昨日、日本テレビ系列・『魔女たちの22時
』で、
「30代から更年期障害になり見た目がおばあさんにそれでも1回5円家で作れる化粧水でお肌が20歳若返った55歳の主婦魔女」
(U.K.さん 55歳)
というものが放送されていました。
そこからの引用です。
引用開始↓
魔女は24歳で結婚。美人で優しくて、
娘たちにとって自慢の母だったのだが、
38歳を過ぎたある日、強烈なめまいと、激しい動悸に襲われる。
さらに、夜は体が熱くなり汗がとまらず眠れない日々が・・。
そして魔女は医師から「更年期障害」ではないか…と告げられる。
ホルモンバランスの崩れからか、顔はやつれ、シミが目立つようになり、
まるでオバアさんに。
魔女は自分の姿にショックを受けた・・。
ストレスから髪が抜け食事も口にせず、次第に家にひきこもるようになり
情緒不安定もエスカレートしていったある日、魔女は自殺未遂。
娘たちの必死の説得で命をつなぎとめた。
そんなある日、魔女は料理中に火傷を負う、ある薬を塗った数日後…。
火傷は回復していた。
それは幼い頃、母が塗ってくれていた「紫雲膏(しうんこう)」という塗り薬。
そして、紫雲膏がシミの肌にも効くかと、肌にぬってみたのだが、
ベトベトして塗りにくい・・。良い方法はないかと、
紫雲膏について調べてみた。
すると
「紫雲膏」の原料である生薬の「紫根(しこん)」には、
シミやくすみを防ぎ、しわやたるみにも効果があり、
一流化粧品メーカーのアンチエイジング用コスメの原料にもなっていた。
そんな「紫根」は簡単には手に入らないと思っていたのだが・・。
意外にも漢方薬局を取り扱っているような
薬局で取寄せる事ができたのだ!
早速魔女は、「紫根」を取寄せオリジナルの紫根化粧水を作ることに!
紫根15グラムを300ccの水にいれ弱火で15分程煮詰める。
(※一ヶ月分の分量です。)
そして茶漉しでこし冷まして完成!
こうして出来あがったのを朝晩肌に塗っていった。
すると、一か月すぎたある日 シミやシワがあきらかに緩和されていった!
さらにさらに、見た目の自信からか、
健康的な精神をとりもどし少しずつ更年期障害のような
症状がやわらいでいった。
そして、実際の年齢より20歳も若いむきタマゴのようなつるつる肌に!
引用終わり↑
こういった番組を見る度に、
女性にとって美容の状態が精神状態にかなり影響するんだな~、
と毎回感じます。
当院に来院されている女性でも、
化粧のノリが悪い時は、気分のノリも悪くなる(w_-;
と仰られる方がほとんどです。
そして、いつも女性の美容に対するエネルギーって、
凄いな~と感心します。
こういった女性の性質があるからこそ、不況の中でも、
美容産業が盛んなのでしょう。
しかし鍼灸のツボ、お薬の処方もそうである様に、
化粧品も万人にいい効果をもたらすものは、おそらくないと思います。
だからこそ、情報や商品を提供する側は、
情報提供の仕方に注意が必要ですし、
また受け取る側もこのことを了解した方がいいでしょう。
当院では、たまに美容鍼についてお問い合わせがありますが、
美容を第一の目的とした鍼灸治療を致しておりません。
何故なら、美容を目的としなくても、
全体のバランスを整える鍼灸治療をすることによって、
自然とお肌の状態も良くなるからです。
従って、漢方的な鍼灸を行う当院では、
女性の美容に対して以下のような形で貢献できます。
それは、漢方的な視点で、個々の体質に合わせて鍼灸治療を行い、
それに併せて、
食事や運動などのライフスタイルの改善を提案をすることです。
そのことによって、まず、
美容の土台となる本質的な健康を手に入れて頂く。
これは、外側の美容というよりも、内側からの美容、
今風に言えば、インナービューティー
と言ってもいいでしょう。
さて、今回、紹介された魔女の症状について、
少ない情報から私なりに漢方的な症状分析をしたいと思います。
まず、38歳で発症したという更年期障害について。
一般的に更年期障害は閉経を迎える40代後半から
発症するよう傾向にあります。
40代後半といえば、漢方的に腎虚(下半身の衰え)が進行してくる年齢。
腎虚とはひらたく言って、加齢に伴い、
全てのエネルギー(気・血・津液)の大元となるエキスの
“腎精”が不足することを言います。
(腎精は骨の大事な成分で、関節を構成する際に大切です
コラーゲンとも関わると言ったら、
一般の方は理解しやすいかもしれません)
しかし魔女は38歳で、少々の腎虚があったとしても、
閉経を迎えるような腎虚になるには早過ぎます。
この様な早期の更年期障害の場合、
腎精を損傷させる要因があることを想定しなければなりません。
腎の機能を知る上で重要な生理についての情報はありませんが、
その他の症状から腎精を損傷させた要因を推測できます。
それは強烈なめまいと、激しい動悸。
これらの情報から、真剣に漢方医学を勉強している方なら、
ピンと来るはずです。
今回の魔女は何らかの要因でストレスを積み重ねることで、
肝うつ気滞化火となり、それが頭部・心の臓に影響して、
それぞれめまい・動悸を発症させた、
そして、このきつい肝うつが腎を押さえつけたのであろうこと
を推測できます。
このことを裏付ける要因がもう一つあります。
魔女は見た目の自信を取り戻したことで肝うつが緩み、
更年期障害の症状が緩解していったということです。
それから、番組では、ホルモンバランスの崩れから、
顏はやつれて、シミが目立つようになったと説明されています。
この説明をまともに見聞きすると、
いかにもホルモンバランスの崩れが原因な様に受け取れますが、
このホルモンバランスの崩れも何かによって引き起こされた結果であって、
根本原因ではありません。
やはり、ホルモンバランスの崩れも
肝うつが腎精を損傷したがために、起こったのでしょう。
日常から弁証論治の癖をつけているお蔭で、
少ない情報から体内の変化を類推することができます。
因みに、この魔女の更年期障害ですが、
漢方理論に基づく鍼治療なら、
比較的、早期に緩解させることが出来るということを
補足させて頂きます。
ところで、今回の魔女が女性として自信を取り戻すことに
大きな働きをした紫根。
番組をご覧になった方は、
紫根が全てのシワやシミに効く
とお思いになられるかもしれません。
しかし、そのような万能なものは存在する訳ないので、
ここで最大の注意を喚起する上で、
紫根とはどんな性質なのかをご紹介したいと思います。。
番組にも紹介されていましたが、
ヤケドした際によく用いられる、“紫雲膏
”という
漢方の軟膏に紫根が含まれています。
(ちなみに紫雲膏の作り方
、紫雲膏の元となった潤肌膏の作り方
)
紫根は紫草とも呼び、ムラサキ科の根です。
ムラサキ
は古来より紫色の染料として利用されていました。
性味は「甘・鹹、寒」、帰経は「心・肝」、
効能は「涼血活血・解毒透疹」。
一般の方に分かりやすく説明しますと、紫根は心経と肝経に作用し、
甘寒の性味によって、深い領域(血分)の熱を冷まし、血流をよくし、
解毒作用を行います。
これらの働きによって、
魔女のシミやシワの原因や改善した理由が分かります。
まず、元々魔女は心肝に気滞や熱がこもり易い体質であること。
その心肝の熱が顔面部を襲うことで、肌の潤いを損傷しのたのであれば、
シワやシミが増えていったのかもしれません。
またシミは気滞瘀血(オケツ)も一部関与しているのかもれません。
だから紫根によって肌の潤いを奪う熱を取り除くことでシワが、
肌の血流が改善したことでシミが、
それぞれ改善したと説明することができます。
ここで先述の様に、紫根の化粧水の注意として、
全ての方のシワ・シミに対して、紫根が有効ではないことを
補足させて頂きます。
それは
脾胃虚寒型(消化器が冷えて、下痢しやすい方)によって、
血流不全となって、シミが出来る方がいるからです。
この様な方が紫根を利用すると、紫根の涼血作用によって、
冷えの症状が悪化します。
従って、こういった生薬を利用して日常生活に利用する際には、
漢方的な診立てが出来る病院あるいは薬局に行かれることを
おススメいたします。
おそらく魔女にしても、いつまでの熱中心の体質ではないと思うので、
いずれ紫根の効果が薄くなる日が来るかもしれません。
それにしても、当分はネットで“紫根”がかなり多く検索されるんやろうな~
と思って検索したら、早速、紫根を売り出すネットショップが
増えてる増えてる(@ ̄Д ̄@;)
繰り返しますが、くれぐれも、こうした商品の利用する際には、
ご自身の体質を漢方医学を専門にしている人に
診てもらってからにして下さいね。
大阪市北区・JR天満駅1分の漢方鍼灸院
鍼1本で根本から健康も美容も改善!
漢方鍼灸院 かわかみ吉祥堂。
P.S. 紫根がシワ・シミに効果があるかどうかを実証するには、
様々な体質の方に利用し、Aという体質には向いているけども、
Bという体質には向いていないと、しっかりと検証すべきだと思います。


