朝日新聞・原真人氏のリーマンショック級の自己矛盾-英国EU離脱で安倍批判のブーメラン | マスメディア報道のメソドロジー

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朝日新聞・原真人氏



この週末、イギリスのEU離脱で世界に不安が走りましたね。

日経平均は約8%下げてドル円も102円付近です。一方、世界各国に目を向けてみると、フランスが8%、ドイツが6.5%、イタリアが10%下げる中、NYダウと英FTSEの下げは3%です。[世界の株価と日経平均先物] http://nikkei225jp.com

今回の金融リスクの唯一の光明が、伊勢志摩サミットで議長の安倍首相が議題に上っていなかったこの問題を取り上げて、BREXIT発生時のG7協調を事前に確認している点です。リーマンショック発言が独り歩きして、世界のメディアや反対勢力の批判を受けた安倍首相ですが、その批判にもめげずに、しっかりと仕事をしていてくれたことは、ファイン・プレイと言えます。

そもそもこの動画[G7 warn on global Brexit risks]を観ればわかると思いますが、メルケルは「BREXITはここ(伊勢志摩サミット)での話題ではない」と発言していました。安倍首相は、当事者に危機意識がない中、インフォーマルなアジェンダとしてBREXITをサミットで議論したわけです。そして、幸運にも、この議論によって、BREXIT発生時のG7協調が確認されたわけです。

また、この動画[G7 to agree on 'go your own way' approach]を見ればわかると思いますが、実はこの前週に仙台で行われたG7蔵相会議において、経済政策はG7各国でバラバラに行う合意ができていました。安倍首相の判断はこの合意にも反したものでした。

なお、実は、この動画の見どころは1:25~1:32にあります。各国要人に陽気にバカ話をする麻生大臣(笑)、大笑いする日銀黒田総裁、そのちょっと離れたところで深刻そうに話しこむFRBイエレン議長とECBドラギ総裁、そして麻生大臣のバカ話に愛想笑いしながらも実はイエレン議長とドラギ総裁の会話の内容が気になって仕方がないIMFラガルドCEOという風景は、本当に気になります。

仙台における麻生大臣

イエレン・ドラギ・ラガルド

イエレン議長とドラギ総裁が話している内容は、BREXITのことなのか?、中国の不動産バブル崩壊のことなのか、あるいは・・・単なるバカ話か(笑)

冗談はさておき・・・

このときの安倍首相発言を批判したのが、朝日新聞・毎日新聞・テレビ朝日・TBSなどの日本の一部マスメディア、FT・BBC・WSJなどの経済系の海外マスメディア、これらの報道を鵜呑みにして何もわからずに興奮した日本の野党(特に民進党 笑)、そして英仏独の首脳です。

冷静に聞けばわかりますが、安倍首相はリーマンショックと似ていると言っているのではなく、リーマンショックのようなリスクが存在することの認識を共有すべきであるということです。世界経済にとって本当に重要なことは、大きなリスクをリスティングそれに対するカウンターメジャーズを事前に打ち合わせしておくことです。それに対して、マスメディアは、安倍首相の主張を「経済の現状がリーマンショックと類似しているか」という問題にすり替えて、そのことを批判しました。これはまったく意味がないことです。

そのような意味のない批判の代表的な例は、テレビ朝日「報道ステーション」における朝日新聞・原真人氏の言説です。

原氏は、サミットでの安倍首相のリーマンショック発言を曲解してトンチンカンとバカにしましたが、イギリスEU離脱で金融リスクが顕在化すると、今度は堅調と評価していたEUをコキおろしました(笑)。その問題点を検証した[動画]をアップしましたので、ぜひご覧ください。