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あるテレビ制作プロダクションから連絡があった。民放BSでの南アフリカと東アフリカ(マサイマラ国立保護区=写真上)に行く番組を制作するので、出てもらえないかという申し出である。アフリカに行ける! 夢にまで見たアフリカ! と思ったら――甘かった。

個人旅行では行きにくいアフリカ
ディレクターと打ち合わせで面談したら、アフリカに行くのは、ナビゲーター役のタレント、ディレクター、カメラ、それにスタイリストだけだという。リブパブリの役割は、事前にタレントの某さんに博物館でレクチャーし、帰国したら撮影したビデオを見ながら、番組でいろいろ解説をする役なのだという。
甘い期待があっただけ、やや失望。
というのは、アフリカはどこでも治安が悪く、いつものような個人旅行など不可能だからだ。ツアー自体も、少ない。
初め制作プロダクションは、エチオピアの某所を目指したらしいが、現地に行くには重武装の警備員とガイドとヘリで行くしかないと、某所より示唆されたらしい。弱小プロダクションらしく、カネがかかりすぎるとエチオピア秘境探訪はボツになり、南アフリカになったという次第だ。

野生動物とマチュピチュが見たい
リブパブリは、テレビのドラマやバラエティー番組は全く見ないが、好きなネイチャー番組ならよく見る。NHKBSプレミアムの『世界の名峰 グレートサミッツ』や『ワイルドライフ』は、お気に入りだ。
そうした番組で、例えば南ア、クルーガーランド国立公園やタンザニアのセレンゲティ国立公園、ケニアのマサイマラ国立保護区などの野生動物を見ると、生涯に1度は現地を訪れて、野生動物を生で見たいと思う。さらに南アフリカの「人類のゆりかご世界遺産」も。
リブパブリが死ぬまでに1度は訪れたいのは、他に世界遺産のペルー、マチュピチュがあるが、上記のいずれかにも1度は行きたい。いずれ本日記で、取り上げられる日の近からんことを――。

「ビック5」を野生で見たいが
さてネイチャーファンにして野生動物好きなら、特に「ビッグ5」を間近で見たいはずだ。ビッグ5とは、草食動物のゾウ、サイ、バッファロー、肉食動物のライオンとヒョウを指す。
このうちサイとヒョウは、個体数も少ない上、生息域の関係もあって、野生を間近で見るのはかなり難しいと考えられている。残りの3種はわりとポピュラーだが、3種の中ではライオンを見るのは比較的難しい。
なぜか?
肉食動物だからだ。肉食動物は、その通称のとおり、草食動物を捕獲して暮らしている。その関係上、草食動物の個体数を超えることは絶対にできない。個体数では、10分の1以下だろう。だからサファリツアーでも野生の肉食獣は見つけにくい。

見つけにくい肉食獣だが、ライオンはまだマシ
前述したように野生肉食動物は観察しにくいが、肉食動物の中でもライオンはまだ見つけやすい(写真下)。地上にあまたいるネコ科動物の中で、ライオンだけが群居性だからだ。
彼らは、血縁関係にある1、2頭のオスを中心に10頭前後のメスとその仔たちで構成される「プライド」と呼ばれる群れを作っている。プライドは、厳格なテリトリーを持ち、外部から侵入してくる離れオスや他のプライドに対しては、群れを率いるオスがテリトリー防衛に立ち向かう。
プライドの中で獲物の草食動物を狩るのは、メスの役割である。オスは、立派な体と牙、たてがみを持ちながら、狩りには参加しない。そのうえメスの仕留めた獲物を、最初に食べる特権もある。
それでいてオスは、ハーレムの中のメスと好きなだけ交尾し、次世代を残す。好色な人間の男ならよだれを流しそうな役得である。ただし、そこは苛酷な自然界だ。人間が思うほど生やさしく、安逸な世界ではない。

ネコ科で群れを作るのはライオンだけ
プライドの性別構成がメス偏重なら、半々で生まれるオスはどうなるのかというと、近親交配を避けるために群れから出て行く。離れオスとなったオスの生活は、厳しい。そもそも狩りはメスの役目だし、仔の時代は母親から餌をもらうだけだったので、兄弟とともに自分で狩りをして生き延びる算段をしなければならない。そして運よく成体にまで成長できれば、他のプライドを乗っ取るべく常に機会をうかがうことになる。
そこで初めの疑問に突き当たる。ネコ科動物の中で、どうしてライオンだけ群れを作るのか――。
ヤマネコもヒョウもチーターも、ネコ科動物はすべて単独生活だ。ライオンだけが、異なるのだ。そして同じ肉食動物でも、イヌ科動物が順位制を伴う群居性であることとも、大きく異なる。なぜ?
長い間、群れを作った方が、獲物を捕りやすいし、また自分よりはるかに体の大きい大型草食動物までを捕らえやすいから、と考えられてきた。
しかしセレンゲティなどでの研究者たちの野生ライオンの観察から、いずれも仮説は的外れであったことが分かった。
長くなったので、この続きは次回に。

昨年の今日の日記:「メディアはいつから権力の手先になったのか? ユーチューブ画像投稿者摘発の不条理」
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