども、この二つが合わさって、しかもそれを政府が煽るような形になっていますが、その先に必ず歴史上は、虐殺だとか、戦争に入って行くんですね。で、普通は、自分がやられて自分がやり返すのは仕方ないですけど、もうこういう状況になると、やられるかもしれないから、先にやっておこうというような、やられないのにいじめる人を殺したら普通は殺人ですよ。その殺人が「いやいや同胞を守るための正義なんだ」っていう非常におかしな精神状態になるんですね。


女の子三船美佳氏


(2-9)一番良くないですよね。それは。


男の子古賀茂明氏


で、それは、日本国憲法とは全く逆なんですよ。要するに日本国憲法というのは、「自分が攻撃されない限り、絶対に武力で人を攻撃したりしませんよ。みんなで仲良くして、そういうネットワーク広げていくことが、日本を守るんですよ」っていうのが平和主義なんですね。で、(2-10)それはよく考えてみると、後藤健二さんがやっていることなんですよ。戦争しているところでも、けっしてどっちかにつくんじゃなくて、「どっちの犠牲者であっても等しく自分たちは寄り添いますよ」と。で、「仲良くしましょうね。」それによって後藤さんのことを世界中の人達が賛美、応援してくれるというふうな国に日本はなりたいので、だからそういう意味では、「私たちは後藤さんと同じですよ」ということが大事だし、それから「安倍さんがちょっと違う方向に行ってるんじゃないんですか?」と。「力でとにかく正義を実現するんだ」と、「俺達が相手を叩きのめしてやる」と、これは日本国憲法とまったく逆方向に行っているので。


女の子三船美佳氏


そう、平和こそ一番強いと思うんですけどね。私はそう信じたい。


男の子ABCキャスター


あと、古賀さん、本当に僕しつこいですけど、イスラム国がやったことを絶対に許せないんですよ。もう絶対に許せない。ただ、だからと言ってお互いにいわゆるその憎悪の叩きあいをやってほしいと多くの日本人は思っているとは僕思えないので、だったら今一番やらなきゃいけないことは何なんですかね?


男の子古賀茂明氏


まず、引いて後藤健二さんの気持ち、それを自分たちの気持ちです。そして(2-11)「安倍さんが言っているような「世界に出て行って軍事力を行使するんです」っていうのは日本の姿じゃありません」よということを世界中に発信しないと、(2-12)今、逆のイメージがどんどん広がっています。日本の平和ブランドがなくなって、「日本というのはアメリカやイギリスと同じなんだ」と、「そういう国んなんですよ」という宣伝を何か自らしているようなところがあるんですね。ていうか、それがしたいのかもしれないんですけれども、だったら「我々はそうじゃない」と。ですから"I am not Abe"いうプラカードが必要だという。単純に何か安倍さんを批判するという話じゃなくて、私たち日本人の生き方を示していく必要があるということだと思いますね。


男の子ABCキャスター


はい。ありがとうございました。




(2-1) 古賀氏は、右翼の人中心に批判され、官邸からテレビ局にもクレームが来たと述べています。ここで、注目すべきことは、批判されたという行為のみを述べ、その批判の内容についてまったく言及していない点です。これは「井戸に毒を入れる論法(Poisoning the well)」である可能性があります。この発言によって、視聴者に、あたかも古賀氏が右翼や国家権力による言論弾圧を受けているような印象を持たせている可能性があります。また、通常、右翼を名乗って批判するはずがなく、古賀氏に対する批判者を右翼であるかのような「レッテル貼り(labeling)」も同時に行っている可能性があります。言論は誰が行っているかで評価されるものではなく、言論の合理性で評価されるものです。そのような中で、右翼と首相官邸から批判を受けたことのみを言及するのは、ジャーナリズムの精神に依存するアンフェアな行為であるといえます。

(2-2) 普段よりきつく言っているというのは古賀氏の主観であるといえます。具体的な比較例を示すべきです。


(2-3) 人道支援に敵味方などないはずです。ただし、人道支援が必要となる原因を作っているISILに支援金を拠出するなどということが極めて不合理であることは自明です。難民を受け入れることによって「ISILのテロリズムと闘う周辺諸国」にという制約条件をつけるのは、国民の税金を使う代表者としては、至極当然の発言であるといえます。

(2-4) 古賀氏は、テロリストととのルートがあれば、身代金を支払うことを前提にして話しています。もし身代金を日本が支払えば、海外に在住あるいは渡航している日本人の生命を危険にさらすことになるのは自明です。極めて無責任に政府を批判する言説に対して強く抗議します。

(2-5) ここでも証拠がない憶測で政府を批判しています。もしもこのような言説を許容していたら、日本は不合理なイジメが蔓延るとんでもない国に変貌していく可能性があります。公共の福祉を著しく損なう言説に対して強く抗議します。

(2-6) キャスターによる「イスラム国がやったことも許されることじゃないですよね?」という質問に対して、古賀氏はあいまいに答えながら、いつのまにか「安倍さんは何をやりたかったのか?」という質問にすり替えています。これは「質問のすり替え(Rephrasing the question)」という「回答回避(Evasion)」のテクニックです。そして、その自らすり替えた質問に自ら答えることで安倍首相を攻撃しているのは、もはや常軌を逸しています。根拠ない憶測で確信的に他人を批判するのは、ヘイトスピーチと本質的に変わりありません。このような発言を垂れ流しするABCテレビの姿勢に強く抗議します。

(2-7) サブキャスターが、まるで言いつけ魔のように、先生に理不尽な進言をして、先生に怒ってもらうような集団いじめの形態とよく類似しています。まさに言論の暴力と言えるかと思います。

(2-8) 古賀氏は、政府が「武力攻撃に参加することはない」と明言しているにもかかわらず、「日本がイスラム国に先に戦争を仕掛けて殺人を犯すのは歴史の常である」と言っています。ここまで来ると、完全に常軌を逸した発言であるといえるかと思います。


(2-9) このような古賀氏の常軌を逸した明らかな扇動に真剣に賛同する人物がいるというのもビックリです(笑)。


(2-10) 後藤氏を偶像化して利用することで自論を展開しています。扇動家が多用するテクニックです。


(2-11) 不当な言説であっても「繰り返し(repetition)」用いると、騙される人が出てきます。これも扇動者が多様するテクニックです。


(2-12) 安倍首相の中東における演説、特にエジプトでの演説は、基本的に各国から高く評価されています。それに対して「逆のイメージがどんどん広がっています」という情報にはまったく行き着きませんし、もしそんな言説があるとすれば、古賀氏をはじめとする一部の日本人が世界に発信している根も葉もない憶測に基づく言説のみです。



以上のように一つ一つ検証すれば、古賀氏の言説が、証拠に基づくことのない憶測によって不当に安倍首相を貶めるものであると言えます。これは「言論」と呼べるものではなく、表現の自由にあぐらをかいた単なる誹謗中傷と言えるものです。そんな単なる誹謗中傷の言説を繰り返して公共の福祉を損ねている古賀氏が、表現の自由が侵害されているとして、他者とともに共同声明を発表しました。


メモマスメディアに広がる政権批判「自粛」の空気に抵抗する

~言論人たちが声明 [リンク]


古賀茂明さん(元経産官僚)


「現在のようなマスコミを中心にした自粛は、いまに始まったことではない。私は官僚を辞めて以降、いままでもたびたび、いろいろな圧力や迫害を感じたことがある。経産省を辞めて、東京電力の破たん処理というのを、おそらく日本で一番早く唱えたが、それ以降は、(3-1)動物の死体を玄関に置かれるなどの嫌がらせを受けた。それに対して、警察が『気をつけてください』とアドバイスをしにきたりした。
今回は、私が『報道ステーション』で『I am not Abe.』と言ったのがいけなかったと思う人がいるようで、数日前に、神奈川県警から二人の巡査部長がきて、『古賀さん、危ないから、警備を強化させていただきます』と言われた。『どんなささいなことでもいいから、おかしいと思うことがあれば、すぐに電話をしてくれ』と。
そういう意味で、私はいろいろなことを敏感に感じているが、いまは相当に危機的な状況に立っていると思っている。昨年12月2日にツイートした内容だが、『報道の自由』が失われていくのには3段階があると考えている。
第1のホップは、『報道の自由への抑圧』。第2のステップは、『報道機関自身がみずからが体制に迎合』。第3のジャンプは、『選挙による独裁政権の誕生』。そして、(3-2)いまは、ステップの段階まで来ている。
第1段階では、政権の側から圧力や懐柔をかけてくる。たとえば、放送局に放送後、官邸から『あの放送はなんだったのか』と電話がかかってくる。そういうときに対応するのは、記者としてはめんどくさくて、仕事にならない。そういうことが続くと、『ちょっと自粛しておこう』ということになり、第2段階に進んでいく。そして、政権がなにか言わなくても、報道機関みずからが体制に迎合したり、自粛するようになる。
いまはそういう状況と言えるが、そうなると、(3-3)国民に正しい情報が行き渡らなくなる。(3-4)どんなに賢明な国民でも、日々の正しい情報を得られなければ、間違った判断をしてしまうことは、十分にありうる。そして、最後の段階。選挙という最も民主的な手続きで独裁政権が生まれるというパラドックスが生じることになる。
このように、いまはステップの段階に来ていると思うが、その一方で、非常にうれしく思っているのは、こういう中でも、大手の新聞社やテレビ局の中に『名前を出してくれ』という人がいること。いまも問い合わせを寄せてきている人がいる。(3-5)逆にいえば、そこまで、危機に感じているということだ



(3-1) 古賀氏に対して脅迫するような行為があったとしたら、それは社会が排除すべき蛮行であると言えます。法治国家である日本において、暴力で人の行動をコントロールすることは絶対にあってはなりません。ただ、古賀氏が脅迫されたと言っていることと、古賀氏の言説の評価とはまったく別のことです。古賀氏の言説が批判を受けているのは、古賀氏の言説が憶測で他人を貶める極めてオソマツなものであるからであって、言論弾圧であると考えていたら、思いあがりであると考えます。なお、圧力や迫害などという言葉を用いて異論を封殺すると同時に、被害者意識を前面に出して他者を攻撃するのは、カルトの常套手段でもあります。

(3-2) 古賀氏が発する公共の福祉を破壊するような言説が堂々と放送されている現状を見ると、報道機関自身が体制に迎合している段階まで来ているとは到底思えません(笑)。むしろ報道機関が、古賀氏のような公共の福祉を破壊するようなグループに操られていると考える方が合理的であると思います。


(3-3) 正しくない情報を国民に提供しているのは、むしろ古賀氏です。


(3-4) 「賢明な国民」というのは、国民の自尊心を刺激する「おせじ論証(Appeal to flattery)」です。これも扇動者が多用するテクニックです。


(3-5) 危機を感じていると結論付けるのは典型的な「性急な一般化(Hasety generalization)」です。同調してきた人達が、勘違いしていたり、マインドコントロールされていたり、他の利益を追及していたり、つきあいで行動していたりする可能性もごく普通に考えられます。何でも自論に都合のよいように解釈する古賀氏は、ジャーナリズムに関わるべきではない人物であると言えます。



さて、ISILは機関誌ダビク(Dabiq)の6号を発刊して安倍首相を猛烈に批判しました。



メモイスラム国機関誌 ダビク(Dabiq)6号


安倍晋三が軽率にも十字軍への支援を誓う前には、日本はイスラム国の攻撃目標のリストに入っていなかったが、愚かな安倍晋三によって、今ではすべての日本国民が、どこにいようとイスラム国の戦士と支援者の攻撃目標となってしまっている。今、日本は複雑な窮地に追い込まれている。どうしたらこの脅しから逃れることができるのか?無謀にも危険にさらしてしまった国民を守るため安倍晋三はイスラム国に歩み寄ることができるのか?イスラム国に敵対して忌わしく賢くない支援発表をしてしまった安倍晋三が、イスラム国に対する戦争の支援をやめるという勇気ある発表をできるか?非常に疑わしいといえる。


荒唐無稽なISILの主張が、荒唐無稽な古賀氏の主張と本質的にほぼ一致していることがわかるかと思います。この一致の解釈として、二通りの解釈を行うことができます。


まず、一つは、古賀氏がISILの考え方を事前に見事に言い当てたという解釈です。そして、もう一つは、日本のテレビ番組をチェックしていると言われるISILが日本の代表的なニュースショウである「報道ステーション」における古賀氏の荒唐無稽な首相批判に興味をもって、これを利用しているということです。


このどちらかが合理的であるかは、賢明な日本の皆さんの良識に委ねたいと思います(笑)