手紙 | ルシアン・ヒルの上で

ルシアン・ヒルの上で

詩を書いています。
晴れときどき曇り。

真夜中のワンルーム 白い壁に
これからの日々描こうとして
夕方まで荷物の整理を手伝ってくれた
親の顔が思い浮かんでしまう
身近過ぎて気づかなかった大きさは
テレビの画面に収まりきらなくて
帰りたい なんて ひとりでも言えるものでなく
ほんとうの寂しさってこんなものなのかなって
明日に備えるよりこの場に慣れること
友がいる 携帯が鳴った


仕事の付き合いで

自宅に戻るのは決まって午前過ぎ
埃被ったコンパクトディスク
毎日聴いていたはずだった
仲間を連れて愚痴のような語らいは
狭い部屋ではあまりにも大き過ぎて
迷惑だなんて 感じないほどいつものことで
知らぬ間に眠りについては頭痛で目覚めてた
慣れすぎた日々 時間に追われ
日々痩せていたことすら気づかず



新しく出来た最寄のコンビニに
ふらりと立ち寄る帰り道
初めて手紙を書いてみようと
便箋と封筒を買ってみた
有り触れたことを書きたかったんじゃなく
これから始まるかも知れない暮らしのこと
彼女ができたこと これだけだったんだけど
出世することよりも喜んでくれるんじゃないかなって
整然と片付けられた部屋のテーブルの上には
ふたつ並んだマグカップがある


未来なんてわからないことばかりだけど

作っていけるものだと思えるようになって
共感しながら感謝しながら振り返りながら
砕かれた踏み潰し切れなかった口惜しさも
初めて知ったこの強い気持ちで
細い肩を抱きしめて誓った



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