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2007-10-27 23:32:31

ゲーム

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 のゲームは、おもしろく、かつ、あっと驚く結果を貴方にもたらすでしょう。約束してください。絶対に先を読まず、1行ずつ進む事。たったの3分ですから、ためす価値ありです。まず、ペンと紙をご用意ください。先を読むと願い事が叶わなくなります。1)まず、1番から11番まで縦に数字を書いてください。2)1番と2番の横に好きな3~7の数字をそれぞれお書きください。3)3番と7番の横に知っている異性の名前をお書きください。(必ず、興味のある人の名前を書く事。)4)4、5、6番の横それぞれに、自分の知っている人の名前をお書きください。(これは、家族の人でも知り合いや友人、誰でも結構です。)まだ先を見てはいけませんよ!!5)8、9、10、11番の横に歌のタイトルをお書きください。6)最後にお願い事をしてください。さて、ゲームの解説です。1)このゲームの事を2番に書いた数字の人に伝えてください。2)3番に書いた人は貴方の愛する人です。3)7番に書いた人は好きだけど叶わぬ恋の相手です。4)4番に書いた人は貴方がとても大切に思う人です。5)5番に書いた人は貴方の事をとても良く理解してくれる相手です。6)6番に書いた人は貴方に幸運をもたらしてくれる人です。7)8番に書いた歌は3番に書いた人を表す歌。8)9番に書いた歌は7番に書いた人を表す歌。9)10番に書いた歌は貴方の心の中を表す歌。10)そして11番に書いた歌は貴方の人生を表す歌です。これを読んでから、1時間以内にブログに貼り付けなさい。そうすれば、貴方の願い事は叶うでしょう。もし、送らなければ、願い事と逆の事が起こるでしょう。とても奇妙ですが、当たってませんか?
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2006-04-21 06:45:37

エールは届いているか。

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【東京大学応援部物語(本)】 

●著者 :最相葉月
●出版社:集英社(2003. 9 発行)
●価格 :¥1,575


作者が、東大の応援団に1年間密着して
書き上げたルポ。
いやー、熱い本だ。
文章はこの人の持ち味である、
クールで知的なものなんだけど、
何せ主人公は応援団。
熱いというか、暑苦しい男たちが、これでもかと
いうくらい拳を振り上げ、魂の雄叫びをあげる
様子が、臨場感たっぷりに描かれているので、
おのずと、こちらにもその激情が乗り移って
くるような思いになるのだ。

応援団といっても、東大ともなると
他とひと味違うのではないか?
そんな先入観もあったが、やはり応援団は応援団。
伝統としきたり、鉄拳制裁も当然の絶対的な上下関係、
厳しい日々の練習など、
イメージ通りの姿がそこにはある。

しかし東大の応援団には、ある特殊な事情がある。
それは、ほとんど勝つ喜びを得られないということ。
私大と違って、東大にはスポーツ推薦などは
もちろんなく、スポーツ部においての
力の差は歴然としている。
六大学野球などを見ても、完全なお荷物状態だ。
しかし彼らは、そんな状態であっても
例え9回の時点で10点差をつけられ
負けていたとしても、東大の勝利を信じて、
旗を掲げ、声を振り絞るのだ。

無論、彼らもそんな状況を無条件に
受け入れているわけではない。
自分たちは何のために応援しているのか?
結局は自己満足に過ぎないんじゃないか?
声を枯らしてスタンドに立つその傍らでは、
そんな疑問、葛藤が現れては消えているのだ。
しかしその心の声も、数少ない勝利の
興奮と喜びの前には、一瞬にかき消される。
連敗に耐え、東大野球部が立教に勝つシーンは
手に汗握り、目頭を熱くして読んだ。

これだけ誰かのために、全てをかけて
応援したという事実は、大きな自信となって
以後の人生を切り開いていく
エネルギーになるにちがいない。
人を応援できる者が、自分を信じられない
わけがないのだから。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
最相 葉月
東京大学応援部物語


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2006-04-02 12:45:28

男もうなずく、「女の子」ゴコロ。

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【永遠の出口(本)】 

●著者 :森 絵都
●出版社:集英社文庫(2006.2 発行)
●価格 :¥580


はじめて読んだけど、この著者はもともと児童文学
でデビューし、その分野ではすでに多くの傑作を
書いている人で、入試問題に作品が
使われたことも何度もあったとか。
その著者がはじめて書いた、大人向けの小説が本作だ。
もっとも最近は小説のジャンルレス化は進んでいて
児童文学でいえば、あさつあつこの「バッテリー」
が大ヒットしたことも記憶に新しい。
やはり、いいものに大人も子供も関係ないのだ。

本作は、ひとりの少女の小学校3年から高校卒業
までの歩みを、連作短編の形でつづった物語だ。
一読した感想は「わかるわかる」だ。
主人公は女の子(しかも若い!)だけど、おっさん
である自分にも、その感覚や行動に共感できるのだ。
もしかしたら、子供の時は、
男でも女でもなく、あくまで同じ
「子供」であるからなのかもしれないけど、
主人公が中学、高校と成長していっても
この「わかる」というのは消えないのだ。

これはひとえに、綿密にして繊細な
主人公の心理描写によるものだろう。
主人公の両親や姉への目線、友達や恋人への微妙な
思いなど、誰もが「ああ、これってあるよなあ」と
思わずにはいられないリアリティがあるのだ。
それ故に、時にグサッ!とつき刺さるような鋭さで、
主人公の痛みが伝わってきて、それほどドラマチック
な場面でもないのに、何度かジーンときてしまった。

加えて個人的には、作者が同世代ということもあり、
出てくる流行アイテムがなつかしさをくすぐり、
共感度アップにつながっている部分もある。
でも、さすがに新沼けんじのファンの女の子は
当時いなかったけどなあ…。
それって、一世代前の気がするんだけど。(笑)

文章や構成も思わず「座布団三枚!」と
言いたくなるほどうまい。
これは、他の作品も要チャックだ。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
森 絵都
永遠の出口


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2006-03-19 09:39:42

S(少し)、F(不思議)な、家族の物語。

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【凍りのくじら(本)】 

●著者 :辻村深月
●出版社:講談社ノベルス(2005.11 発行)
●価格 :¥1,040


あの藤子・F・不二雄は、
SFを【サイエンス・フィクション】でなく、
【S(少し)、F(不思議)】と捉えて、
その通り、幾つもの少し不思議な物語を紡ぎ出した。
この小説には、その藤子・F・不二雄の代表作である
「ドラえもん」のエッセンスが各章に盛り込まれ、
サブタイトルも「どこでもドア」「カワイソメダル」
「どくさいスイッチ」など、秘密道具の名前に
なっている。

高校生の芦沢理帆子は、入院中の母とふたり暮し。
藤子・F・不二雄を愛するカメラマンの父・光は
5年前に失踪したまま、行方不明になっていた。
そんな理帆子の前に、別所あきらという一人の
青年が現れる。彼との交流を通して、傷ついた
理帆子の心は、少しずつ癒されていくのだが…

繊細で透明感あふれる文章が、心地いい。
心理描写も巧みで、主人公、理帆子の心の起伏が
手に取るように伝わってくる。
ドラえもんの秘密道具、そして藤子作品の
世界観との絡ませ方もうまい。
そして、読み終わってはじめて気づくのだ。
そうか、これはやっぱり、
S(少し)、F(不思議)なんだ、と。

ただタイトルについては、ちょっと?
読み通した時の印象と、タイトルが結びつかない。
中でそれについての説明はあるんだけど、
ここまでドラえもん的エッセンスで通すなら、
タイトルもそれっぽい方が良かったのでは。

最後に参考資料がこう挙げられている。

「ドラえもん」全45巻
「大長編ドラえもん」
及び、そこに流れる哲学と優しさの全て。

作者、よっぽどドラえもんが好きなんだろうなあと
同じ藤子ファンとして、なんだかうれしかった。
今回はじめて読んだ作家だけど、
この、やわらかくも鋭い感性には今後も注目したい。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
辻村 深月
凍りのくじら


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2006-03-06 03:10:12

夢は美しく、日々は厳しく。

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【漫画家超残酷物語(本)】 

●著者 :唐沢なをき
●出版社:小学館(2006.1 発行)
●価格 :¥750


あの永島慎二の名作「漫画家残酷物語」を
現代風にアレンジした物語。
漫画家のおもしろくも哀しい日常が
いくつものエピソードでつづられていく。
(関係ないけど、永島慎二って、
ドカベンの水島新司と昔よく混同していた。
これだけ作品によって絵を描き分けられるって
すげーなあって…。バカだ)

座りっぱなしで、食ってばかりいるので、
ずぶずぶと太っていく漫画家。
漫画家のアイデアや評価は、すべて自分の
おかげと勘違いし暴走するアシスタント。
生活のためにエロ漫画を描き続けるが、
理想とのギャップに苦しむ漫画家。
熱意と押し付けを取り違えた編集者。
仲間のヒットに祝杯をあげつつも、
嫉妬の嵐にさいなまれる漫画家。
過去の栄光を忘れられず、新人に
説教をたれるベテラン漫画家…

などなど、一見、絵のタッチはほのぼの調で、
ノリもギャク的なのだが、その内容は
よく読むと、かなりシリアスで皮肉に満ちている。
なかでも、編集者に打ち切りを宣告された
漫画家が、荒れた末に「この漫画(本書のこと)
を読んだ漫画家の連載は打ち切りになる!」
と負のエネルギーを注入する話は、
笑いながらも、ちょっと怖くなった。

漫画に限らず、創作というのは、ある種の狂気だ。
一歩まちがえば、現実とはかけ離れた世界へ
ワープしてしまう危険性を常にはらんでいる。
そんなギリギリの狭間で生み出された作品には、
テクニックだけでは図り知れない、
作者の魂としか言いようのないものが宿っている。
それが読者の心に届き共鳴した時に、
感動が生まれるのだ。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
唐沢 なをき
漫画家超残酷物語


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2006-02-23 18:26:08

ピッチを駆けぬける夢。

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【たったひとりのワールドカップ 三浦知良、1700日の闘い(本)】 

●著者 :一志治夫
●出版社:幻冬舎(1998.8 発行)
●価格 :¥560


以前に一度読んでいたが、
W杯開催年ということもあり、再読。
ドーハの悲劇から、セリヘAへの移籍、Jリーグ得点王、
ワールドカップ最終予選突破、
そして告げられた代表落選…。
本書はその激動の日々のカズの心の軌跡を、
彼へのインタビューを中心にまとめたものだ。

今年6月に開催されるドイツW杯、そのメンバーに
カズの名前が入る事はほぼない。
年齢的なことを考慮すれば、彼は一度もW杯のピッチ
に立つことなく、選手生活を終えることになるだろう。
日本代表のユニホームを着て、W杯に出ることを
サッカー人生最大の目標としてきた男が、
その夢を実現することができないというのは、
なんとも寂しい。

そしてそんなカズを語るに、決して忘れられないのが
フランスW杯直前での代表落ちの一件だ。
フランスの隣国、スイスでの合宿中に会見を
開いた岡田監督の口から
「外れるのはカズ、三浦カズ…」の言葉を聞いた時の
衝撃は今も残っている。
個人的には、あそこまで連れていきながら、
最後の最後にカズを切った岡田監督の非礼は許せない。
たしかに選ぶ立場の監督にも苦悩はあっただろう。
戦術に合わなかったということかもしれない。
しかしW杯は、勝つことにだけ意味があるのではない。
みんな、そこに「夢」を見たいのだ。
素晴らしいプレー、劇的な試合展開、
そして、ドラマチックな選手の輝き…
誰よりも日本代表への熱い思いを抱いた男が、
W杯でゴールを決める。
岡田監督は、多くの日本人が描いた
その夢を奪ってしまった。

しかしこの件について、カズが何か恨みめいたことを
言ったことは一度もない。
ひと足早く合宿から帰国した時の会見で
「日本代表としての誇り、魂みたいなものは
向こうに置いてきた」と語ったカズ。
そこにあるのは、自らの生き方、
そしてサッカーへの、ゆるぎないプライドだ。

日々の生活の中で、悔しい思いをしたり、
苦しさを覚えた時、ふと思う。
「あの時のカズの悔しさに比べれば、
こんなの屁でもないな」

インタビュー中のカズの言葉は、あえて編集すること
なく、そのままの形で掲載しているので、
まるで自分が横にいて話を聞いているような
臨場感がある。
ありのままのカズを知るには、格好の一冊だ。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
一志 治夫
たったひとりのワールドカップ―三浦知良、1700日の闘い


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2006-02-04 01:40:19

「日本」を忘れた「ジャパン」へ。

テーマ:
【国家の品格(本)】 

●著者 :藤原正彦
●出版社:新潮社(2005.11発行)
●価格 :¥714


新書では今一番の売れ行きの本書。
期待して読んだが、特別目新しい内容ではなかった。
これ、大学での講演がベースになっているようで、
そのせいか話題が飛びぎみで、一貫したテーマと
いうものがいまいち感じられない。
文章はやさしくスイスイ読めるのはいいんだけど。

作者は、長い歴史に培われたきた日本独自の
価値観の崩壊を指摘し、感性の荒廃を憂う。
そしてアメリカを中心とするグローバリズムに
異をとなえ、今の日本に必要なのは、
論理よりも情緒、英語よりも国語、
民主主義よりも武士道精神と説く。

数学者である作者が考えるところの
日本再興のポイントが、
理論整然とした数式とは正反対のものと
いうのも、何だかおもしろい。
古池に蛙が飛び込む。
外国人から見れば「それがどうした?」
という情景にも、「もののあわれ」を感じ取ることが
できる、日本人のそんなセンスを大事にしてこそ、
日本が日本として存在し得る。
書かれているのは、これまでも語り尽くされて
きたような事なのだが、
今なぜ、このような本があらためて
売れているのかを考えると興味深い。

9.11の同時テロや、アジア諸国との
緊張関係など、ここ数年、
世界の中での日本の在り方を問われる
場面が続いている。
加えて、利権に群がる政治家や
マネーゲームに走る企業や投資家、
無気力に漂う若者など、
みんながどこか今の日本社会に
正常でないものを感じているのでないか。
日本って、日本人って、こんなんだったっけ?
という疑問が本書を手に取らせているのでは
ないだろうか。
たまにはゆっくりと日本のカタチについて
考えてみる。そのきっかけとしては
いい本ではないだろうか。


■個人的ハマリ度  ★★★(★5つが最高)
藤原 正彦
国家の品格

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2006-01-26 09:57:09

神話は崩壊するのか、蘇るのか。

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【ソニーが危ない!(本)】 

●著者 :荻正道
●出版社:彩図社(2005.11発行)
●価格 :¥798


去年9月に、経営陣が総退陣し、
初の外国人CEOであるストリンガー氏のもと、
新体制をスタートさせたソニー。
その直後には、実に11年ぶりとなる
連結の赤字決算見通しを発表している。

本書が書かれたのはその2年程前、
ソニーが予想外の大幅な減収減益となり、
株価が暴落した、2003年4月の「ソニーショック」
から約半年後のことだ。
当時は新商品「PSX」も発売され、
再び上昇に転じたように見えていたソニーだが、
本書は、そんなソニーが抱える
本質的な問題点を指摘し、現在の低迷を
予言するかのような内容になっている。

最近のソニーは、たしかにいいニュースが少ない。
iPodの圧倒的人気の前に、
苦戦が続く「ウォークマン」。
ポータブルゲーム機において、
ニンテンドウDSにシェアで水をあけられて
いる「PSP」。
テレビの新ブランド「BRAVIA」も売り上げは
好調とはいえない。

90年代、プレイステーション、VAIO、そして
ロボット犬アイボと、話題商品を連発し、
業績も右肩上がりだったソニーが、
なぜこうなってしまったのか。
筆者はその理由のひとつとして、
現場と経営陣との意識の解離をあげる。

創業者、井深大と盛田昭夫時代以来、
ソニーは何をおいても、ものづくりを
第一とする技術者集団だった。
それが規模の拡大にともない、華やかな
フレーズのもと、コンセプトやイメージを
優先したビジネスを展開してきた
つけが回ってきたのではと指摘している。
文系出身で「技術屋の心をわかっていない」
と批判された前社長の出井氏には、
とりわけその傾向が強かったという。

これはソニーに限らず、日本社会全体に
あてはまることかもしれない。
ものづくりという、手で触れることの
できるものを信じて突き進んできた日本が、
株に代表される、実態の見えないものに
心酔していった結果、先のライブドア事件
などを生み出したのではないか。
ソニーが今後、どう変わっていくかは、
案外日本のこれからと、どこかでリンク
しているのかもしれない。
神様と呼ばれた井深大の、技術に対する
感動的なエピソードなども多々紹介されて
いて、読み物としても味わい深い。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
荻 正道
ソニーが危ない!―SONY10年の天国と地獄

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2006-01-12 10:07:07

「戦争」という名の日常。

テーマ:
【となり町戦争(本)】 

●著者 :三崎亜紀
●出版社:集英社(2004.12 発行)
●価格 :¥1,470


昨年の話題作。ようやく読了。
なんとも不思議な味を持った作品だ。

会社員である主人公の僕は、ある日、
町の広報誌で、自分の住んでいる町と、
となり町とが戦争を始めることを知る。
実際に戦争が始まっても、それらしき音も光も
気配も感じられず、街は平静を保っているように
見えた。そんな僕のところに町役場から
「敵地偵察」の任務が届く。
戦争の実感を持てないまま、僕はとなり町へと
踏み込んで行く…

まず何といっても設定の妙!
日本人にとって、いつしか戦争は
「テレビの画面で見るもの」
という認識になって久しい。
そんな戦争に対する、2次元的でリアリティの
欠如した感覚を、「となり町との戦争」という、
ありえない状況に置き換えることで、
逆に奇妙なリアリティを生み出すことに成功している。
そしてディテールを積み重ねていくことによって、
この狂気を帯びた静寂な世界を構築する、
新人離れした文章力もすごい。

最初、「となり町との戦争」という状況の
背景にあるもの、これは、いつの時代のどこの話?
町同士が戦争をしなければいけない理由は?
など、説明不足の部分が気になっていた。
それは読者それぞれが考えてほしい、といった
スタンスは、ただの逃げなんじゃないかと
いうように思ったのだが、読む進むにつれて、
気にならなくなっていた。
作者のねらいは、そういった戦争の背景や状況を
訴えるのでなく、何もわからぬまま戦争に巻き込まれて
いくひとりの人間が何を感じ、考えるのか、
その思いと行動を通して、戦争のもつ本質を描こうと
しているのではないかと考え直したからだ。
それは言いかえれば、現代の日本、あるいは日本人と
戦争の関係の投影ともいえる。

小説の中では、爆弾が爆発することもなければ、
人が死ぬシーンの描写もない。
それでも、首にナイフを押し当てられているような、
ひんやりとした恐怖が行間から漂い、
静かに迫りくる緊迫感に、息苦しさを覚える。
予想外の結末も、ひねりが効いていて切れ味がいい。

話題作にはすぐに、映画やドラマ化が舞い込む
昨今だが、これは映像にするのは、
おそらく無理だろう。
それは、これが本の中で描かれていることに
プラス、読者の頭の中の想像によって
完成される物語だからだ。
そういう意味でも、まさに小説を読む醍醐味を
満喫できる一冊と言える。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高
三崎 亜記
となり町戦争


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2006-01-08 13:44:06

謎の裏に、愛あり。

テーマ:
【容疑者Xの献身(本)】 

●著者 :東野圭吾
●出版社:文藝春秋(2005.8 発行)
●価格 :¥1,680


昨年の「このミステリーがすごい!」などで、
軒並みランキングの1位を独占した話題作。
まもなく発表される直木賞にもノミネート
されている。(すでに6回目の候補。
いいかげん取らせたれよ)
今年はもうすぐ「白夜行」のドラマも
始まるし、東野の当たり年になりそう。

離婚して娘と暮らす靖子を、
ある日、別れた夫が訪ねてくる。
変わらず横暴をはたらく夫を、
靖子は思わず殺してしまう。
途方にくれた靖子だが、
隣室に住む高校の数学教師、
石神が救いの手を差しのべる。
実は石神は、
以前より靖子に恋焦がれていたのだ。
靖子を罪から逃がすために石神が仕掛けた
驚愕のトリックとは?
また石神と旧知の仲であり、刑事からアドバイス
を請われる身でもある大学教授、湯川が推理する
犯人像とは?

設定の妙、トリックの斬新さ、そして石神を
はじめとした登場人物の造型。
たしかに評判に違わず、よくできてる。
知らなかったけど、この湯川という大学教授を
主人公にしたシリーズもあるらしい。

理系出身で、元エンジニアという肩書きのある
東野らしい、数式をちりばめたアカデミックな
タッチと、石神の靖子への純愛とも言える
想いがかもし出すせつなさがミックスし、
独特の空気が生まれている。
文章の読みやすさもあり、すらすらと一気に
読んでしまった。

十分満足できるのだが、ちょっと引っかかったのは、
石神がなぜそこまで、
靖子のために尽くせるのかという点。
ラスト近くに、石神が靖子に引かれたきっかけが
描写されるのだが、正直「え、それだけ?」
と思ってしまった。
まあ、人を好きになるのに理由なんていらないと
いえばそうだが、それはあくまで現実でのこと。
小説(特にこういうミステリー系)では、そこに
説得力がないと、登場人物に感情移入できない。
個人的にはその一点のみで、
真の傑作になりそこねたという印象になって
しまったのが残念。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)
東野 圭吾
容疑者Xの献身


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