高齢者施設で長年指導しています | ソプラノ歌手、ボイストレーナー川島ゆみの歌う毎日

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長いところでははや20年。

 
いくつかの高齢者施設で歌や合奏の指導をしてきましていまも続いています。
 
遠いところですと片道約100キロ。
毎週いきます。
 
 
いまのように音楽療法という名前がどこにも浸透していなかったころからですので、
もちろん、資格の試験も受けていなければ
高齢者専門の勉強もしていません。
 
ただ20年も休まずに繰り返してきたことだけが私のキャリアとメソッドになっています。
 
 
とある施設で、発表会があったときに私の生徒であるかたのお嬢さんが見に来られました。
お嬢さんといっても50歳くらいのキレイなかたです。
 
そして発表をみて、
 
ママがこんな素敵な会で素敵な先生と素晴らしい音楽をしていて本当に嬉しい。
川島先生のファンになったのでコンサートがあるときはわたしどこへでも聴きに行くわ❗️
 
と娘が言ってくれたんです。
と、私の生徒さんがそれは嬉しそうに興奮して言います。
 
とても嬉しいお話しなのですが、そのかたの喜びかたがちょっと普通ではない感じだな…
とは感じました。
 
 
つい最近その生徒さんがいろいろ話してくださいました。
 
30年前、25年も連れ添っていたご主人、
突然他の人の子供ができたからと離婚を申し立てられ1人で家を出たこと。
娘を連れて行きたかったけど、もとご主人は会社社長、自分が娘を連れてでても幸せにしてあげられないから、1人で家を出たそうです。
 
 
そして高齢となりいまの施設にご入居されてきました。
 
そこにほぼ30年ぶりに娘さんが見にきてくださり再会した。
そして先ほどの件になったというわけです。
 
 
 
 
 
6/30の上野のシャンソニエでのコンサートに、母娘お二人で来てくださることになりました。
 
30年ぶりに2人で出かけて、ホテルに泊まって語り明かすそうです。
 
30年ぶりなんです。
 
嬉しそうに、
ほんとうに嬉しそうに言って笑うその笑顔をみて、
涙がこぼれそうになりました。
 
 
思いもよらぬところで
自分が長年歌ってきたこと、
長年高齢者施設で指導を続けてきたことが二人を結ぶきっかけになり、感激と感謝で涙がこぼれます。
 
 
 
わたしもそのかたと同じような経験をしているのでなおのことです。
 
 
 
 
生活のためもあり地味な活動をやめずに積みかせねてきました。
いつも迷いの中にあり、
いつも葛藤の中にあります。
 
 
でも、
これで良かったのだと、
これからもこのままで良いのだなと、
またひとつ
心の中に大切な宝物をいただきました。
 
 
みんな幸せそうに見えても心の中に誰にも言えない秘密があって、苦しんでいるかたがこんなにもいるのだな。と野外演奏を始めるようになってから感じています。
 
 
歌が、そんな苦しみを和らげるものになれば、
わたしが歌う意味はそこにあって良いですか。
 
 
 
 
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