下駄/足駄 あるある…3

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2016.8.17


・・・前回(下駄/足駄あるある…1同…2 )の続き・・・


⑧下駄は雨の日に強い。というか最初から裸足であるから濡れることが全く気にならない。しかし泥は撥ねる、足駄ではなおさらだ。ひかがみ(膕)あたりまでならまだしも背中まで撥ねることも稀でない。尚、当然だが泥炭上の道はご法度だ。歯が抜けず歩けたものではない。



⑨寒さ冷たさを別にすると、冬でも履けないことはない。もちろんグリップ力はないので氷上では滑る。稀に下駄歯に金具を補強する場合もあるが、僕は邪道だと思っている。まず何より床が傷ついてしまう。また、水分を含んだ積雪時には要注意だ。前歯と後歯の間に圧雪がたまり山になる、いわゆる「風大左衛門」状態となり難渋する。冬に履くなら「一本歯」だ、といわれるのは、この現象が起きないからであろう。



⑩この一本歯下駄、慣れると普通の二本歯より歩きやすいという。見たことのない方のほうが多いだろう。身近(?)な例では「天狗が履いている下駄」である。歩く姿は颯爽としており、自分も当時わずかに憧れたが、どこにも売っておらず(見つけなれない)断念した。しかし、この一本歯には欠点も多い。まず、歩きやすい反面止まりにくい。つまり自転車のようなもので、「気をつけ」の姿勢や自然本体では安定せず、常に右または左自然体の姿勢が求められる。また高下駄だが足駄と違って歯が厚く、替歯でないため歯が減ったら買い替えを要する、など。



・・・つづく

 


尾形 文智


岩手県 盛岡市 川久保病院




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2016.8.6


7月に参院選が終わり、産経・読売を中心として一般紙の見出しは「与党大勝、改選過半数・・・改憲派2/3超す」というもの。一方別紙では「野党共闘11選挙区で勝利」。これは一見矛盾する主張だが、結果を過大評価も過小評価(侮ること)をせず選挙結果を通じて情勢をつかむ必要がある。

以下、選挙直後(7.15)にあった渡辺 治氏(一橋大学教授)の講演から多数引用しながら述べてみたい。


安倍政権への期待がしぼんで野党が伸びたのではない



16年参院選は3年半に及ぶ安倍政治の悪政にもかかわらず「安倍政権だけはいやだ、これは倒さねば」という、07年参院選や09年衆院選のようなうねりを作りきれない下での選挙であった。そして、安倍自民党は改選過半数を獲得し得票率・得票数共に伸ばし改憲勢力2/3の議席を獲得した。しかし、戦争法廃止・立憲主義回復を柱とする野党共闘が統一して選挙を闘うという戦後政治史の中での歴史的選挙でもあり、その結果1人区で11勝し、安倍自民の「大勝」を阻止し、改憲を阻む原動力を作った。・・・上記の二つの側面は「両方正しい」のだ。

この間どの世論調査を見ても3年半の間安倍政権の支持率は安定している、過去25年間で最安定していたのは小泉政権だが、これに匹敵する安倍政権の支持率である。では今回野党共闘は大敗だったのかといえば、そうではない。安倍政権は前進したが、野党共闘も前進した。安倍政権への期待がしぼんで野党が伸びたのではない。


安部政権の狙い

①戦争法の信任と発動の体制作り・・・ところが戦争法に対する激しい反対運動が起こっていた…選挙前に発動できなかった。②戦争法で露わになった解釈改憲の限界…発動への憲法の壁、発動後も憲法の壁…憲法9条本命の改憲への焦りと苛立ちがある(改憲なしでは何事も思うように進まない現実がある)。今、南スーダンに自衛隊を送ったら必ず死者が出る。そうなれば必ず全国で多数の違憲訴訟が起こる(原発訴訟以上) 、おそらく下級審では違憲判決が幾つか出るだろう。また国会での論議の際には必ず野党共闘が起こり、同じような紛糾した論議となるだろう。万一戦争状態となった時には、61年間戦争していない自衛隊では、必ず敵前逃亡や命令不服従が起こるだろう。それを厳しく処罰する軍法もない…やはり9条を突破するしかないという決意 ③アベノミクスの再建。これまで、まずは新自由主義改革で傷んだ社会を補修しながら改革をやってきた。しかし消費増税で経済は減速…アベノミクス手詰まりと財界の不満、選挙で勝って新自由主義の本丸へ切り込みたい…「道半ば」の本質・本音は「グローバル企業競争力を強化するアベノミクス本番」へエンジンを更に吹かしたい。


自民党の勝利について


今回の参院選、自民党・安部政権は比例の得票率・得票数ともに過去4回の選挙で最高、14年衆院選の退潮を巻き返した。その勝利の要因:①「仕方のない支持」。構造改革で破壊された地方経済は、「アベノミクス第2の矢」である財政出動に依存し期待するしかない状況だ。これが地域の自民党支配網を維持・再建した。1人区21勝をもたらし、比例での自民党票を増加させた。(07年参院選では6勝23敗であった)自民党比例得票率全国平均(35.9%)を上回るのは33県で、すべて人口減少県である。そして40%を上回るのは19県と盛り返した。(・・・小泉構造改革前には30県あり、その後どんどん減って2010年にはゼロとなっていた)。逆に大都市部では「第13の矢」への期待が大きかった。高所得である大企業の正規従業員層での得票が増えており、東京では自民党の支持を増やし続けている。一方、大阪は維新の会ができる前から自民党の支持は低下し続けている。大阪は常に沖縄と47位を争っている。グローバル企業の本丸があるか否か?最もアベノミクスの恩恵を受けていないのは沖縄と大阪という対比が見える。…ところが地方では「第2の矢」の受取手が実質不在となっており、大手企業建設会社がそれを受け取る構図であり、真の地域活性化になっていない。②安部政権に代わる政治の受け皿が用意できなかった。野党共闘により組織はできたが対抗構想はまだまだ不十分。安倍政治の二本柱(軍事大国化と新自由主義改革)に代わる政治像が出せなかった。

それなのに自民党が大勝できなかったのは何故か?過去三回の自民勝利の最大要因は小選挙区効果であった。対抗する民主党だけ相手にしていればよかった。ところが今回の野党共闘により、これが効かなかった。そして、1人区のほぼすべてで自民党得票率を前進させ、公明党との合計では多くの地域で共闘4野党(民進、共産、社民、生活)の得票率合計を上回りながら11選挙区で競り負けたのは何故か?共闘1人区で何が起こっていたか?野党共闘が自民・公明を上回ったのは岩手と沖縄のみ。それにもかかわらず自民党が111人区で敗北し、自民が勝利した地域でも多くの地域で共闘候補が自公候補の得票に迫った、という事実…青森では無党派層の65%、自民党支持の15%、公明党支持の25%、お維新の62%を選挙区(田名部候補)でとった…、野党統一候補が無党派層の支持だけではなく、自民・公明・お維新などの支持層までも取り込んだからである。これは野党共闘効果がいかに大きいかを示す証左となる。

改憲勢力は2/3に迫る議席を得たが、容易ならぬ困難を抱えたことも事実だ。公明党の後退、議席は増えたが創価学会の少なくない層が「投票先を明かさない」という事実。そして、「戦争法」以来の国民の警戒心は増大した。民進党が野党共闘に、改憲阻止を掲げた…出口調査では改憲反対多数となった。


共闘各党はどう評価すべきか?

今回の選挙で支持率を増加させたのは民進党と自民党のみ。共闘の結果民進党は1人区のみならず複数区でも比例でも前進した。民進党の前進は共闘の主軸政党であったからに他ならない(共闘の際主軸政党が必ず前進するのは常)。護憲派の多くは、今回共産党ではなく民進党への投票行動となった。日本共産党は2010年以来の前進が止まったが、これは今回「共同・共闘」に力を注いだからだ。共産党の得票率が全国平均を上回るのは13都府県あり、その特徴は①1人区の主軸政党または主軸の一つとして奮闘した岩手と沖縄。 ②主軸として頑張った香川 。③複数区で競り合った地域;埼玉、神奈川、福岡など。共闘のために頑張り、比例では無党派層の票が前回14年衆院選ほど共産党にはこなかった。しかし、共産党への信頼は増した。この方向しか、政治を変える方向はないのだと。


今後の安倍改憲を巡る情勢と運動の課題


政権が任期中の改憲を目標に掲げて選挙で勝利したのは歴史上初めて。安倍政権は改憲への意欲を高めており、今通常国会からことあるたびに9条含めた改憲の必要性を繰り返し主張するだろう。特定秘密保護法、国家安全保障戦略、戦争法など・・・外堀を埋めた状態での闘いである。早期に時期を見て解散・総選挙に打って出て、その勝利で進めようとするだろう。懸念される課題として、民進攻撃または分裂工作、民・共共同の妨害(野党共闘から引きはがす攻撃)、公明党工作…今回の参院選で共闘・共同に苦慮したことから改憲多数派形成のため共同攻撃など・・・。そして改憲機運醸成のために様々な改憲論を繰り出すだろう。憲法審査会での討議に各党を引き込み、様々な改憲論を試し、仕掛けてくるだろう。本格的な改憲、国民投票を通すためには、「自民党憲法草案」などいとも簡単に引っ込めてあの手この手でくるだろう・・・。

…確かに重大な事態だが、共闘共同の成立を武器に勝負はこれから。安倍政権は選挙終盤まで「改憲」への言及を避けてきた。しかしその後のマスコミ報道では「改憲勢力2/3」などと、争点として浮上した。そしてこの闘いの中で民進党が安部改憲阻止で固まった、これは民主党結党以来、歴史上初めて。

私たち民医連・医療生協運動への期待と役割は何か?①安倍政権を倒すには車の両輪が必要だ。国民は平和だけで生きているわけではない。暮らし、社会保障の課題が大切である。対抗軸となる福祉と平和の政権構想が重要。国民の「仕方のない支持」を打ち破るにはアベノミクスに代わる対抗構想と共同が必要。平和と憲法のたたかいだけでは安倍政権は倒れないだろう。②市民と野党の共同を強化して政治を変える…戦争法はアメリカとの間ですでに大きく進み出している。戦争法廃止とは、これを全てでご破算にしてやり直すこと。今のレベルの共同では到底無理。市民と野党の力強い共闘が必要だ。戦争法廃止の連合政府、憲法共同を目指さなければならない。…これが進み出したらアメリカと財界は強く干渉してくるだろう。まずは、総選挙を目指した共同を目指す。③地域の共同と強化を拡大する。今回の参院選レベルで衆院選小選挙区での共闘が進むなら、自民党の過半数割れを作ることができる…ここの運動に民医連が入ってゆくことの重要性は極めて大きい。今はピンチか?・・・そうとも言える。しかし、見方を変えれば次の衆院選で勝利する基盤ができたと考えたい。



2016年8月6日 理事会あいさつより
尾形 文智



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梅雨明け、そして夏の匂い

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2016.8.1


7月29日「北東北でも梅雨明けした模様」と報道された。短い北の夏の始まりである。7月30日には御所湖花火。そして8月1日から4日まで盛岡の夜に太鼓が鳴り響くさんさ踊りが盛大に行われ、6日には「盛岡花火の祭典(旧・都南花火大会)」。これが終わり、翌日7日()は北上みちのく芸能まつりのフィナーレの花火大会。そしてこの日が「立秋」である。例年残暑はそれなりにあるものの、やはり「土用」を過ぎると朝夕を中心に秋を意識しだすのである。


ひとはどんな時、どんな感覚で季節を意識するだろうか。暑さ寒さ、日の長さ短さ・・・。マスメディアや周囲に踊られている感は否めないが、時節のニュースや季節を先取りした広告(宣伝)などで気づかされたり、刺激されたり、若い頃ならワクワクする感じを覚えたりする。


さて先週末会議のため仙台に出かけた。その時にふと夏を感じたエピソードが二つ。30日昼前、炎天下近隣の駅まで荷物を抱えて1kmほど歩いた。汗かきでない僕だが、さすがに汗が噴き出し、上着(ジャケット)は脱いだ。・・・人通りのない日中炎天下、ぬるい風と強い日差しを感じながら…今年初めて夏を意識した。ふと、子どもの頃子供会で集まって学校のプールに行った時の情景が思い出された。気温、陽射し、汗・・・共通するものは様々あるが、一番記憶を刺激したのは「空気()の匂い」であった気がする。



翌31日仙台で迎えた朝、ゆっくり目に青葉山方面、仙台国際センター、広瀬川周囲の緑の中を10kmほど走っていいたら、懐かしい匂いを感じて、再び記憶が子どものころとつながった。やはり小学生の頃、早起きしてカブトムシ取りに森の中に入った時の「それ」だと気付いた。・・・まだ街が目覚める前の静けさ、朝からの晴天とあわせて、懐かしい夏休みの一コマだ。


ひとの記憶はけっこう曖昧・適当だ。エピソード・物語としての記憶は後から都合のいいように修飾されることも少なくない。一方、一瞬のうちに過去の記憶・一場面をフラッシュバックさせるものとして、視覚からの刺激と同等、またはそれ以上に嗅覚・匂いの刺激は大きな影響をもっている。



尾形 文智


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