2016-02-24 04:28:28

中国、「技術貧困深刻」使い易いボールペンもつくれない「経済大国」

テーマ:ブログ


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基礎技術欠く弱み
天狗の鼻が折れた

中国経済の減速は、日を追うごとに明らかになっている。確かに、「製造大国」ではあるが、お世辞にも「技術大国」とは言えない。すべてが借り物技術であって、それを人件費安で補い「経済大国」へ上り詰めたに過ぎない。ここで、中国発のオリジナル技術があれば、それを武器にして世界市場へ打って出ることも可能。その「シーズ」(種)がゼロであるから、万事休すなのだ。
 
中国が技術貧困国であるのは、幾つかの理由が挙げられる。
(1)社会思想史的に、論理学が育たす、近代科学発展の基盤が存在しない。
(2)社会主義市場経済という計画経済下で、経済成長率目標が立てられ、需要が保証されてきた。
(3)計画経済によって景気循環が捨象され、企業にはイノベーションへの動機が失われた。量的な成長のみが問われ、質的成長は不問であった。人件費の安さが、質的不足を補ってきた。

中国経済の華やかな成長の裏には、前記のような3つの治療困難な課題を抱えてきた。この難題がこれから、5年や10年で解決できるとは思えない。中国は、上り坂には強いが、下り坂では足を取られて横転の可能性が強い。市場経済に馴れていないから、不況抵抗力が弱い。要するに、経済の重心が高いのだ。

李克強首相はかつて、「鉄鋼が過剰生産なのに、ボールペンは輸入に頼っている」と嘆いたことがある。中国にとって、ボールペンの製造だけでない。多くの産業が構造変化に直面しながら、それを促進する基幹技術を持たないのだ。そのすべてを持っている日本に対しては、尖閣諸島をめぐる対立で溝を深めてしまった。今さら日本へ「助けてくれ」とは言えないのだ。中国政府は、産業構造転換を焦るだけで、方策を見つけられない気の毒な事態に遭遇している。

基礎技術欠く弱み
中国メディア『中国経済網』(1月19日付)は、「中国、なぜ基幹技術がないのか、 国際特許の大半は日米が保有」と題して、次のように報じた。『サーチナー』から転載した。

この記事によると、中国には驚くほど「基礎技術」が存在しない。ここでは「基幹技術」と呼んでいるが、その域まで達しない「入り口」の技術である。日本では中小企業レベルの技術にすぎない。この程度の技術もないから、さらに上級の技術に至っては「ゼロ」同然である。中国で過剰生産の代名詞になっている「鉄鋼産業」では、付加価値率の低い低級品は生産できる。中級品や高級品になると、技術がないから「お手上げ」だ。自ら開発する意欲も能力もない。まさに、ナイナイ尽くしである。これで「産業強国」になると目標を立てているが、先ず不可能であろう。

①「産業構造の変化とは、中国が基幹技術を獲得することによって、初めて可能になる。しかし、国際特許のうち大半は米国と日本が保有し、中国を含むその他の国が保有する特許はごくわずかである。また、中国は外国の技術に対する依存度が高いものの、米国や日本はごくわずかである。中国は明らかに独自の基幹技術の保有量が少ない。構造変化が必要な産業は多分野に渡っている。例えば化粧品の調合、運動靴の衝撃吸収システム、スマートフォンのOS、NC工作機械、自動車のエンジンや電子式ガソリン噴射システム(EFI)、白物家電のインバーター・リニア・コンプレッサー技術やDDインバーター技術、工具鋼や鋳型鋼の分野などである。これら分野において、中国には基幹技術がないのだ」。

中国は、技術と人材を自前で育て上げるという習慣が存在しない。必要な技術や人材は、他社から「買う」(引き抜く)ことで解決してきた。社員教育なるものは、最初から存在しない。転職回数が増えることは、ビジネス・パースンにとって有能な証明とか。中国人がやたらと転職を重ねる理由は、転職が有能であることを訴える手段になっている。日本人には理解不能なビジネス社会である。

中国企業には、社運を賭して研究開発するという意識が存在しない。中国政府がサイバー攻撃を行い、他国技術を窃取するのは、知的財産権を尊重するとう認識が著しく欠如している結果であろう。独裁政治ゆえに個人の尊厳も尊敬しない社会が、個人の知的活動の産物である知的財産権を尊重するはずはない。私は、中国社会がニセ物に寛容である裏には、非民主主義政治のもたらす弊害と密接な関係性を強く感じる。

率直に言って、中国のビジネス社会は「浮き草稼業」である。「ゴーイング・コンサーン」(企業の永続性)という近代会計の原則すら当てはまらない社会だ。これでは、国有企業が存在しなければ、中国経済は空中分解する運命にある。国有企業には固有の問題点を持つが、そういう非効率な存在でも、存在しないよりましという、驚くべき経済環境にある。これが、偽らざる中国である。

②「ある分析によると、中国に基幹技術が少ないのは研究開発を軽視しているためだ。営業利益に占める研究開発費の割合が非常に少ない。企業に天才でもいない限り、研究開発を軽視するから基幹技術が生まれることはないだろう。中国では多くの産業において研究開発が軽視されている。中国政府も当然、国内企業に基幹技術が少ないという問題点の根本原因を認識しているはずだ。中国企業を研究開発に向かわせる具体的な取り組みが求められている」。

中国企業が研究開発に不熱心である理由を辿って行くと、中国社会思想史にまで達する。これは、私が繰り返し指摘し続けている点である。儒家(孔子ら)、道家(老子ら)、法家(韓非子ら)が、墨子の論理学を非難攻撃して、後世に学派として存続することを許さなかった。論理学は、近代科学の発展に不可欠な帰納法や演繹法の思考を生み出した。この思考過程が途絶えた中国に、近代科学が育つ基盤などあるはずもない。模倣しか存在しない中国の哀れな現実には、こうした過去2000年以上の思想の欠陥が災いしている。合理的な思考は、およそ中国とは無縁な存在である。現在の中国の経済・政治・社会の諸矛盾は、社会思想史的な混乱が生み出したものであろう。気の毒だが諦めるしかない。

『サーチナー』(2月1日付)は、次のように伝えた。

この記事では、中国製造業のどうにもならない技術水準の低さが取り上げられている。例えば中国の粗鋼生産能力は世界全体の半分以上を占めている。世界のGDPでは15%のシェアだが、これと比べても超過大な生産能力を抱えたことになる。常識的に言えば、こうした非合理的なことは起こりえないはずである。その非常識が現実化した理由は、「社会主義市場経済」というエセ市場経済にある。社会主義=計画経済と市場経済を無理やりつなぎ合わせたものだ。

「社会主義市場経済」は、鄧小平が改革開放政策に踏み切る際、共産党内部における左右対立を妥協させた産物である。各地方政府の行政圏内に経済圏をつくり、そこで「社会主義市場経済」を実施した。その結果、中国全土を統一する「市場」はできず、各地方経済圏で独立した市場経済が形成された。

ある地方政府では過剰設備を抱えていても、他の地方政府では設備不足というアンバランスが頻繁に起こった。その結果、ある地方政府圏内で設備不足が起これば、他の地方政府で過剰でも調整することなく増設する。こうして、必然的に過剰設備を抱えるシステムができあがった。これが、中国全体の経済成長率を押し上げた「影の功労者」である。「社会主義市場経済」とは、無駄な設備を累積させた経済制度である。今それが、行き詰まったにすぎない。

③「経済成長率が低迷する中国が抱える問題の1つに、生産能力の過剰がある。2008年の世界金融危機の際、中国は4兆元(約72兆円)の景気刺激策を打ち出し、内需拡大を図ったが、それは過剰投資につながり、鉄鋼をはじめとする各産業で生産能力の過剰となっている。生産能力が過剰の生産技術は、いずれも質が劣り、競争力の低いものばかりである。その結果、競争力の高い製品を生み出せる技術が欠乏する矛盾まで抱え込んでいる」。

08年のリーマン・ショックに伴う4兆元投資は、「社会主義市場経済」に基づく無駄な投資を全土において強行させた。具体的には、インフラ投資を主軸としたから、鉄鋼・セメント・石炭などの関連資材の生産設備は一斉に増強された。本来、08年は、設備投資循環の10年周期に当たり設備調整が行われる時期である。この年は、新規設備投資を減額して、過剰設備を減らす時期であった。それが、設備調整どころか逆に設備の大増設が行われた。

こうして08年が、本格的な過剰設備を抱える出発点になった。以来7年間、インフラ投資増強の旗印によって、過剰設備は雪だるま式に増え続けた。まさに、レバレッジ(債務をテコ)による成長を続けてきたのだ。その過程で、不動産バブルの発生と崩壊を見て現在のデレバレッジ(債務返済)の段階に至っている。

中国政府にとって、経済成長率の押し上げが唯一の目標である。企業は当然、量的成長を志向する。企業が、生産技術の向上による付加価値率を引き上げる。そういう必要性はなかった。先進国の市場経済ならば、定期的に訪れる在庫循環を克服すべく、生産性向上は必須要件である。中国経済は計画経済ゆえに、政府の介入によって景気循環を取り除かれた。それが、企業の不況抵抗力=技術革新のモチベーションを奪ったのだ。

野生動物は、動物園で飼育されれば、食糧不足の懸念が取り除かれる。この結果、野生動物として持つべき本能が鈍って、自然で生きて行くバイタリティが後退する。中国企業も、同じ境遇に置かれているはずだ。中国政府の立てる経済計画で需要は保証される。それに見合った供給体制を整えれば、国有企業は存続できる。技術革新の必要性はまったくないのだ。温室経済は、動物園と同じ環境である。

中国が、地方政府ごとに経済成長率競争をさせたことも、「社会主義市場経済」の矛盾を拡大再生産した。「社会主義市場経済」でも、中国全土を一本にした経済制度であれば、ここまで過剰設備=過剰債務=過剰雇用=過剰生産=市況暴落には見舞われなかっただろう。ところが、31の地方政府ごとに独立経済圏をつくって、レバレッジをやりたい放題にさせたのである。現在は、その「恣意的経済運営」のなれの果てになる。

中国は、国有企業を中軸とする経済システムである。これが、温室経済で肥大化させた。需要は政府から与えられる。国有企業は供給責任さえ果たせばよい。品質の向上を問われることもなかった。新技術を開発する必要性もゼロである。これに加えて、中国固有の研究不熱心というDNAを引き継いでいる。温室経済は、この怠惰なDNAを育てるにふさわしい環境となった。

④「中国メディアの『証券時報』はこのほど、中国政府も生産能力の過剰について極めて深刻な問題と認識していると伝えた。2016年の主要な改革任務の1つに、生産能力過剰の処理を挙げており、特に鉄鋼や石炭などの産業が対象になるとしている。中国の各産業では技術力が低いうえに、生産能力過剰によって生産の稼働率が低下し、製品の価格も下落が続いている。特に鉄鋼メーカーは極めて深刻な状況にある」。

計画経済では、最初に成長率目標を立てるので、自動的に需要総額が決まってくる。供給側は、それに見合った生産をすればこと足りる。およそ企業の創意工夫の余地は存在しないのだ。創意工夫の必要性がないうえに、地方政府官僚は、自らの出世の踏み台にすべく、政府計画を上回る経済成長率の達成を目指した。こうした地方の政府官僚が現れるたびに、他の地方政府官僚も「負けじ」と成長率競争をしてきた。かくして、経済成長率は官僚の出世競争と化した。過剰設備問題は、中国官僚制度の矛盾とも関連している。ここでは、供給の「質」問題を飛び越えて、「量」=経済成長率が最大の目標になった。

⑤「問題は、中国の鉄鋼業界で生産能力の過剰を解消できたところで、高品質な製品を作れるようになるわけでないことだ。品質が高く、競争力のある製品を造るうえで、日本や米国、ドイツとは大きな力の差が存在する。その差こそ、中国人旅行客が日本で温水洗浄便座を買い求めるという行動に現れている。中国は世界の工場として名を馳せたが、製品を造るために必要な高品質な金型や質の高い原材料などは輸入に頼っていたのが現状である」。

中国経済の脆弱性は、計画経済に由来する。一度、経済計画ができると、それに沿った需要が保証されたから、企業はイノベーションの必要性に迫られることもなかった。技術は模倣で結構。ただ、量さえ整えれば責務をクリアできた。中国鉄鋼業は今後、1億~1億5000万トンの設備廃棄を行うと発表されている。すべて、「量」だけにこだわってきた結果である。高品質の鉄鋼製品を生産できる技術を持っていないのだ。鉄鋼産業を筆頭にして、石炭やセメントなど素材産業はすべてこの部類に入る。

他の産業はどうか。大同小異、質の高い「使い易いボールペン」もつくれる技術はないのだ。

天狗の鼻が折れた
『サーチナー』(2月15日付)は、「中国、技術大国に変貌することはできるか」と題して、次のように報じた。

この記事では、率直に中国の技術水準が遅れていることを認めている。中国はつい最近まで、日本の技術は欧米の模倣である、といった記事を流していた。中国も今は模倣だが、必ず日本を追い抜けると自信のほどを見せていたのだ。それが、すっかり「温和しく」なっている。日中の技術格差の大きさに、改めて気付き驚愕しているに違いない。

そう言っては失礼だが、近代科学発展の基盤すら存在しない中国が、日本を追い越すなどと言うこと自体が現実離れしている証拠である。グローバル化時代に、マルキシズムの亜流を歩む愚かさを自覚すべきである。マルクスは共産主義を、西欧で民主政治の進んだ国家が、次なる最終段階の「理想郷」として描いたものだ。中国は、共産主義政治になる前に民主主義を経験しなければならなかった。この段階を飛ばした共産主義政治は、正統派マルクス思想に反している。民主主義=自由主義は、近代科学発展の基礎条件である。故に、中国が技術後進国であることは当然なのだ。

⑥「中国メディア『工控網』はこのほど、日本製造業が誇るトップクラスの技術のうち、中国が今なお追いつけていない分野について紹介し、工業分野における日本と中国の差を解説した。日本は電子、機械、軍需産業、自動車、新素材などの領域で非常に重要な地位を占めている。中国は世界最大の製造大国だが、製造技術において日本はどの分野で中国の先を行っているのか?と疑問を投げかけた」。  

中国は、自国の技術水準がいかに立ち遅れているかを自覚した、と「告白」している。日本から言えば、「エッ」と聞き返したくなるほどの驚きである。今さら、こんなことを言わざるを得ないほど、「GDP世界2位」で自己陶酔の境地にあったのだろう。井の中の蛙である。

⑦「まず挙げているのは、『工作機械』だ。現在、中国も工作機械の製作技術を蓄えつつあるが、政治的な理由で一部の国は重要な部品を中国に販売することを禁じている。中国は、工作機械に関する技術開発を自から行う必要がある。『光学機器』は、もともとカメラなどで欧州企業が世界市場をリードしていた。日本企業が、より高性能の高額機器をより低価格で生産して、世界市場の大部分を独占した。ほかにも『自動車エンジン』や『ロボット』などの分野において、中国と日本の技術の差は極めて大きく、日本が圧倒的に中国をリードする分野である」。

一国の製造業発展の基礎は、工作機械の発展にある。工作機械は、「マザーマシン」と称せられるように、この性能の如何が精密機械の発展の基礎をなしている。中国が付加価値の高い製品を作れない背景に、工作機械技術の未成熟という事情がある。中国は高級工作機械の禁輸措置に遭っている。軍需工業に転用される危険性があるからだ。日本も禁輸措置を行っている。

精密工業は、武器の性能に深く関わっている。中国の武器は性能面でどうなのか。工作機械か未発達であるから、その性能も推して知るべしであろう。こんな事情を抱えながら、量では軍事大国になっている。兵士は意欲に乏しく、武器は精度に欠ける。中国は今、軍律の引き締めに躍起だ。これでは、他国へ紛争を仕掛けても大恥をかくことになろう。中越戦争(1979年)の二の舞だ。

(2016年2月24日)





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2 ■ナゼ中国人は論理的思考ができないのか

「いま中国で起きている大破局の真相」(邱海濤・徳間書店)によれば、中国人の言語は右脳で反応、処理をするという結果(中国科学技術大学)があり、中国人は相手の言葉は音楽的で聞いていないで、自分の主張を考えているそうです。文字の古くからあるため象形文字から表意文字への進化もあまりなく、思考力の低下の一要因だそうです。

1 ■なぜ中国は技術の蓄積ができないのか?

中国企業の平均寿命は3−4年と言われています。国営企業は当然除かれているでしょう。当然会社としての技術蓄積はできません。それに加えて従業員も100元でも給料が高いところがあるとすぐに転職します。こういう社会では技術蓄積など不可能です。例えば新技術を就労中に見つけたら、すぐに独立して自分で会社を作ります。会社に対する帰属感はゼロです。日本も非正規ばかり増やしていると、将来は同じようになりますけどね!

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