イヌシデ 春から秋、花から実までの大長編です | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

 気持ちのいい秋晴れが続きますね。超大型の台風はゆっくり北上しているようで、来週月、火が関東にやってくるようです。

さて、最初にイヌシデをご紹介したのは春まだ浅い3月。芽吹いたばかりのときでした。

4月27日
この木は太極拳広場のすぐそばにあるので、毎日のように眺めているのですが、なにしろ大木なので、葉や花の細かい変化は見えないんです。
だから落ちてくるもので知ることになります。木の下に毛虫のようなものがたくさん落ちています。ちょうどサクラも散る時期で、離れた場所から飛んできたようです。


根元にもたくさん落ちています。これはイヌシデの雄花です。


6月13日
初夏、若葉が茂ってきました。


イヌシデの樹肌は特徴的ですから、一度覚えたら忘れません。こんな縞模様です。


下のほうの枝は、ようやく望遠レンズで見えるのですが、これが果穂と呼ばれる実のつく部分です。


この形が神社に飾る四手(しで)に似ているのが名前の由来です。和紙を畳んで切って作る、あれです。


9月26日
一挙に季節は秋に。3か月が経過しました。
また落ちてきたもので分かりました。あの緑だった果穂がうっすら茶色になって落ちています。


見上げると、果穂がみ~んな茶色に色づいています。


もう葉っぱもこんなに落ちています。


黄色に染まるんですね。


10月11日
そして今日、太極拳広場の足下には、こんな形のばらばらになった果穂が飛んできました。


裏返すと基部には種がついています! ちゃんと種を下にして落ちるんですね。たぶん発芽しやすいように!


何千という種が風に運ばれ、そのうちの、ほんのわずかが発芽するのでしょう。
その奇跡的な一粒が、やがて大きな木になるのでしょうか。イヌシデの根元には、小さな赤ちゃんシデが、母樹に守られるかのようにして芽生えていました。