一瞬で読める源氏物語No.48 早蕨 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.48 早蕨

源氏物語


No.48 早蕨(さわらび)  薫25歳春の物語


春になり、大君の死でドン底にいる中君阿闍梨から山菜が届けられました。同じくドン底にいるは、匂宮が中君を京都の二条院に引き取ることを聞きますが、今さらながら中君を匂宮に譲ったことを後悔します。薫に引越しの準備をしてもらった中君は、出家して宇治に残るというに山荘を託して京都に向かいます。二条院では匂宮が直々に中君を迎えます。さて、娘の六君を匂宮に嫁がせることになっていた夕霧は、中君が上京とのニュースに複雑です。こうなったら薫に六君をもらってくれないかたずねますが、拒否られます。また、匂宮は、引っ越しが一段落した後も二条院の中君にしばしば会いに来る薫に対して、下心があるのではないかとちょっとだけ疑います。ここに匂宮=中君=薫をとりまく新たな三角関係が生まれました。



補足:結果的に、(1)薫が匂宮に中君の部屋に手引きしなければ、(2)薫が最初から中君と結婚していれば、(3)薫が八宮が外出してるすきに垣間見などしなければ、そして(4)薫が最初から宇治通いなどしなければ、こんな悲劇は生まれませんでした。でもそんなタラレバを言っていたら、(5)八宮がおかしな遺言を残さなければ、(6)八宮が死ななければ、(7)八宮が薫が垣間見などしないよう外出しなければ、こんな悲劇は生まれなかったでしょうし、そもそも(8)右大臣家が八宮を権力闘争の陰謀に利用しなければ、八宮が宇治に来ることはなく、こんな悲劇は生まれませんでした。そして、元をたどれば、(9)光源氏が女遊びなどして都を追われるようなことがなければ、右大臣家は八宮を権力闘争の陰謀に利用しようなどと思わなかったでしょうから、みんなハッピーだったかもしれません(笑)。いずれにしても運命というものは偶然の連続によって生まれますね~。


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