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2006-05-11 00:37:13

どうりで、息もぴったりなわけで。

テーマ:映画
【ペーパー・ムーン(映画)】

<1973年・アメリカ>
●監督/ピーター・ボグダノヴィッチ
●出演/ライアン・オニール、テイタム・オニール 他


舞台は1930年代のアメリカ中西部。
母を亡くし、孤児となった少女アディの元へ、
母とつきあっていたという男、モーゼが現れる。
少女はただひとりの身内である叔母がいる
ミズーリへ、男の車で連れていってもらう
ことになるのだが、実は男は詐欺師だった。
男の正体に気づいたアディは、反発するが
次第に打ち解け、詐欺を手伝うようになる…。

典型的なロードムービーなのだが、
主人公が中年男と幼い女の子というのが
おもしろい。
詐欺師なのに、どこか抜けてるモーゼと、
しっかり者のアディのキャラの対比が
いい味を出してる。
アディを演じたテイタム・オニールは撮影時
9才だったということだが、
年齢からは考えられないほどの芸達者ぶりだ。
(ちなみにテイタムは、この作品でアカデミーの
助演女優賞を史上最年少で受賞している)

見た後で知ったのは、テイタムは
モ-ゼ役のライアン・オニールと実際の親子
だったということ。
なるほど、あのナチュラルな空気は、
普段の父と娘のスキンシップがもたらした
ものだったかと納得。

ラブロマンスあり、カーアクションありの
珍道中を通して、モーゼとアディには
たしかな絆が生まれるのだが、
別れの時は迫っていた…。
ちょっぴり切なくて、あと味もさわやか。
誰もが安心して楽しめる映画だ。

しかしテイタムはこの作品の後、
「がんばれベアーズ」ぐらいしか目立った作品がなく、
スクリーンから遠ざかっている。
子役は大成しない、のジンクスにかかってしまった
とすれば、ちょっと寂しい。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
 
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2006-04-29 07:47:24

美しき日本、日本人。

テーマ:映画
【蝉しぐれ(映画)】

<2005年・日本>
●監督/黒土三男
●出演/市川染五郎、木村佳乃  他


「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」など、
このところ映画化が相次ぐ、藤沢周平作品。
その最高傑作と言われるのが本作だ。

下級武士の家に生まれた牧文四郎は、
実直な父を尊敬して暮らしていたが、
武家の派閥争いに巻き込まれた父は、
切腹の刑に処せられる。
そんな折、互いに心寄せる隣家の娘、
ふくが、想いを伝えられぬまま、
江戸へと旅立ってしまう。
やがて青年へと成長した文四郎に、
非情な命令が下される。
その命の主は、かつて父を死に追いやった
人物だった…。

雪景色や清流、青空とコントラストを
描く稜線、田畑を染める夕陽など、
四季折々の日本の風景が盛り込まれた映像が、
本当に美しい。
そんな中、繰り広げられる人々の物語。
登場人物はセリフは控えめながら、
その表情が心の内を語りかけてくる。
きっと、これが藤沢周平の世界に違いない。
監督の黒土三男は、この映画の前に、
NHKのドラマ版の脚本も手掛けている。
よほど、この作品に惹かれるものがあったんだろう。
(関係ないけど、あの長渕剛のヒットドラマ
「とんぼ」も彼の脚本だったりする)

主演の市川染五郎は、歌舞伎俳優だけあって、
立ち振るまいや太刀さばきなど、
さすが堂に入ったもので、
凛とした存在感を放っている。
父親役の緒方拳も、いぶし銀の存在感。
また木村佳乃が、こんなに
着物姿が似合うとは思わなかった。
ただ、友人役の今田耕治だけは、
そこだけコントみたいで浮いていた。(笑)

親子の絆や友情など、
いくつものテーマがからんでいるけど、
その主軸となるのは、文四郎とふくとの恋だ。
年月を経て、意外な形でふたりが再会する場面。
交錯する視線が、熱くもせつない。
ラストのふたりのやりとりは、
思わずセリフをメモしたくなるほどの名シーンだ。
「日本男児、やまとなでしこ、ここにあり!」
と叫びたくなった。

こういう映画に心打たれるようになったのは、
自分が年を取ったからなのか、
それとも、どこかに残っている日本人としての
DNAが、時代とともに失われてしまった物語に
共鳴するからなのだろうか。
今度はぜひ、原作も読んでみよう。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
ジェネオン エンタテインメント
蝉しぐれ プレミアム・エディション

 
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2006-04-17 02:27:48

誰でも一本の映画は撮れる。

テーマ:映画
【普通の人々(映画)】

<1980年・アメリカ>
●監督/ロバート・レッドフォード
●出演/ドナルド・サザーランド、ティモシー・ハットン 他


ロバート・レッドフォードの監督デビュー作にして、
いきなりのオスカーをもたらした名作。
ずいぶん昔に見た記憶はあるのだが、
どんな内容だったか、ほとんど覚えていなかった。
今回あらためて見て思ったのは、
これはある程度、年齢を重ねた者の方が、
感じ得る映画だろうなということだ。

一見なんの問題もないように見える、
ありふれた一家は、実はある闇を抱えていた。
長男がボート事故で亡くなり、
同じ事故で助かった次男は、罪の意識にさいなまれて
自殺未遂を図るなど、精神を病んでしまっていた。
父と母は、次男に気を配りながら、
自分たちの本心を隠しながら暮らしていた。
そして家族の間のひずみは、
次第に大きく、深くなっていく…。

序盤は、これといって何も起きない。
平坦な展開が続き、見るのに集中力がいるが、
次第に過去に起った事件、そして家族の間に
見え隠れする真意がわかってくるにつれて、
何ともいえない緊張感に襲われた。
表面をとりつくろった親子の会話、
笑っていても、うつろなままの次男の目、
静けさに包まれた映像の下でうごめく、
それらの狂気が、見る者の胸を息苦しくさせる。
そして、追いつめられた次男が、
カウンセラーを前に、誰にも見せなかった心の声を、
一気にぶちまけるシーンは、それまでのタメが
あった分、鳥肌が立つ思いだった。
安易なハッピーエンドにしていないのも、
この映画ではかえって納得できる。

こういった繊細な映画は演出が極めて重要だが、
レッドフォードは、監督第1作にして、
すでに抜群の冴えを見せている。
名優としての長い歩みは、
知らず知らずに映画の息遣いを、
その身に宿らせていたのだろう。

「誰でも一冊の本は書ける」
よく聞く言葉だが、それでいくと、
どの人生にも、一本の映画になりうる
ドラマが必ず潜んでいる。
そのことを、この映画のタイトルは物語っている。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
普通の人々

 
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2006-04-10 03:14:19

旅は続くよ、人生へ。

テーマ:映画
【モーターサイクル・ダイアリーズ(映画)】

<2004年・アメリカ他>
●監督/ウォルター・サレス
●出演/ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ、ラ、セルナ 他


キューバの革命家、チェ・ゲバラの
若き日の旅をつづったロードムービー。
個人的には学生時代、日本史を専攻していたことも
あり、このチェ・ゲバラという人については、
名前ぐらいしか知らなかった。

医学生のゲバラは、友人とのバイクの相乗りで
南米縦断の旅に出る。
悪天候やバイクの故障など、
幾多のトラブルを乗り越え、つかのまの
ロマンスをも育みながら、バイクは走る。
旅を通して、さまざまな人々の暮らし、
そして、その中にある苦しみに触れたゲバラは、
次第にこれからの自分の生きる道を模索する
ようになる…。

前半と後半で、ガラリと空気が変わる。
最初は、ただの脳天気な野郎2人の、
お気楽バイク旅行という感じで、
画面もひたすら明るい。
いく先々で、ナンパする女の子ともあっという
間に仲良くなって
「おいおい、うまくいきすぎだろ!」
とつっこみたくなるほど。
しかし後半になると、持病のぜんぞくの発作で
死にそうになったり、ハンセン病の施設を訪ね、
患者と交流したりと、かなり重い色合いが
濃くなっていく。

この旅が、何かの目的があって始められたものでは
ないのだろうが、結果として、それは革命家、
ゲバラの誕生の転機をもたらせた。
流れる風景とともに、ロードムービーが描くのは、
そういった主人公の心の軌跡だ。
しかしこの映画にあっては、その変化がどうも
くっきりと見る方に伝わってこない。
まあ、向かうべき新しい人生の入り口に
主人公が立ったところで物語は終わるわけだから、
それも致し方ない面もあるが、
これは日記が原作というのもあるかしれない。
何となくエピソードが切れ切れで、
散漫な印象がするのだ。
事実に忠実に作ったというところだろうが、
欲をいえば、もう少し映画的でドラマチックな
脚色があってもいい気がする。

それでも、マチュピチュやインカの遺跡、
アンデスの雪山など、歴史と自然に彩られた南米の
景色を満喫できるのは、理屈ぬきに楽しい。


■個人的ハマリ度 ★★★(★5つが最高)
アミューズソフトエンタテインメント
モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版

 
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2006-03-25 16:27:45

終着駅に、光はあるか。

テーマ:映画
【ミッドナイト・エクスレス(映画)】

<1978年、アメリカ>
●監督/アラン・パーカー
●出演/ブラッド・デイビス、アイリーン・ミラクル 他


なんだか、いやに尾を引く映画だ。
ひとことで言えば「脱獄もの」なのだが、
「大脱走」や「ショーシャンクの空に」といった
他の同ジャンル作品と決定的に違うのは、
この映画が実話を元にしているという点だ。
それだけに、全編に重苦しい空気が漂う。

主人公のアメリカ青年は、トルコから
アメリカへの帰国時、飛行機に乗り込もうとした
ところで麻薬所持で逮捕、
トルコの刑務所に収監される。
異国の閉ざされた世界で、何とか数年間の
服役期間を終えて出所しようとしていた彼に
下されたのは、前回の判決を破棄し、新たに
懲役30年を課すという信じがたいものだった。
青年は絶望の淵で、何とか脱出を試みる…

実際に麻薬を持って出ようとしていたことは
事実なのだから、自業自得といえばその通りなの
だが、それでも突然、懲役30年をプラス
される理由にはならない。
この判決には、当時のトルコの麻薬事情、そして
アメリカとの間の政治的なかけひきとして
利用されたという背景があるらしい。

言葉の壁に加えて、ひとクセもふたクセも
ある囚人たち、そして横暴きわまりない刑務官。
異国の地で囚われの身となった者の、
いいようのない不安が、画面からにじみ出ている。

「ミッドナイト・エクスレス」とは、
現地で「脱獄」を意味する隠語なのだとか。
余談だが、あの沢木耕太郎の名著「深夜特急」は
この作品を見た作者が、自分も旅先であの主人公
のようになっていたかもしれない、
という戦慄を覚えたのが、執筆のきっかけで、
タイトルもこの映画から取ったと、以前書いていた。

命がけの脱獄を試みた主人公は、
果たして光を見ることができるのか。
この映画には先に挙げた脱獄もののような
爽快感はない。しかしまちがいなく、
見た者の記憶に長く、深くとどまる。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ミッドナイト・エクスプレス

 
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2006-03-15 02:53:07

消えない余韻。

テーマ:映画
【私の頭の中の消しゴム(映画)】

<2004年、韓国>
●監督/イ・ジェハン
●出演/チョン・ウソン、ソン・イェジン 他


韓国映画では日本での歴代ナンバーワンヒット
になった作品。
昨今の定番である「泣ける」を宣伝文句にしてた
けど、見事泣かされてしまった。

テーマは「若年性のアルツハイマー」。
5月には、渡辺謙主演の「明日の記憶」
http://www.ashitanokioku.jp/
も公開されるなど、このところ、この病気を
テーマにした作品が目立つのは、社会的な認知が
高まっていることが背景にあるのかもしれない。

映画は、ふたりの出会いから結婚、妻の発症、
そして別れまでを描いているが、何よりも
主演ふたりの存在感が際だっている。
夫のチョルスを演じたチョン・ウソンは
建築現場で働くガテン系の男にふさわしい
野性味あふれるルックスと体格で、男から見ても
ほれぼれするかっこよさ。
一方、妻のスジン役のソン・イェジンは
「ラブストーリー」などで見せた、
かわいさとはかなさを兼ね備え、次第に記憶を
失っていくという難しい役所を熱演している。

全体としては2時間の中で、ふたりの出会いから
始めているので、少々かけ足の印象がする。
実際の症状が出始めてから進行するまでを、
もっと丁寧に描けていたら、さらに感動が
深まったのにと、そのあたりが残念に思う。

しかし、この映画には必ず泣いてしまうだろうと
思えるポイントがあって、
それはもう涙をこらえるのが難しいほどだ。
とくにチョン・ウソンの泣きっぷりがいい。
ああ、男が泣く時ってこうだよなあと、
思わず、もらい泣きしてしまうのだ。

ラストは、希望のイメージを抱かせるような
展開とともに終わるが、個人的には少々間延び
しているように感じた。
サッと終わった方が、その分余韻があったのでは
ないだろうか。

バッティングセンター、コンビニなど、
身近な場所が舞台になっていて、
その分、自分のすぐ隣の物語として見れる。
見た後、ファミリーマートでコーラを
買いたくなった。
何のことって?それは見てのお楽しみ。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
ビデオメーカー
私の頭の中の消しゴム ナビゲートDVD ~君が僕を忘れても~

 
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2006-03-11 04:05:35

奈々 + ナナ = NANA

テーマ:映画
【NANA(映画)】

<2005年、日本>
●監督/大谷健太郎
●出演/中島美嘉、宮崎あおい 他


ご存知、大人気漫画の映画化。
原作は未読だから、比べてどうのは
言えないけど、おもしろく見れた。

映画は、田舎から上京する列車の中で出会った
奈々とナナが、やがて東京で共同生活を始め、
それぞれにふりかかる出来事を通して、
確かなキズナに目覚めていくところまでを描く。

恋人の後を追って上京し、恋がすべてといった奈々。
一方、歌の道に生きながらも、
置いてきた恋に密かに苦しむナナ。
物語の最大の魅力は、何と言ってもこの対照的な
ふたりのキャラにある。
容姿も性格も正反対。
互いが互いにない部分に反発し、
でも、時に認め合って、補う。
まさに、ふたりでひとりという表現がぴったりだ。
宮崎あおいと中島美嘉のハマリ具合が絶妙。
中島美嘉はセリフがやや棒読み調の部分が気になるが、
ライブシーンでは、さすがにそれを吹き飛ばす迫力。

映画のところどころに、奈々のナレーションが
入るのだが、これが映画に引き込まれる
ひとつのポイントになっているように思う。
ナレーションは、現在から数年後、
すべてが過ぎ去った地点から、奈々が過去を
回想しているという感じで、それがある種の
切なさ、そしてやがて来るべき悲劇といったものを
連想させ、見る者は、
今現在のふたりに感情移入してしまうのだ。

原作が完結していないので、その結末がどうなるのか
はわからないが、映画はヒットもあって続編が決定。
ってことは、また途中で終わるってこと?
映画独自のラストってのは…やっぱり原作ファンが
許さないか。


■個人的ハマリ度 ★★★(★5つが最高)
下川 香苗, 矢沢 あい, 浅野 妙子, 大谷 健太郎
NANA‐ナナ‐novel from the movie

 
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2006-02-27 19:08:31

森の中に、うごめくもの。

テーマ:映画
【クライモリ(映画)】

<2003年、アメリカ・ドイツ>
●監督/ロブ・シュミット
●出演エリザ・デュシュク、デズモンド・ハリントン 他


森の中に迷いこんだ、若い男女のグループが、
正体のわからぬ何者かに次々と殺されていく。
と書くと、何やらありがちなホラーを想像する
だろうが、まさにその通り!
この映画、設定や展開は、
お約束のオンパレードなのだ。

「悪魔のいけにえ」「13日の金曜日」
映画の空気は、そんな名作ホラーに近い、
というより、明らかにリスペクトしてるのでは、
という場面もある。
しかしそれらとちょっと違うのは、冒頭で、
謎の者の正体をにおわせているところだ。
しかしこれ、テレビではある理由で
放送できないかもしれない。

お約束というのは、製作者側は百も承知で、
その点は割り切って創っているのだろう。
その代わりにこだわったのは、恐怖の見せ方だ。
無気味に広がる森のイメージを伝える
ふかんのショットの活用、
滝の裏側に隠れたかと思えば、木の枝を伝っての逃走、
また展望台によじ登ったりと、
「森」という舞台をフルに使った演出が
ふんだんに盛り込まれていて、
展開はオーソドックスながら、「おっ!」と
新鮮な印象を受ける。
R-15指定ということで、けっこうグロいシーンも
あるので、苦手な人は要注意。

ただ、テンポよく見れるのはいいんだけど、
もうちょっと怪物の背景や、心情が描かれていれば、
ドラマとしての深みも出たと思うんだけどなあ。
そういうのはこの手の映画には余計なんだろうか。

「狩られる側」の恐怖を、
シミュレーションしたい方には、おすすめ。


■個人的ハマリ度 ★★★(★5つが最高)
 
ジェネオン エンタテインメント
クライモリ デラックス版

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2006-02-20 01:42:05

走ることは、生きること。

テーマ:映画
【マラソン(映画)】

<2005年、韓国>
●監督/チョン・ユンチョル
●出演/チョ・スンウ、キム・ミスク 他


実話をもとにした韓国映画。

【自閉症の青年、チョウォンが、家族やコーチに
支えられながら、フルマラソンの完走を目指す】
言葉にすれば、それだけのストーリーで、
いささか予定調和の感もあるけど、
俳優の好演もあって、あと味のさわやかな映画に
仕上がっている。

主演のチョ・スンウは「ラブ・ストーリー」でも
いい味を出していたけど、本作では、自閉症という
難しい役を、全く不自然なところなく演じていて、
その演技力に驚かされる。
チョウォンを見守りつつも、息子にマラソンを
やらせるのは、自分のエゴに過ぎないのでは
ないか、と悩む母親。
「私の願いは、息子よりも1日長く生きること」
というセリフは、重くもせつない。
そして酒びたりで自堕落な生活を送るコーチ。
飲酒運転の罰として養護施設で体育指導をして彼は、
母親に頼み込まれ、いやいやチョウォンの指導を
始めるのだが、チョウォンの一途な性格と、
たしかな素質に、次第に心を変えはじめる。

見る前は、お涙頂戴のベタな感動系の映画かなと
思っていたが、演出はどちらかといえば淡々として
いて、笑いどころもけっこうある。
登場人物たちも、それぞれ身勝手な面を持った、
生身の人間として描かれているので、
きれいごとではないリアリティがある。
しかしそれだけに、ひたむきに走るチョウォンの
横を流れる風景…太陽の光、雨に濡れる草花、
頬をなでる風など、彼の目を通してみた世界が、
実に美しく、ある種の詩情に満ちていて、
そこにジーンとしてしまうのだ。

現実には、「走る」ことですべての問題が
解決するなんてことはないだろう。
しかしチョウォンにとって、
走ることを得たことは、生きる力を手にしたこと
に等しいにちがいない。


■個人的ハマリ度 ★★★★(★5つが最高)
アミューズソフトエンタテインメント
マラソン

 
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2006-02-16 10:28:44

やりすぎに注意。

テーマ:映画
【閉ざされた森(映画)】

<2003年、アメリカ>
●監督/ジョン・マクティアナン
●出演/ジョン・トラボルタ、コニー・ニールセン 他


ひとつの事実をめぐって、食い違う証言が
飛び交い、見る者を混乱させる。
果たして真実はどこにあるのか?
見ていて、黒澤の「羅生門」を思い出した。

ジャングルで訓練中の米軍のレンジャー部隊が
行方不明になり、7人のうち2人だけが生還する。
一体何があったのか、口を割ろうとしない隊員に、
尋問に長けた元レンジャー隊員と女性大尉が迫る。
ようやく事の経緯を話し出した隊員だったが、
2人の証言は全く噛み合わない…

冒頭の緊迫感あふれる画面と、展開に引き込まれる。
尋問にあたるトラボルタは、まあいつも通りの演技で
あまりその道の達人のようには見えないところは
置いといても(笑)、なかなかいい感じ。
「ダイハード」の監督であるジョン・マクティアナン
が、こういったサスペンスも撮れるんだなと感心した。

が、物語が進むにつれて、だんだん頭が混乱してきた。
その理由は、ちょっと話を複雑にし過ぎたことに
あるように思う。
この手の映画は、どんでん返しが命、
なのはわかるけど、あまりにやりすぎると、
何が何だか状態になってしまう。
加えて、隊員役の俳優に知ってる顔がいないので、
顔と名前が、なかなか一致しない。
そのせいで、誰が、誰を、どうした。
ということが、セリフで聞いても
すんなりと入ってこないのだ。
そして問題のオチ。たしかに意外という意味では
これ以上意外なオチもないかもしれないけど…

時間もコンパクトにまとまっているので、
退屈せずに見れるけど、
もうちょっとエピソードを整理して、
すっきりまとめたら、
もっとおもしろくなったのに思う。


■個人的ハマリ度 ★★★(★5つが最高)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
閉ざされた森 コレクターズ・エディション

 
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