2006-11-05 19:07:47

顧客フローの把握

テーマ:ブログ
最近のEDY-ANAやSUICA-JALの競争にも代表されるように、ポイントプログラムなどによる顧客の囲い込みの熱が一段と増してきている。昔であればポイントを付けるだけで顧客囲い込みになると考え、ポイント付与のみを行う企業も多かった。非常に短絡的ではあるが、それでも周りがあまりポイントプログラムを行っていなかったときには効果はあったのだろう。近年では、顧客側も自分のサイフは一杯であり、いまさら価値の無いカードでサイフを太らせるわけには行かない、企業側もどのように効果が出ているかわからないものにコストは費やせない、と言う至極当たり前な状況に行き着いている感じだ。
では、企業は何のためのコストと考えるべきか。私なら間違いなく無く顧客を知れるためのコストであると答える。今回はその一つである顧客の流れに関して記載する。

 まずは顧客の事を考える上で、アクティブ顧客と言う考えかたの前提をおきたい。例えば会員数100万人の組織があったとしても、100万人の会員が絶えず稼動している会員組織はまず無い。
 アクティブ顧客とは、簡単に言えば稼動している顧客。これは業界、企業によって設定するものだが、スーパーなどでは例えば3ヶ月や半年以内に購入した顧客をアクティブ顧客とするなど定義する。デパートなら1年とかであろうし、自動車なら7年や9年かもしれない。この辺は次回以降に書く予定であるRFM分析などの考え方にもつながる。
 さて、当たり前の事だが、顧客はそもそも無限にいるものではない。そして、その顧客は常に流入し、そして大多数が流出していく。そこに残った顧客が所謂固定客と言うものになっていく。結局はビジネスの成功の鍵は固定客を増加、維持していく事になるのだが、そのためには顧客の流入・流出の変動状況を正しく把握し、顧客の購買行動を見極め、打ちうる策を講じると言う事が必要になる。それが顧客の囲い込み、つまりは網の中に閉じ込めるための大前提になる。
(※ビジネスモデルにより異なるが、一般的には新規顧客獲得の方が固定客維持よりもコストがかかるため、通常は固定客維持を狙いとする企業が多いため、ここでもその方針を是として書き進めていく。一見客勝負で高利益を出している企業もあるが、そのような企業は顧客データの蓄積などは何の役にも立たないので、顧客戦略の違いと言う形で別の機会に記載したい)
 
 近年の経営では伝統的なBS、PLだけでなく、キャッシュフローを把握する事が当たり前担ってきているが、顧客に関してもこのフローを理解すると言う事が必要になってくる。
 昨年の顧客を100とした時に、今年は105になったとする。では、単純に5増えたと言えるのか?一般的なケースで言えば、60の新規流入、55の既存流出程度が起こっている。つまりはかなりの数の顧客に入れ替わりが発生する。この事すら把握できていない企業も多い。まずはどの程度の入れ替わりが起こっているかの把握が第一歩となる。
 ここで顧客フローを把握したが、キャッシュと顧客の一番の違いは何か?キャッシュは1円であれば、どんな時でも1円であり価値は一定である。しかし、顧客は同じ1人でも優良顧客とそうでない顧客の価値はその企業にとって異なる。月に10円しか買わない顧客10人より、月に100円買う顧客1人の方が価値がある事は自明であろう。よって、次に行なう事は顧客のレベルに基づいたフローを把握する事である。
 続いてはその企業にとって最適な顧客分類を行う。性別や年齢、職業などのデモグラ情報は一切無視して、単純に週間や月間での購買額に応じたセグメンテーションである。
 ここでは上位からゴールド、シルバー、ブロンドと命名する。例えば、購買額が月1万円以上をゴールド、5000円~9999円までをシルバー、4999円以下をブロンド、3ヶ月以上購買が行われなかったら流出とする。小売であれば15~25%がゴールドになるような金額設定が望ましい。
 ここでも一般論になるが、ゴールドが来期もゴールドで存在する確立は7~8割程度、シルバー、ブロンドにランクダウンするのは2割程度、残り数%程度が流出である。シルバーでは、ゴールドへのランクアップは2~3割程度、シルバーにステイは半分程度、ブロンズダウンは2から3割程度で残り数%程度が流出。
 売上げが大きく変動しない多くの企業では、ゴールドからのランクダウンと、シルバーからのランクアップがほぼ等しく、結果的に売上げが伸びていないケースが良く見られる。しかし、重力の影響から水が高いところから低いところに落ちるのと同じく、顧客のランクも高いところから低いところに落ちていく傾向にある。それを企業努力により顧客ランクが落ちてくる重力に逆らっていると考えてよい。「顧客第一主義」や「顧客の立場に立って・・・」等々各々の企業が施策を行ってでの結果であり、よって幸いな事に大きく売上げが下がっていないとも言える。
 では、多くの経営者が期待してしまう新規顧客はどうであろうか。これも一般論で言えば、新規顧客がゴールドになる確率は非常に低く(まあ、すごく良くてもせいぜい数%)、流出する確立は6割以上である。新規顧客がその企業の大きな収益源になるには時間を要するし、行き成りスーパースターにはならないのである。当たり前に感じるだろうが、暇があれば有価証券報告書や経営者の方針などに目を通してみると良い。新規顧客獲得により○○と述べている経営者も多い。

 さて、今回の結論になるが、まずはアクティブ顧客の増加を目指せである。実際に稼動している顧客数を増やす事に注力すべきで、出て行った顧客も含めて顧客数○○万人!と謳ったところで何の意味も無い。
 続いては顧客のランクアップである。ランクが高くなるほどランクダウンや流出は起こりにくいものである。ブロンド⇒シルバー⇒ゴールドへのランクアップが必須になる。
 言うは安し、行うは難し。であるが、そもそも、顧客フローを理解できていない企業が多い。では、まずはここまでたどり着く事をお勧めするか?それは微妙である。これだけのデータでも取得し、維持するためには膨大なコストがかかる。そして、努力をして分析を行ってやっとスタートラインに立つだけだ。ただし、せっかくポイントカードを出していて顧客データを蓄積している企業はまずはこのレベルの事を行なうことをお勧めする。
AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

kazu0110さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

コメント投稿

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。