先月気になるニュース報道があった。

「東京都足立区において、離乳食にハチミツを混ぜて与えたことによる、乳児ボツリヌス症の死亡事案が発生しました。

1歳未満の乳児に、ハチミツやハチミツ入りの離乳食・飲料・お菓子などを与えないようにしましょう。」

 

(厚生労働省)

蜂蜜を原因とする乳児ボツリヌス症による死亡事案について(事務連絡)[PDF]

http://mailmag.maff.go.jp/c?c=27240&m=118718&v=4d07b481

 

今回何よりも注目すべきは、30年以上発生していなかった蜂蜜による乳児死亡事故が発生したことである。従来「常識」と考えられていたことが理解されていない危険性を認識しなければならない。消費者はネットのレシピをみて与えたというが、その情報に疑いを持たなかったことが残念でならない。

 

消費者教育を少しかじった人間として、近年の消費者教育は、消費者と企業の情報の格差を指摘し、消費者保護を訴えるケースが多い。中には消費者はまったくの無知だと主張するかのような強引な意見もある。

 

本来はその中に消費者が自立する社会というものを創造していなければ真の消費者教育にはならない。

 

今回のケースも、そのレシピを公開していた企業に対するバッシングも見られたがまったくの本末転倒である。消費者自身が自分の目線で見極める力が衰えているだけなのである。

 

近年、某スーパーで「お店側が見極めた野菜をお届けしますから安心です」といったようなサービスを行っているが、自分が食べる野菜くらい自分の目利きで選ぶべき。このような行動を続けて続けていれば他人の情報が全て正しいという思考回路が生まれて当然だ。

 

消費者として自分の認識、判断が最後の砦であることを強く認識すべきだ。