「滅びの前のシャングリラ」凪良ゆう(中公文庫)
これ、天気が悪い日に読んだらダメなヤツ
と思いながら読んでました
(いや、なんか、怖くて・・)
本作は「1か月後に小惑星が衝突して地球は滅びる」
しかもハリウッド映画みたいに救世主が現れるわけでもなく
回避不能でNASAもアメリカ軍もどうしようもない(←他力本願w)
ということで、「地球滅亡は決定事項」という世界のお話
ストーリー自体は
そういう世界状況の中で
日本のある高校生とその家族と友人を中心に
最期の時をどう迎えるか、ということを追っているのですが
ワタシが怖いと思ったのは
「1か月」という猶予期間の微妙な長さと
その中で、あるときふっと緊張の糸が切れた、とでもいうように
社会が壊れていく、人間が壊れていく、そのシュールな光景
当たり前だと思っていた日常が
当たり前でなくなるのはこんなに簡単なことなのか、と
「1か月」って半端すぎて怖い
明日とか3日後とかなら、もう座して静かに待つべし、だし
たぶん、家に引きこもっていてもその日まであまり困ることもなさそう
もしかしたら知らないうちにその日が来てるかも・・
普段の生活なら「1か月」なんてあっという間に過ぎてしまうし
その間、どうやって生きていくかなんて考えたこともない
でも「残り1か月」って
その期間をどう過ごすのか、生きるのか
電気や水道なんかのインフラが途絶えたら?
手元の食糧が尽きたら?
もうすぐ死ぬんだから、もういいやって思うのかな?
頭がおかしくなった人に無差別に襲撃されたりしたら?、とか
そういうことを考えているうちに
じわじわ~と怖くて怖くてたまらなくなりました
残り1か月のサバイバルなんてワタシには到底無理
しかもその先に明るい平穏な未来はないわけで・・
それでも、主人公の高校生男子と同級生女子の行動力や
高校生男子の父と母の何が何でも子供を守るぞ!というたくましさは
壊れていく世界の中で、羨ましいほどに眩しい
残りの「1か月」を
恐怖にふるえながら過ごすのか
幸せな人生だったなあと思いながら過ごすのか
もしかして色々な意味でホッとする人もいるかもしれない
ワタシはどうだろう
なんともいえない中途半端な最期を迎えそうだなあ、と
(変に生き残ったりはしたくない=本音w)
変な感想になっちゃいました
たぶん、そういう話ではない(残り1か月のサバイバル怖い、とかw)と思います
ガザニア 明るい色が欲しくて植えてみました