甦ったウィーアーザワールド
(Quick Time Playerのスクリーンショット)
2010年2月12日、
25 for Haitiという最高のアーティスト達が結成したバンドが
1985年にUSA for Africaがパフォームしたあの"We Are The World"の
リメイク版をリリースしました!
→[オフィシャルサイト]
1月に地震被害にあったハイチ救援のチャリティーが目的で
収益金はハイチの復興に寄付されるそうです。
USA for Africaがアフリカの飢餓救援のチャリティー目的で
We Are The Worldをレコーディングしたのは
ちょうど25年前の1985年1月28日でしたが、
今回のレコーディングは、2010年2月1日のグラミー賞授賞式の直後に
ロサンジェルスのスタジオで行われたということです。
曲は[iTunes Store]で購入できます。
価格はiTunes Store(日本サイト)で、
音楽ファイル(6:56)が150円、動画ファイル(13:54)が300円です。
私は米国サイトのアカウントをもっているのでそちらで購入しました。
音楽ファイルが$1.29、動画ファイルが$1.99で
アルバム価格(音楽ファイル+動画ファイル)が$2.99です。
動画ファイルは、パフォーマンスが2度繰り返されています。
1度目は、アーティストが演奏しているヴィデオが流れ、
2度目は、映画のエンディングロールのように
製作スタッフのテキストが流れます。
さて、
実際に今回のパフォーマンスを聴いてみての素直な感想ですが、
25年前のUSA for Africaにどっぷりつかっている私(笑)には
1回目を聴いたときかなり違和感がありました。
ただ、2回目を聞いたときその違和感は単なる違和感で
今回も恐ろしく凄いセッションだと強く思いました!
前作もそうでしたが、この作品、
野球のオールスター戦のピッチャーみたいに
超一流のアーティストたちが、それぞれホントに短いフレーズで
そのオリジナリティーあふれる魅力を最大限に見せてくれます。
ここで、その内容を1985年版と対比しながら見て行きたいと思います。
次の映像は、1985年版と2010年版のyoutube動画です。
まずは早速、25 for Haitiの動画を聴いていただくのが
よろしいかと思います。
そしてできれば、テキスト部分をクリックしていただいて、
別ウィンドに開いてから以下を読んでいただければ嬉しいです。
[1985年版]←クリック
[2010年版]←クリック
まず、前半部分を見てみると、
1985年版と2010年版ではアーティストに次のような対応関係があります。
ここで、それぞれのセクションを細かく見て行きたいと思います。
There comes a time
When we head a certain call
1985年版ではライオネル・リッチーで始まったヴァースのトップは
なんと15歳の新星、ジャスティン・ビーバーちゃんがやってます。
ちょっと役不足ですが(笑)、フレッシュな感じがします。
When the world must come together as one
There are people dying
1985年版ではスティーヴィー・ワンダーが早速からんできましたが、
2010年版では、最高のルックスのニコール・シャージンガーと
最高の実力派のジェニファー・ハドソンがハモります。
このあたりまでは、前作に比べるとやや小ぶりに感じます。
And it's time to lend a hand to life
The greatest gift of all
1985年版ではポール・サイモンがさらりと歌いましたが、
2010年版では、カントリーのジェニファー・ネトルズ姉さんが
コテコテにしつこく歌います(笑)。
ケニー・ロジャースやウィーリー・ネルソンに代わる
カントリーの代表ですね。
We can't go on pretending day by day
1985年版では、ケニー・ロジャースがワイルドに歌い上げましたが、
2010年版では、最高の好青年!のジョシュ・グローバン君が
暖か~く歌います。
ジョシュ君ったらホントにいいところで出てきますね~!
That someone, somehow will soon make a change
1985年版では、ジェイムス・イングラムが抑えていい味出しましたが、
2010年版では、
25年前でもジェイムス・イングラムよりも年上(笑)の大御所!
「想い出のサンフランシスコ」のトニー・ベネットが
ヒューイ・ルイスのような握りこぶしで歌ってます。
We are all a part of
God's great big family
And the truth, you know love is all we need
1985年版では、ワイルドすぎちゃう(笑)ティナ・ターナー姐さんが
ハスキーに凍りつくような自分の世界を出しましたが、
2010年版では、パフォーマンスの存在感では全然負けていない超実力派の
メアリー・J. ブライジが正統な歌唱で美しく歌ってます。
なお、1985年版ではこのセクションにビリー・ジョエルが
いつものオリジナル歌唱で絡んできましたが、
今回はトニー・ブラクストンがその一部をハモってるだけのようです。
We are the world
We are the children
We are the ones who make a brighter day
So let's start giving
1985年版では、ポケットに手を入れたマイケル・ジャクソンが
リズムをとりながらクリーンに歌いますが、
2010年版でもそのクリップが再使用されています。
作曲者の一人としてリスペクトした結果でしょう。
マイケルの妹でマイケルと同一人物説(笑)もあったジャネットが
マルチスクリーンに登場してコラボします。
(スクリーンショット 上:1985年版、下:2010年版)
There's a choice we're making
We're saving our own lives
It's true we'll make a better day
Just you and me
1985年版では、ダイアナ・ロスがマイケルに負けずに
透き通った声でパフォームしましたが、
2010年版では、バーブラ・ストライサンド!が
眼鏡をかけて上品に歌ってくれちゃってます。
ビバリーヒルズ青春白書のアンドレア・ザッカーマンと
いよいよクリソツですね(笑)。
それと1985年版のボブ・ディランのソロのフレーズを
一部(better dayってとこ)使ってます。嬉しいですね!
Send them your heart
So they'll know that someone cares
1985年版では、ディオンヌ・ワーウィックが
シャウト入れながら曲の途中の基点となりましたが、
2010年版では、17歳の美しい実力派、マイリー・サイラスちゃんが
めちゃくちゃ気合入れて歌ってます。
今回のテイクのベストパフォーマンスの一つではないでしょうか。
So there cries for help
Will not be in vein
We can't let them suffer
No we cannot turn away
1985年版では、ウィリー・ネルソンがほのぼのと歌ってましたが、
2010年版では、フリオの息子でイスパニアの貴公子、
エンリケ・イグレシアスが抜群のバランス感覚(笑)で抑えて歌ってます。
そんな中マイリー・サイラスちゃんが再び気合入れて応酬します
なお、このセクションと次のセクションは歌詞が1985版と変わります。
Right now they need a helping hand
1985年版では、アル・ジャロウが「ビートというのはこういうもんだ~」
みたいに正確に歌唱してつなぎましたが、
2010年版では、レイ・チャールズの伝記映画でレイ・チャールズを演じた
ジェイミー・フォックスがグルーブに歌い上げてます。
Nou se mond la
We are the Children
1985年版では、我らがボス、ブルース・スプリングスティーンが
「待ってました」とばかりに薄目開けながら(笑)ロックしちゃいましたが、
2010年版では、ハイチ出身アメリカ人のワイクリフ・ジョンが
鬼気迫る怪演をしています(笑)。
やはりご当地アーティストとしては気持ちが入っているんでしょうね。
We are the ones who make a brighter day
So lets start giving
1985年版では、ケニー・ロギンスがコンテンポラリーなビートで
めちゃくちゃ素敵に歌いましたが、
2010年版では、マルーン5のヴォーカリストのアダム・レヴィーンが
それほど濃くないスティーヴィー・ワンダー(笑)のような歌唱で
つないでます。
There's a choice we're making
We're saving our own lives
1985年版では、スティーヴ・ペリー!がめちゃくちゃストレートアヘッドに
芯の通った声を聴かせてくれちゃいましたが、
2010年版では、ブロンドまぶしく、
デヴィッド・ボウイとユーリーズミックスに通じるピンクが
やっぱりストレートアヘッドにパフォームしてます。
It's true we'll make a better day
Just you and me
1985年版では、ダリル・ホールが感情こめこめで歌ってくれちゃいましたが、
2010年版では、ビービー・ワイナンズがソウルこめこめで歌ってくれちゃいます。
80年代のブラコンに通じるところがありますね~!
二人とも最高にうまいです。
When you're down and out
There seems no hope at all
1985年版でマイケル・ジャクソンが歌ったこのセクションは、
本来は、レコーディング会場までたどり着けなかった
プリンスが歌う予定だったようです。
そんなマイケルのテイクがここでも再利用されています。
マイケルが出てくると引き締まりますね!
But if you just believe
There's no way we can fall
1985年版では、男の中の男~(笑)!のヒューイ・ルイスが
握りこぶしでシャウトしましたが、
2010年版では、アッシャー・レイモンド4世が淡々と仕事してます。
Exileのヴォーカルの人に通じるとこありますね(笑)。
Well, well, well, well, let us realize
That a change can only come
When we
1985年版では、シンディー・ローパーが壊れながら歌いましたが(笑)、
2010年版では、なんとセリーヌ・デュオンが
涙もんの最高のプレイを魅せてくれます。
そしてセリーヌ・デュオンの目の前で
悦に入ってしまっているライオネル・リッチーがたまりませんね(笑)。
なお、1985年版でキム・カーンズ姉さんがハスキーにイッパツ決めた
"When we"ってとこもセリーヌ・デュオンが兼任していま~す。
This Is Itでマイケルのギタリストとして出て来た
あのオリアンティちゃんがこのパートでギター引いてます。
Stand together as one
1985年版では、ヒューイ・ルイスとキム・カーンズとシンディー・ローパーが
コラボして最高に盛り上がりましたが、
2010年版では、ファーギーがぶっ飛んだカッコでちゃんと歌ってます(笑)。
バックで盛り上げるセリーヌ・デュオンは、
カッコはちゃんとしてますが、歌唱ではぶっ飛んじゃってます(笑)。
さて、これ以降は1985版と同じようにリフレインのリピートです!
1985年版と2010年版ではアーティストに次のような対応関係があります。
ここでもそれぞれのセクションを見て行きたいと思います。
Repeat 1
1985年版では、1回目のリフは全体コーラスでしたが、
2010年版では、ニコール・シャージンガーと
マイリー・サイラスちゃんの元カレのニック・ジョナスと
男子のような(笑)トニー・ブラクストンのソロが入ります。
Repeat 2
1985年版では、ボブ・ディランが
素朴なフォークの語りの真髄を魅せてくれますが、
2010年版では、熱唱するメアリー・メアリーと
いきなり飛び込んできたトニーベネットと
リズムを刻むアイザック・スレイドと
変わらず男子のようなトニー・ブラクストンと
熱帯を感じさせてくれるリル・ウェイン
がコラボします。
サンタナがなぜかミキシングルームみたいなとこで
ギター弾きまくってくれてるますが、ホントに泣きます!
Repeat 3
1985年版では、引き続きボブ・ディランが
ちょっとだけ聴かせてくれますが、、
2010年版では、ピンクとメアリー・メアリーと
リル・ウェインと兄弟のようなエイコンが
しっかり聴かせてくれます。
Repeat 4
1985年版では、レイ・チャールズの
"Alright, let me hear you!"ってお言葉から始まって
最高のR&Bを聴かせてくれましたが、
2010年版では、ファーギーの
"Come on, let me hear you!"ってお言葉から始まります。
T-ペイン(プレデター入ってますね・・・笑)の
人間離れした金属的な歌唱が一段落すると
レイ・チャールズのような歌声が聞こえてきます。
誰かと思ったら映画でレイ・チャールズ役をやった
ジェイミー・フォックスでした~
めちゃくちゃ納得です(笑)。いい味出してますね!
この人ホントにナイスガイです。
Rap Segment
1985年版では、Repeat 5&6で
ブルース・スプリングスティーンとスティーヴィーワンダーが
めちゃくちゃ盛り上がるソロのバトルを繰り返しますが、
2010年版では、圧巻のラップセッションが繰り広げられます。
正確なリズムでのユニゾンは涙が出るくらい素晴らしいです。
これは80年代にはなかった音楽です。
メンバーはカットによって若干入れ替わりますが、
LL・クール・J、ワイクリフ・ジョン、スウィズ・ビーツ、
スヌープ・ドッグ、ジェイミー・フォックス、
バスタ・ライムス、ウィル・アイ・アムの皆さんです。
メッセージの内容がまたたまりません。
今回のセッションの最大のトピックスの一つだと思いま~す。
Repeat 5
1985年版では、全体コーラスのRepeat 7にあたると思います。
2010年版では、ラップセグメントの後にブレイクが入り、
ワイクリフ・ジョンが大声で何か叫びます。
私には「ガンバレや~」に聞こえました。
もしかして関西人(笑)?
そしてジェニファー・ハドソンが「待ってました」とばかりに
誰もまねできないような凄まじい歌唱を魅せてくれます。
今回のセッションのクライマックス!って感じです。
このあとピンク(声だけですが多分)が叫び
メアリー・メアリーが続いた後、カニエ・ウェストが細かく刻みます。
Repeat 6
1985年版では、全体コーラスのRepeat 8にあたると思います。
ジェイムス・イングラムで盛り上がった後に
レイ・チャールズがグルーヴしました。
2010年版では、ワイクリフ・ジョンが叫び
ウィル・アイ・アムとカニエ・ウェストが締めのメッセージを
淡々と語ります。
Repeat 7
1985年版では、全体コーラスのRepeat 9にあたると思います。
ファンキーなレイ・チャールズのソロが続き、
感動のままフェードアウトします。
2010年版では、バックの器楽演奏が止まったアカペラ状態の中、
メアリー・メアリーが最後にハモり、
ワイクリフ・ジョンがハイチ・ハイチを連呼して終わります。
(スクリーンショット)
というわけで、長くなりましたが、
魅力いっぱいのこのセッション、目頭が熱くなり、
ホントに感動しました~!!!
製作総指揮のクインシー・ジョーンズとライオネル・リッチー、
エキストラを含む参加アーティストそして制作スタッフには
心から感謝の拍手を送りたいです。