Kay's World【高校教師と女子高生の甘い恋愛小説】

高校教師と女子高生の恋愛小説を書きつづっています。
あまり文章力がないですが
下手の横好きで書いています。
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テーマ:



「おっはよ~、美桜!!」



いつもの改札口を出たところで


後ろからポンっと肩を叩かれ、


私は後ろを振り向いた。


友達の 城崎 亜由美 だった。



そのいつもの黄色く大きめの声で


振り向かなくても亜由美だと


すぐにわかったけど。



彼女は走って私に追いついたらしく、


少し息が荒い。






「あ・・・おはよ。。」




私はちょっと立ち止まったけれど、すぐにまた歩を進めた。





朝のこの時間、駅は私の通っている高校の制服の色一色になる。


その中に時々ぽつぽつと違う色が混ざっていて、


多分サラリーマンだと思うけれど、


彼らは私たちに気を遣っているのか、体をすぼめるようにして


気ままに広がってダラダラと歩く高校生の間をすり抜けていく。





本来、気を使わなければならないのは私たちの方。



私たちの人数だけとってもその多さで迷惑をかけているのだから。




だから、せめて駅の中でたむろするとかしたくなかった。







でも私の友人はそういうことに構う感じじゃない。




亜由美は私が歩くのを遮るかのように


私の背後から突然横に飛び出し、そして前に回り込んできた。


亜由美のその不規則な動きに、


近くを通り過ぎようとしたサラリーマンが驚いて


飛び退くようによけたのが分かった。



「あ・・・すみません・・・!」



私はそのサラリーマンに気付きもしない亜由美に代わって


急いで小さく謝った。





「朝からテンション低っ。」




亜由美はホントにお構いなし。


私の謝る言葉に食い気味で


寧ろ私の様子を責めるようにそう言った。



しかもいたずらっぽく笑いながら


鼓膜が痛くなりそうな甲高い声で。




「亜由美がテンション高すぎるんだよ」



そうため息交じりに言いつつ、


改めて亜由美の丸いアニメ顔を見ると


いつも以上に睫毛が長く、


唇も艶々としている。





「ねぇ・・なんか、今日化粧濃くない?」





私がそう指摘すると



「え~。『カワイイ』って言ってよ?」



とうれしそうに返してきた。




いつもなら


「そうだね~、かわいーねー」


なんて、からかう様にいうのだろうけれど



今日は応える気になれなかった。



だって、さっきから亜由美のこの無神経さに


なんだか少しイライラしてしまっていたから。







「だってさぁ、今日、桧山の授業あるじゃんっ。」


そんな私を気持ちに気づいているのかいないのか・・・


亜由美は構わず続ける。

その「桧山」という名前を口にした亜由美の瞳は


先ほどに増して


キラキラと輝いた。





亜由美のテンションが上がれば上がるほど


私の気持ちは反比例しているみたいにさがってしまう。


うぅん。


テンションが下がるのは亜由美のせいだけじゃない。



多分、その「桧山」って名前を聞いたせいもあるかも…。



「そっか。今日は英語あるんだっけ。。」




亜由美の言うことに


英語担当の顔を思い出しつつ


そう適当に返しながら前に目をやると


校門が見えてきた。







駅から川のように流れる制服の色もそこで途切れ、


たくさんの生徒が校門に吸い込まれるようにして


構内に入っていく。



でも今日はいつもと何か様子が違った。



校門の前で生徒が少し立ち止まっては


中へはいっていく。


まるで川の流れが滞留しているみたい。


なに?あれ?




そう思った瞬間、


亜由美が



「キャーーーーーー!!!」



と叫びながら


私の両肩をつかんでガクガクと振った。






「なっ・・なによ?」




急に低血圧の頭を振られて、眩暈がした。




「今日の朝チェック、桧山だ~!!!」




亜由美はそういうなり


私の手をひっぱって



校門に向かって走り出した。




「ちょっ・・」




私はそんな亜由美に引きずられるようにして


彼女に着いていった。






校門はすぐに近づいてきて、そうしたら


滞留の原因が見えてきた。


校門の前に立つ、一人の教師。


その周りを結構な数の女子生徒がまとわりついている。



その教師はこの高校の教師の中で


ダントツイケメンと言われている


一番人気の、桧山先生、


ついさっき亜由美が名前を口にしたあの教師だった。




「せんせー、おはようございまーす!!」




亜由美は他の女の子を押しのけるようにして桧山に近づくと


黄色い声を更に高くしてそう言った。




「おっ、城崎、おはよう。


朝から元気いいなぁ。


宿題ちゃんとやってきたか?」


桧山のその声掛けに


亜由美はもうこれ以上ないくらい嬉しそうに




「やってきましたよぉ!!


でも、わかんないところがあったから


先生、今日の放課後、教えて!!」



とねだるように言った。


朝から本当に幸せそう・・・。


「わかったわかった。


でもまずは授業中にちゃんと説明聞いておけよ」



「はーい。。」



私は


亜由美の後ろに隠れるようにしながら


亜由美と桧山のその楽しそうな会話を聞いていた。


聞いていた、というか、亜由美の声が大きすぎて、


否が応でも聞こえてくる、と言った方が良いかも。



こんな会話、というか、この人との会話に


全然興味が湧かない。




そんな私の様子に桧山が気づいてか、


こちらをちらりと見た。



「ぉ・・おはようございます」




わたしは桧山と目が合ってしまい、


仕方なく小さめのあいさつをした。



「おはよう」




桧山は少し真顔になり、


亜由美と話していた時よりも


小さめの声で私にそう言うと


まるで意識的に、


すぐに私から目をそらして


後ろに群れる生徒に目をやったのがわかった。



そうして、



「おはよう」



と声色をさっきまでの明るい調子に戻した。




「・・・」

わたしは亜由美が一緒じゃなかったら、


こんな風にこの人の前で立ち止まったりなんてしない。



私はこの滞留の中の一人でいることにアホらしくなって

亜由美の耳元に




「先行くね」




と小さな声でつぶやくように告げ、


踵を返して一人教室へ向かった。



亜由美が私の声を聴きとってくれたかどうか分からないけれど。


とにかく亜由美は目の前の桧山に夢中で、


こちらが先に行くかどうかなんて


多分今の彼女にとってはどうでもいいことだろうって思った。







別にイケメンが嫌いなわけじゃない。


アウトサイダーみたいに「私はあなたたちとはちがうのよ」


なんて気取りたいわけでもない。



ただ、こういう風に


きゃぁきゃぁと群れるのが


苦手だった。



そして何より


私はなぜか桧山から嫌われているみたいだった。




挨拶をしたのにシカトされたなんてこと、


一度や二度じゃない。



あ、それから、いつだったか、


英語で分からないところがあって


質問しに言ったら


「忙しいから、ほかの英語担当に聞け」


なんて言われことだってある。



今日は挨拶してくれただけ、いつもよりマシだったけれど


本当はしたくなさそうな感じだった。


他の生徒の手前、「挨拶した」って感じ。



・・・


ちょっと待って??


私があいつに何をしたっていうの?


どうでもいいけれど、

教師のくせに生徒によって態度変えるなんて、


最低・・・。




朝からそう色々と思い巡らすうちに


腹立たしい気持ちがムクムクと湧き上がり


心の中で大きくなっていくのを感じて、


憂鬱になった。





その気持ちは


1時限目が始まると


自然と頭から消えていったけれど


でも、3時限目それはまた戻ってきた。




英語の時間だから。


あの桧山が来るから。




桧山は


クラスにそんなダークな気持ちを抱えた生徒がいるなんてこと


多分気づいてもいないと思う。



だって、彼はいつものあの薄っぺらいへらへら顔で教室に入ってきた。




こうなるともう、


桧山のどんなことにもいちいちイライラしてしまう。



この、だれでも受け入れますよ、みたいな善人顔が


女子生徒が近づくのを許しているのだ、と私は思った。




私は英語の授業中


終始、下を向いたり


窓の外の景色を見て、


やり過ごそうとした。



そうしているうちにやっと後15分ってところまで来た。




あともう少し・・・


早く終わらないかな




そんな事を考えていたその時、



後ろの席に座っている亜由美が


私の腕をおもむろにつついた。


眼だけで後ろを見ると


小さく手を伸ばして私に何か渡そうとしているのが分かった。



私は目立たないようにそっと手を背中にまわすと


亜由美は私の小さく開いた掌に何かをそっと置いた。


その掌の感覚で、それが小さい紙片だってことがわかった。




その時だった。






「そこ!」




その大きな声に驚いて


声がする方に反射的に目をやると同時に


亜由美がびくりとして


手をひっこめたのが背中でわかった。



教壇の上では


その声の主の桧山がちょっと怖い顔でこちらを見ている。







私はその紙片が載った手を背中でぎゅっと握りしめ、


さっと前に戻しながら、目は桧山の様子をうかがった。





「ちゃんと授業を聞きなさい」、


そう喝を入れる為の声掛けだけだろう、


このままさっきまでのいつもの授業に戻る、


そう思ったのに。



だけど、


桧山はわざわざ私の机の前までつかつかとやって来た。




そして


「九条、授業中に何してる??


手の中のものを渡しなさい」




と言った。



え・・・??


わたし・・・?



「ち・・・!」


違う!!わたしじゃない、


亜由美!




私はそう出かかった言葉を抑えた。



「違います、城崎さんが・・・」


なんて言って、友達の亜由美をやり玉にあげるのは気が引けたし


とにかく手紙のやり取りをしようとしていたのは


違いないわけだし。


それに、ごちゃごちゃ言って話を長引かせたくなかった。




とりあえず早くこの人に私の前から離れ


教壇に戻ってもらいたい。



私は一瞬躊躇したけれど、力を入れていた指先を解いた。


すると、私の掌には


亜由美らしいきゃぴきゃぴした色の


ピンク色のメモ用紙が小さく折りたたまれて、ちょこんと載っていた。




桧山は私の開いた掌に向かって手を伸ばし、


紙片を掴むと、


「授業中は授業に集中しなさい」


と少し低めの声で言った。




そしてその紙をスラックスのポケットに押し込み、


教壇に戻っていった。



なんか、最悪…。




私は恥ずかしさと腹立たしさで


その後の授業の内容があまり頭に入らなかった。


というか、この人の授業を聞きたくなかったのかもしれない。





しばらくすると


やっと授業の終わりを告げるチャイムがなり、


生徒たちがバタバタと教科書やノートを閉じる音で


私は重苦しい雰囲気から解放された。




そうして私は


桧山が教室を出て行くのを確認するなり、


後ろを振り向き、


亜由美をキッと睨みつけた。



「ごめん美桜!!!


マジでごめん!!!」




亜由美は、いかにも


謝る準備をしてました、みたいに、大げさに


半分冗談っぽく手を合わせて私に謝った。


そんな亜由美を見ながら


わたしは諦めたようにため息をついた。



まぁいいや・・。


どうせ私はもともと桧山に嫌われているし。





「もう・・・」




私が亜由美へか桧山への不満かわからないような感じで呟くと、



亜由美は


「マジでごめんね」


もう一度いたずらっぽく謝った。






____


その日、下校前の掃除の時間になって


私は箒を持って廊下に出た。

今日は教室の外の廊下の担当だったから。



掃除を早く終わらせたくて


さっさと掃いていたけれど


あともう少しってところで


さっきから曲げていた腰が


痛くて痛くて


私は手の動きを止めて


頭をあげ、小さく息を漏らして腰をのばした。



そうしたらその瞬間、


桧山が偶然廊下の角を曲がってきて、


私の視界に入ってきた。



なんでこう、


会いたくない人に


何度も会ってしまうんだろう。



桧山の目と私の目があった。




私は軽く会釈して


すぐに目をそらすつもりだった。




だけど・・・桧山はいつもとは違い、


すぐに慌てて私から目をそらすと


なにかたじろぐように少しだけ目を泳がせ、


その後焦ったように廊下の隅のほうに目をやって


足早に通り過ぎて行った。




廊下の隅を見たくて見たんじゃない。


私を見たくなかったから、


とりあえず廊下の隅を見たといった感じだった。





「なんなの?あれ?」






いつもは頭だけでいうセリフを


ついつぶやいてしまった。



だって、あの目の逸らし方、異様としか言いようがない。





わたし、何かした??


今日授業中に怒られたあれ??


でもそんなの他の子だって、


しょっちゅう・・・






あ・・・!!!



そこまで考えて、


私はあることを思い出した。



亜由美、


そう言えばあの紙に


何かやばいこと書いた??


で、桧山がそれを読んだって可能性があるか。





私は掃除用具を片づけ、


亜由美を探そうと


教室の扉に手をかけた。


そうしたらその瞬間、


向こう側から誰かが


私よりも少しだけ早くに扉を開けた。




続く


2009-09-01

2013-03-02


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稚拙な小説をお読みいただきありがとうございます。

ペタしていただけると一日はっぴーです。





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