『ツ・・・・ツンーーー!!

ちょ、もう!なんじゃもん!!ツンーー!!

おいどんじゃー!おいどんじゃもん!!ツンーー!!』

 

 

逃げ惑う犬を追いかける一人の大きな男。

彼の名は西郷隆盛、通称:西郷どんだ。

 

 

愛犬のツンは、追いかける西郷どんをあざ笑うかのように

松の木を一周し、一軒の民家に逃げ込んだ。

 

 

『ツンーーー!!はぁ・・・はぁ・・・・

おいどん、太り過ぎじゃもん、これ以上走らせんでほしいんじゃもん』

 

 

民家に逃げ込んだツンは

家の中で一人、句を読んでいた男になついていた。

彼は、家の中まで追いかけてきた西郷どんを見上げた

 

 

「あ、ひさしぶり、西郷どん」

 

『しょ・・・松陰殿!!』

 

 

彼の名は吉田松陰。

松下村塾という、偉人達を数多く輩出した世界の歴史的に見ても

伝説として語り継がれる塾をやっていた男だ。

 

 

『松陰殿、ウチのツンが勝手にすみません!』

 

 

松陰はツンの頭をなでながら

しばらく黙って遠くを見ていた。

 

 

・・・

 

 

「えええっ!?この犬

ハチ公じゃないの!?」

 

 

松陰は長い顔を、さらに長くして驚いた。

 

 

『え・・・ええ。ツンじゃもん。ハチ公ってなんじゃもん。』

 

 

 

「あ・・・いや、いい。ごめん、ハチ公って名前だと思ってた。

あっち渋谷の方ね。ごめんねツン」

 

 

 

西郷どんは部屋をキョロキョロしながら

松陰の横に座った。

 

 

『ここは・・・まさか、松下村塾?』

 

 

 

「そうだよ。我らが朽ちた後も

今もなお、ここから日本の未来を見ている。

偶然集まってきた神々と対談をしながらね・・・」

 

 

松陰はそういうと、元気よく立ち上がり

突然流れ始めた音楽と共に、手を天に掲げながら喋りはじめた。

 

 

「さーーーてやってきました神々達の対談!

歴史を作った神々をこの松下村塾に召喚し

一緒に未来を考えるという夢のような時間!!

 

今回のゲストは-----」

 

 

松陰は掲げた手を振り下ろし叫んだ。

 

 

「さいごーーたかもーーりーー!!」

(格闘技風ボイス)

 

 

『なんじゃもん!なんじゃもん!!この煙は!!』

 

 

 

「あ、ほら、登場のときは、そういう煙とかでるじゃん?それ。

はい、それでは、時間の都合もあるのでちゃっちゃと行きますが…

西郷どんから見た今の若者!って切り口で聞いていきたいのですが」

 

 

 

『えええー!突然なんでごあす!!

対談みたいのはじまったでごあす!!』

 

 

 

「うん、もういいよ。びびってる西郷どんもかわいいけど

対談いくよー。ほら、やっぱり西郷どんも大きな革命家だったでしょ

だから、日本の若者達に何か一言ないかなー?思ってね。」

 

 

 

西郷どんは汗を拭きながら(ふぅ)と息を吐き

ようやく事態がのみ込めてきたようだった。

 

 

 

『松陰殿は、今の現代から見ても最高の教育者じゃった。

ほんのわずかな期間の松下村塾

正式に塾として認められた期間だけで言うと半年じゃもん

 

その中で、8畳と10畳のこの小さな建物から

生まれた偉人の数は異常としかいいようがないじゃもん。

ここはまず、松陰殿の意見をおいどんは聞いてみたいんじゃもん。』

 

 

松陰は頭をポリポリかきながら考えた。

 

 

「この松下村塾では、身分や家柄は関係なく人を招き入れた。

それは人を見極めるには、一切の関係がないからだ。

しかし、一応入塾の時に面談のようなものもする。

その時、一番大切にするのは、【志】と【覚悟】だった。」

 

 

 

『志と覚悟。』

 

 

 

「そう。これさえあれば、己の未来は必ず切り開ける。

現代人は志という言葉を、よく理解していない者も多いが

そういう時は言葉だけを1000回でいいから言ってみるといい。

 

志、志、こころざし、こころざし・・・

そうすると1000回言ったころに気付く。

心に刺した信念。それが未来をつくるんだと。」

 

 

西郷どんは、自分が今までやってきたことを思い出しながら

深くうなづいた。

 

 

 

『教育として聞きたいんじゃが、入塾のとき、どんな話をするんじゃもん?』

 

 

 

「学ぶ動機と志を明確にせよ。ということだな。

君は何のために学問をするのか?
君の志とはなにか?

それをその人の答えが出るまで聞き続けたね。」

 

 

 

『つまり、何を成したくて学ぶのか?何を成したくて生きるのか?

ただ、学問や武術を学ぶだけじゃなく

そういった【前提】が大切じゃということ言うことでごあすな!

 

もう一つ、気になっていたんじゃが

この松下村塾から生まれた偉人達は

とんでもなく、勇気をもった人間が多かったんじゃもん。

 

この【勇気】というのは現代にとても必要じゃと思うんじゃが

一体どんな教育をしたらそんな勇気が溢れてくるんじゃろうか?』

 

 

「それは・・・」

 

 

松陰はかつての学び舎を見渡し、思い出しながら話した。

 

 

「ウチは、一人の天才のような先生が教える塾ではなかった。

多くの学校は、一人の先生が教鞭をとり

一人が一方的に知識を教える方法をとっていたのだ。

 

わたしはそれを疑問に感じていた。

それじゃあ、吸収をすることはできても

活かすことができないではないかと。

 

だからウチでは、それぞれが、得意なことを教え合い

時に、私が生徒となり、議論をし合うこともあった。

喧嘩をすることもあった、朝も夜も、常に己の考え方を議論した。

 

『君はどう思う?』この質問を一日に何百回とした。

政治のこと、武術のこと、人間関係のこと、未来のこと

生徒一人一人が、自分の考えを毎日考え、言っていたのだ。」

 

 

 

『今でいう、ゼミみたいな形式でごあすな』

 

 

 

「そう、私が何度も質問した『君はどう思う?』という質問。

これは自分の心を、言う気になる。という思惑があった。

 

勇気という言葉も1000回言うとわかってくる。

勇気、勇気、ゆうき、ゆうき、言う気。

『勇気って言う気になればいいんだ。』って。

 

だから、ここに学びに来る者達には

毎日自分の心を言う気になってもらったのだ。

だから、心に勇気が宿っているのだ。」

 

 

 

松陰は、若者たちとの議論を思い出しながら

クルっと西郷どんの方を向いた。

 

 

 

「私ばっかり話していてはゲストの意味がないではないか。

西郷どん、私は西郷どんのあの言葉が好きなんじゃが・・・

 

えーーーっと。

『命もいらず、名もいらず

官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也』

ってやつ。」

 

 

 

『あー言った気がするでごあす。

だって、名声も官位も金も、命ですらいらない。

そんな奴は、厄介この上ないんじゃもん。無敵なんじゃもん。

 

だから、打算的な人が寄り付かなくなったんじゃもん。

 

名声を欲しがると、それを利用する人が出てくる。

官位や金も、欲しがると、その気持ちを利用する人が出てくる。

 

おいどんは、本物の人と話がしたいんでごあす。』

 

 

 

松陰は、その答えに笑いながら返した。

 

 

 

「確かに!!

西郷どんは味方をどんどん増やしていったように見える。

まさに無敵だった。

 

現代人にも、その影響はあって

西郷どん人気はいまだに絶大だもんね!」

 

 

 

『しかし、おいどん、女子からの人気が欲しいんじゃもん。

龍馬や、新選組の連中はイケメンが演じてて人気でごあす

おいどんは、おにぎりが好きそう。という理由で、なんていうか

高年層に人気があるんじゃもん。』

 

 

 

「いや・・・うん。なんていうかそこはこうアレじゃないかな?

ほら、銅像のイメージがどうしてもホラ

おにぎりみたいな顔してるもんね。」

 

 

 

『・・・・もう一つ、大切なことがあるでごあす。』

 

 

 

「あ、うん。どうぞ(おにぎりみたいの気にしてるんだな。)」

 

 

 

『おいどんは、人を相手にせず、天を相手にしてるんじゃもん。

この意識が、天に通じるんじゃもん。天下に影響を与えるんじゃもん

 

人間の多くは、人に影響を与えられすぎでごあす。

それはイイ面はいいのじゃが、

人の言葉で落ち込み、人の行動に傷付き

いちいちそれに一喜一憂していては天は味方してくれぬ。

 

天を相手にするんじゃもん。

そんな規模の大きい人間になるんじゃもん。』

 

 

 

西郷どんは、握りこぶしを掲げ、そして天に指を突き刺した。

松陰は心の中で(さっき自分の人気について怒ってたのに…)

と何度も思ったが、そこはもう、ぐっとこらえた。

 

 

「そんなわけで、まとめるとすると・・・

今の時代は、一つの型にはまることなく

自由に自分を表現できる時代なわけ。

 

こんな最高の時代に生まれたんだから

志って1000回言って、勇気って1000回言って

自分を生きることに覚悟を決めることですな」

 

 

 

『じゃもん』

 

 

おにぎりを与えられて満足そうな西郷どんは大きくうなづいた。

 

 

 

『さて、ツン、そろそろおいどん達はいくでごあす。』

 

 

西郷どんは立ち上がり、ツンの頭をポンとなでた。

ツンは嬉しそうにおにぎりの欠片を食べながら

松陰に向かって『ワン!』と吠えた。

 

 

小さくなる西郷どんに向かって松陰はこういった。

 

 

「また、おいでね。

・・・あと、キャラ設定出したいのだろうけど

今度から『じゃもん』か『ごあす』どっちかにしてね。

ってかじゃもんとか生きてる時言ってないよね。絶対。」

 

 

そうつぶやくと松陰は筆をとり、こう書き定めた。

 

 

『かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ 大和魂』

 

 

“やりたい”という思い。

“叶えたい”という思い。

 

それは止められることはない。

誰にも止める権利もない。

止めるのはいつも自分しかいない。

 

 

たった一度の自分の物語、それを描くのは自分しかいない。

例え、止められようとも、失敗する可能性が高くとも

それでもなお、行動するのが大和魂をもった日本人である。

 

 

 

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