村八分

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ちょっと暗い話です。

北の方にある人口1800人の小さな村で起こりました。
15歳の男の子(オスカー)が14歳の女の子(リネア、両方とも中学生、名前は仮名)を学校のトイレでレイプしました。
リネアはこれを警察に届け出る。
さあ、村中大騒ぎ。みんなオスカーの肩を持ち、リネアはモビングの対称に。
村人にとってはあの金髪碧眼の人気者オスカーがそんなことするはずがない、これはリネアが嘘をついている、ということになってしまいます。
調査がはじめられ、オスカーは自白します。
自白の内容はほとんどリネアの証言と一致する。
ところがオスカーは1週間後に自白を翻し、自分は無実だと言い始めます。
その間にオスカーの家族はFacebookで呼びかけ、4000人のグループがリネアをののしるキャンペーンに参加。「死んでしまえ」「本当にレイプされればいいのに」というようなひどい内容です。
そして、オスカーは地方裁でも高裁でも有罪となります。
いじめは続けられ、リネアは50キロ離れた学校に転校します。
そして中学の卒業式。教会で行われた式に訪問禁止となっているオスカーが現れ、クラスの友だち一人一人にお花を手渡し、ハグする。これをビデオで撮ってFacebookに載せる。
式に参加した学校の先生も生徒も父兄も大拍手。
リネアは幸いなことに式に出席していませんでした。

このあと、海岸で子ども達はパーティーをし、オスカーはもう一人の女の子(ジェニファー、仮名)を更衣室でレイプ。この時は、ジェニファーのパンティーから精子が見つかり、DNAがオスカーと一致する。ここでも彼は有罪に。それでも、人々はオスカーの肩を持つ。

このいきさつが一切、先週の水曜日にテレビであばかれます。
特に教会の牧師はオスカーが教会を訪れたことについて、勇敢な行為、美しいと言い、その夜もう一つの強姦があったことについては、知らなかった、かわいそうなオスカー、いや勿論女の子達にも同情するけど、とテレビカメラの前で言ったので、大変な非難を浴びています。
それ以来、スウェーデン中大騒ぎになります。
教会(牧師)と学校(校長)は訴えられました。

その後色々な専門家の話では、こういうことは必ずしも不思議じゃないのだそうです。
これがオスカーがジェニファーを街頭で刺したなどという事件だったら、だれでもジェニファーに同情しただろう。
でもことがレイプとなると、そういうことをするのはどっかの醜いおっさんがすることで、15歳のクラスの人気者、女の子達の羨望の的がそんなことをするはずがない。そして被害者の女のこの方は、どうせ彼を誘ったんだろう、服装も派手だったんじゃないの、格好いい男の子に見向きもされないからくやしくて復讐したんじゃないの、自業自得だ、ということになってしまうのだそうです。

水曜日の放送の後、Facebookにアンチ・サイトが作られ、あっという間に10万人の参加者が集まり、今度はオスカーを非難するメールであふれます。これもリネアの時と同じようなののしりかた。
人間というのは集団的にヒステリーになる可能性が高いんですね。
テレビで一部始終を見るから、まさかそんなひどいことがどうして起こるのと思うけど、私だって周り中で噂が広がったら、何を考え何をするか分かったものじゃないと思いました。せいぜいが反対意見をもっていても黙ってしまうぐらいかも。

オスカーのお母さんは今でも息子の無実を信じているそうです。

オスカーは15歳なので刑務所には入れられず、精神科で治療を受けることになります。
この場合、家族全員を対称とする治療だそうで、特に初期には親の態度を振り返り理解させることに重点が置かれるそうです。
村民はみんなショック状態にあります。

この事件ではっきりしたのは、大人たちは(教師も含めて)子どもの参加しているFacebookなどに全く関心を持っていないことでした。
普通のいじめは証拠がないほうが普通で、証明しにくいのですが、インターネット上の嫌がらせは出所がはっきりしているから、取り締まりもできるはずなのに、何も起こらない。今後どのように対処すべきかが議論されることでしょう。
この事件もネット上の暴力が明るみに出たということで、意味を持っていくのでしょう。
こんご、良い方向に進んでいくことを望みます。

こんな事件が日本で起こったらどうなってたでしょうね。
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春間近

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今日は庭に石灰を撒きました。
酸性雨によって酸化した土をやわらげるためです。
$北欧からコンニチワ-石灰
本当は雪が残っているうちに撒くのが一番なんだそうですが、ちょっとのんびりしてて、今日になりました。
お隣との角のところは牡丹を植えるつもりなので、石灰は撒きません。
あと少しというところで、あれっ、赤いバケツの向こうに見える黒い点は?

北欧からコンニチワ-糞
これです。
どこのどいつの置き土産かしら。
ウサギじゃないよね。鹿でもないし。
じゃ、ヘラジカ(ムース)かしら。
ヘラジカにしちゃ、少なすぎるよ、とスヴェン。

北欧からコンニチワ-ムース
ヘラジカってこんなやつです。
ごくたまに、のそっと現れることがある。
牛より大きいです。
グルッセが出会ったら腰を抜かすでしょう。

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新自由主義ということ

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2-3日前の記事で「ルポ貧困大国アメリカ」という本について書きましたが、昨日のテレビで放映していたルポも、なんとも後味の悪い話でした。
スウェーデンの劇場の内部事情を取ったものです。
今までうすうすと感じていたことの背景を見たようで、そうだったのかと納得すると同時に、薄ら寒くもなりました。
ルポ貧困大国アメリカ ←クリック

劇場という世界は監督(イングマール・ベルイマン等)のワンマンぶりがよく知られますが、最近は劇場の最高責任者、チーフの力が非常に強くなっています。
北欧からコンニチワ-ドラマーテン・1
これはスウェーデンの誇る国立劇場、ストックホルムのドラマーテンです。
テレビには先ずここのチーフ(女性)が「私の月給は8万クローナ(100万円をちょっと欠く)。国会議員や大会社の責任者に比べれば、笑っちゃうぐらい少ない」とのたまっている。あれっ、国会議員の給料って、その半分じゃなかったっけ。よう言うよ、と思っていると、文化の砦である劇場のチーフがどうしてこのような態度に出るようになったのかを語っていきます。

まず、60~70年代。
世の中は景気も良く、お金があふれていた。特にコミューンの活動で、お金を余らせると国にもっていかれてしまうので、文化活動に目を付ける。どんどん赤字にして、最後には、劇場の賃貸料をばか高くしてしまう。
そのようにして、余剰金を減らすことをどこでもやっていた。

さて、その後、バブルがはじけ、コミューンはにっちもさっちも行かなくなる。
そこに現れるのが鬼のごとき劇場経営者。大鉈をふるうといっても、会社経営と同じで、人件費を減らすしかない。仕事がないという理由で、人員を半分ぐらいにしてしまい、プロジェクト毎に期間を区切って雇う。首を切られるのはチーフを批判した人たち。このようにして、俳優は大人しくなってしまう。
給料が上がらなくても黙って仕事に励む。
これを実行した当時のチーフ(これも女性)がインタビューで、「確かに私の時代には劇場内の雰囲気は悪くなった。でも私は赤字を解消したし、俳優達はみんな大変よく働くようになった」と言っていました。
 
北欧からコンニチワ-ドラマーテン・2
(ドラマーテンの内部。ここで演じられる人間のいとなみの美しさに、観衆はうっとりとなる)

このような経営者タイプのチーフは押しも強いし、気も強い。自分達は大変重要な仕事をしているのだから、高級を取って当たり前。責任者と同時に俳優/監督である場合も多く、自分が監督する出し物の時はダブルに払わせる。劇場外でしごとしても、休暇を取らずに、ダブルの収入がある、といった、メチャクチャなことをしても、内部ではだれもプロテストしないようになってしまった。

文化労働者と称する俳優や裏方たちは薄給でこき使われ、上部の一部はガッポリとお金をかっさらっていく。
なんか、貧乏大国に似た形が出来上がったわけです。

これは劇場ばかりではありません。
私の周りの人たちも上部からの締め付けが強くなった、勤務時間も合理的にすると称して、常に見張られている感じがする。猫さん、あなたはいい時の定年になったわよー、と言われます。

日本でも、同じようなことが起こっているのでしょうか。
新自由主義というのは数字の上で合理性さえ証明できれば、そこに達する手段はどうでもよい。人間を人間だと思っては、それは出来ないので、人間を物として扱う。そうなったら要注意以上になのですね。
そういうことするのも人間なのだから、なんか悲しくなる。


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グルッセ 初ネズミ

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こちら北国もやっと春が近づいてきました。
$北欧からコンニチワ-グルッセクン
さっきまでガラス戸のうちがわで外を眺めていたグルッセが、ワーワー言いながら帰ってきました。
あっ、今年の初ネズミを取ってきた!
目をランランと輝かせて得意になっていたと思ったら、あっという間にガリガリ。ウヘ~。
糖尿病にはよくないかも・・・

私の好きな猫ブログに書いてありました。

・猫はネズミを効率よく追い詰めるために家の構造を熟知するのが常
・これが「猫は家につく」と言われる所以
・よその家に猫を連れて行くと、ネズミを追わなくなる
・それは家の構造を知らないからである
・これが「借りてきた猫」の所以
・猫を新しい環境に置いた際は思う存分探検させろ
・さすれば(家の構造さえわかれば)猫は落ち着く
・ネズミ捕りをしたことのないうちの2匹でも、本能だけは健在

このブログです。
アメショッす ←クリック

グルッセはいつでも好きな時に外に出られる半外猫だから、上の記述のような訳にはいきません。
うちで落ち着いている時はデレッと寝ている。
この冬は雪が多く、長いこと外に出られませんでした。
さすがにフラストレーションがたまったらしく、珍しく家の中を駆け回っていました。






ルポ貧困大国アメリカ II

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$北欧からコンニチワ-貧困大国
今、堤 美香というジャーナリストの書いたこの本(ルポ貧困大国アメリカ)、流行っているそうですね。
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その内買うつもりですが、内容を読んでいるだけでショックなので、書きます。
アマゾンのカスタマーレビューに33人投稿しています。それを読むだけでも結構面白いです。

アメリカの新自由主義の行方をルポタージュした本らしいです(それもオバマ大統領になってからの)。
極端な自由主義に依ると教育、年金、医療などがどのようになるか。
すごいのは刑務所まで民間経営にしてしまった。刑務所に入るのに「家賃」をはらわされ、つけになってどんどん借金が増えていく。昔の置屋みたいなシステムです。そのうえ、インドより安い賃金で働かされ、歯磨きのチューブ1本買うために50時間も働かなければならない。
教育も大学に行くのに、すべて借金。以前はまだよかった奨学金制度もくずれて、大学を卒業しても借金のみ残り、仕事はない。待っているのは個人破産。
どうも恐ろしいシステムです。

ラジオ番組で堤さんの声が聞けます。
ラジオ番組 ←クリック

著者はアメリカが長い人らしいです。
下記のラジオの解説によると
「ジャーナリスト。東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金、アムネスティ・インターナショナルニューヨーク支局員を経て、アメリカ野村証券勤務中、9.11同時多発テロに遭遇。
以後ジャーナリストとして各種メディアで発言、執筆、講演活動を続ける。
著書多数。岩波新書から出版の『ルポ貧困大国アメリカ』で第56回日本エッセイストクラブ賞、そして、新書大賞2009を受賞。
2010年、同じく岩波新書から『ルポ貧困大国アメリカⅡ』を出版」

若いけど、この人は本物のジャーナリストだと思いました。

スウェーデンも福祉、福祉というけど、最近、同じような傾向がみられる。
英語かスウェーデン語になればいいのに、と思います。
早く読みたいです。