蝶々婦人 X 2

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オペラ「蝶々婦人」を2回見てきました。

http://sv.opera.se/media/flickr/24170718961_jpg_1600x600_crop_upscale_q85.jpg
最初のはここイェテボリ・オペラ。

なかなか良かったです。
この写真の蝶々さんはオペラのダンサー、日本人の響子さんです。
間奏のときに白い着物で出てきて、ソロを踊りました。
歌ったのは韓国人のソプラノでした。





そしてこちらはメトロポリタンのバタフライ。
主役は Kristine Opolais。ラトビア人だそうです。有名らしいですね。
さすが。うまかったです。

面白かったのは文楽のテクニックを使っていたことでした。
坊やの役が、このシーンでも分かるように、人形です。
後ろに黒子が三人。
普通は子役をつかって、ただぼっ立たっているだけなんですが、こうすることによって、悲劇の意味が良く分からなけど、お母さんを慕っている動きが上手くできて、なるほど、と思いました。
また、間奏も、蝶々さんは人形で、ピンカートンがダンサー。ガッチリした男のダンサーが華奢なつくりの蝶々人形を放り投げたり、愛撫したり。蝶々さんの運命をうまく表現していました。

衣装などが着物まがいなのは、全然構わないのですが、
ただ、お母さん役が角隠しをしていたのだけはいただけない。一緒に行った友達と苦笑してしまいました。

まあ非常に豪勢な舞台で、なるほど兄がメトロを毎年東京からNYまで見に行くわけだ、と納得しました。
私も一度本物が見てみたいです。

アリア「ある晴れた日に」が 
こちら で鑑賞できます。




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最終的に運転手さんが連れて行ったのは、なんとキャバレー。
夜も大分遅くなっています。
スヴェンはお酒を飲まないので、私達は二人ともそんなところに行ったのは初めて。
3人が座ると、運転手の横には直ぐに女性が付いてはべっています。
そして、彼は飲み始めた!
コップに綺麗に澄んだ液体をどんどん飲む。
そして、舞台には女性の歌手が体をくねくねして歌っている。
本来は楽器の演奏があるから、と言われてたのに。
次はきっとそうだから、なんて言われて、時計はとうとう12時を回っています。
$北欧からコンニチワ-マリオネット・7
こんな感じのところ。

とうとう業を煮やして、立ち上がり、帰ります!
そうしたら運転手はもう出来上がっちゃってて、ほとんど立てないの。
スヴェンは純情だから、この人は運転するから、水飲んでると思ったんだって。
他のタクシーで帰るから、というと、このトルコのおじさん、すごく怒って恐いんです。
この口ひげで、目を吊り上げて。

「お前達払えるか」って言うから「もちろん」
全然高くない。散々飲んでるのに、2000円ぐらい。
当時のトルコではかなりのお金だったのかなあ。

とにかく外に出て、彼の車に乗ったんだけど、危ない、危ない。
トルコでは赤信号でも空いていれば構わず走ります。それはこの国に着いた時からびっくりでした。
でもその夜は人が渡っているのに行こうとしたりで、私達は隣でワーワー抗議しました。
最後に運ちゃん、車を道の端に止めてスヴェンに「お前、運転免許持ってるか」

という訳で、スヴェンはアンカラでタクシーを運転して、運ちゃんの道案内で、ホテルまで着きました。
車を降りて彼が帰っていくのを見たんだけど、無事に帰れたんでしょうか。
今考えて見ると、私達ナイーブでしたね。何が起こっても不思議じゃない状態でしたもんね。
今になったら懐かしく思い出しますけど。

人形劇は大好評でした。
スウェーデン語だったんですけど、みんなちゃんとストーリーが分かっていて、フォローしてくれました。
この後、秋にはストックホルムで公演でしたが、スヴェンは大学の授業が始まり、結局私達は代理を立てて、参加できませんでした。
一度だけスヴェンの代理が出演できなくて、変わってあげました。
私も付いて行って、初めて舞台を全部見学しました。
素晴らしい出し物で、もう少しスウェーデンに慣れていたら、私だけ残って出演したのに。
残念でした。
皆が懐かしがってくれました。

私達の冒険はこれでお終いです。










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昨日の続き。
人形劇の公演は先ずギリシャはアテネから始まりました。
その後トルコのイスタンブールへ。
当時ギリシャとトルコは喧嘩してたから接続が悪くて、アテネの飛行場で延々と待たされました。
飛行場といっても何もないところなんですね。
退屈で、私は大きなスカーフ2枚で作ったロングドレスを買いました。
ウダウダしていると、ギリシャ人の男女が早足で歩いてきます。
男性の方が女性を叱っているのか、物凄く大きい声で怒鳴りつけながら歩いていきます。
我らスウェーデンのグループは全員顔をそちらに向けて後を追いました。
そうしたらヤン・マルムショーがいきなりその男の真似をしだした。
もちろんギリシャ語なんかできないから、音だけで真似するんですね。
身振り手振り、声の抑揚、見事でした。
なにも見るものもないときは、自分達でエンターテインするのが一番。

アテネもイスタンブールも駆け足旅行。
練習と公演だけで、なにも見物しませんでした。
アンカラのホテルに着くと、次の日は1日、私達音楽係りと俳優達にはお休みが出ました。
人形使いと裏方は舞台を作り、練習です。
出かける私達に団長は「道で売ってるものを絶対に食べるな」とのお達し。

先ずはマーケットをぶらぶらして、スヴェンはダラブカ(太鼓)を買いました。
建物を出ると広場になっていて、おじいさんが地面の上にいろんなものを一杯並べて売っています。
そこにズルナ(シャルマイの一種)の山が・・・
$北欧からコンニチワ-マリオネット・6
こんな楽器です。
もちろんスヴェンはしゃがんでしまい、動きません。
このおじいさん、恐い人で試させてくれないのです。
長年の経験で楽器の長さ、太さ、指孔の位地で大体判断がつくし、そんなに高くないので1本買って、身振りで、これは僕の楽器だから吹くよ、と吹き始めました。
おじいさん、見ていて急に「ちょっと待て」の手振り。後ろの建物の奥から新しい楽器を持ってきて、取り替えてくれました。
なんのことはない、前に出してあるのは観光客用なんですね。
出してきたのは楽器としてずっと良いんです。
スヴェン、喜んでまたいろいろ吹く。中世のメロディーなど。
そうしたら、おじいさん、また、待て。
今度は自分のズボンのポケットから噛みタバコの缶を出して、開けるとリードがいっぱい入ってます。
その中の1本をおもむろに出して、「これをお前にやる」と手振り。
噛みタバコの臭いがしみこんでるおじいさんのリードをおまけに付けてくれました。

楽器の入った紙袋を持って、さあ、そろそろホテルに帰ろう。夕方になったし。
タクシーだ(タクシーに乗るときは必ず前もって値段を交渉すること、って言われてました)。

やっとタクシーを見つけて、ホテルの名前を言って、スヴェンはもちろん我慢できない。
紙袋からズルナを取り出してタクシーの中で吹き始めました。
運転手、片言の英語で、明日近くにある俺の故郷に連れてってやる。民族楽器の本物の音楽を聞かせてやる。ということだけど、明日は公演、その次の日にはスウェーデンに帰るので、残念ながら断りました。

そしたら、じゃあ、アンカラ・バイ・ナイトに連れてってあげる、と有無を言わさず、車は山の上に。
タクシーの中からチャイ(お茶)を注文できるんです。
夕暮れのアンカラを見ながら、一服。タクシーの運ちゃん、自腹切ってのおごり。
禁止されてるけど、まあ、お茶ぐらいは飲んでも大丈夫かなと、喜んで頂きました。
さあ、帰ろうと言うと、こんどは街で一番美味しいコフタ(ミートボールがパンに挟んである)を食べよう、とまた車はとんでもないほうに。
言ってみれば本当のジャンクフード。でも食べないわけにはいかない。
運転手さん、また自腹を切って、本当においしいコフタを食べました。
さあ、帰ろう、と言うと、今度は民族楽器を演奏している店に連れてってやる。車は又、シューッと回って、入ったのがなんとディスコテーク。
低い机と椅子に座ったのですが、音楽が大音響で掛かっていて、話なんかできない。
ほとんど真っ暗な中、ミラーボールが回ってくると、私達の顔をチラッと照らします。

その時私はアッと思いつきました。
スヴェンと知り合ったばかりで、まだドイツにいた時、夢を見たのです。
それが、この椅子、この机の低さ。知らない部屋に3人で座っていました。
スヴェンと私。そして3人目は顔が見えない。
3人とも黙ってただ座っているだけ。どうしてか話ができないもどかしさ。
てっきり訪ねたことのないスヴェンのアパートにいると思いました。
次に会ったとき聞くと、夢と全然違う。
それで忘れていたのですが、正夢だ!
(どうせ正夢を見るのなら、宝くじに当たるとか、そういう夢ならいいのに)

とにかくここではだめ、ということで、また車でシューッと。
どこに行ったかは続きます。










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おとといの続きです。
先ず、マリオネットの説明。

$北欧からコンニチワ-マリオネット・3

一昨日の記事でもお見せしましたように、日本の文楽にヒントを得ています。
でも人形使いは黒子じゃなくて白いオーバーオールを着ています。
舞台のまえに置いてあるのはギリシャ劇に出てくるコーラス(聴衆。途中でいろんなコメントをだします)。

北欧からコンニチワ-マリオネット・4
これが人形。ギリシャの陶器から飛び出してきたように黒い人形です。
これはアンティゴネ。アテネで撮った写真です。
凄く暑かったので、練習中のお嬢さんもビキニ姿。

北欧からコンニチワ-マリオネット・5
アテネの野外劇場。昔の劇場を改良したもので、舞台の中央に立ってせりふを言うとと、一番上の席まではっきりと聞こえます。

北欧からコンニチワ-マリオネット・1
ポスター。シンプルでとても素敵。プロの仕事だなあ、と思いました。

$北欧からコンニチワ-マリオネット・2
そしてこれが音楽家たち。
うわー、みんな若い!34年前だものね。

スヴェンがどうやって音楽家でない私達を音楽家にしたか。
右側の女性は劇団のセクレタリーです。
若いときにこの劇団の人形劇を見て、どうしても使ってくださいと頼み込んだのだそうです。
タダでもいいからと。
で、しばらくは本当にタダでこき使われたらしい。
認められて、事務員に。このときは裏方をまとめる秘書になっていました。
トランペットが吹けることが分かって、スヴェンは音楽博物館からこの一対のトランペットを借りてきました(当時はまだ貸し出してくれたんですね)。
私が持っているのは中国産のドラ。
セレモニーや神々しい人物の登場の場面のためです。

そして一番の傑作は私の前にあるキタラ。
これは友だちの器用なTさんに作らせました。
スヴェンが実によく考えて注文したものです。
日本式のペンタトニックに調弦。ブリッジの上と下が丁度1オクターブになるように作ってあります。
だからブリッジの両側を使って演奏すると、音域の広い楽器になります。
ペンタトニックですから、どの弦を弾いても、リズムさえとっていれば、綺麗な音楽になります。
私はギターを少しやっていたので、弦を爪弾くのは慣れていました。
即興でなにをやっても大丈夫。原理を知らない人にはとてもうまく聞こえます。
スヴェンがこれを思いついたのは、古代ギリシャの音階といわれているものが日本のペンタトニックに似ているからだそうです。
悲しい場面、物思いに沈む場面などに使われました。
これにスヴェンが奏でる横笛(ちょっと篠笛風)も役立ちました。

その次にすごい楽器がスヴェンの前においてある二股に分かれている楽器。
アウロスまがいです。
ギリシャ悲劇。キタラとアウロスは絶対にほしい。
アウロスはリード菅が2本平行して大きな音がした。
エクスタシーを呼び起こす楽器です。

さあ、どうするか。

先ず構造として、シャルマイ(チャルメラ?)1本をメロディー楽器とする。もう1本の方はブルドン(1音だけがずっと鳴り続ける)にする。
で、メロディーのほうはスペインのバックパイプの1本を使うことにしました。
問題はブルドン。

スヴェンは道で拾ったり、蚤の市で見つけたくだらないものを入れた引き出しがあります。
そこをかき回して「あー、あった!」とにっこり。
直径2センチぐらいの丸い平べったいものです。
お年寄りがひったくり予防のためにバッグに入れて、繋がっている紐を手首に通して持つものがあります。
バックが引っ張られると、紐に付いたスイッチが稼動してブーッとすごい音がします。
バッテリーで動くのです。
どういう訳かこの警報機には小さいねじが付いていて、警音の音程が変えられるのです。

さっそくTさんに頼んで、この警報機が埋め込める偽のラッパを作ってもらいました。
吹き口は一つ。この2本の楽器を一度に吹くように見えますが、実際は偽のパイプの裏側にスイッチが付けてあって、ONするといつまでも鳴り続ける。
スヴェンは自分は息を吸わなくても永遠に音が出せる技術を持っているんだ(この呼吸法日本語で何て言うんだっけ?)が出来るんだと言って、楽器には絶対触らせなかった。すごいペテン師ですね。

兎に角準備が整って、先ずはギリシャ(アテネ)とトルコ(アンカラとイスタンブール)に出かけました。
トルコでの冒険はこの次に。